International Lesbian, Gay, Bisexual, Trans and Intersex Associationとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > International Lesbian, Gay, Bisexual, Trans and Intersex Associationの意味・解説 

国際レズビアン・ゲイ協会

(International Lesbian, Gay, Bisexual, Trans and Intersex Association から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/23 09:07 UTC 版)

国際レズビアン・ゲイ協会 (こくさい - きょうかい、International Lesbian, Gay, Bisexual, Trans and Intersex Association、略称ILGA)は、600以上のレズビアンゲイトランスジェンダーそしてインターセックス関連団体が参加する国際的な協会である。人権市民権の領域におけるLGBT者の権利のため、キャンペーンや国連や各国政府への嘆願のための署名運動などの活動を精力的に行っている。2009年現在、世界約110か国で活動を展開している。

組織構成

ILGAは以下の地域支部からなる:

  • ILGA-Africa (国際レズビアン・ゲイ協会 アフリカ地区)
  • ILGA-Asia (国際レズビアン・ゲイ協会 アジア地区)
  • ILGA-ANZAPI (国際レズビアン・ゲイ協会 オーストラリア・ニュージーランド/アオテアロア・太平洋諸島地区)
  • ILGA-Europe (国際レズビアン・ゲイ協会 欧州地区)
  • ILGA-North America (国際レズビアン・ゲイ協会 北米地区)
  • ILTGA-LAC (国際レズビアン・トランスジェンダー・ゲイ協会 南米・カリブ海地区)

2009年現在、協会のトップは、スリランカのEqual Grand (2004)所属のロザンナ・フラメール・カルデラ (Rosanna Flamer-Caldera) とドイツのレズビアン・ゲイ協会 (LSVD)所属のフィリップ・ブラウン (Philipp Braun) が務めている。

歴史

HIVまたはエイズ感染者に対する、渡航・居住制限を示す世界地図
www.plhiv.org ILGAの年度報告の情報を元に作成:
  制限が確認されている地域
  相反する情報が提供されているため、制限の可能性がある地域
  規定なし
  情報なし

ILGAは1978年8月8日イングランドコヴェントリーで開催されていた会議「en:Campaign for Homosexual Equality」で発足した。この会議には14か国からの17団体を代表する30人の男性が参加していた。当初の名称はInternational Gay Association (IGA)であったが、1986年に現在の名前(ILGA)に変更された。 このコヴェントリーでの会議は、アムネスティ・インターナショナル (AI) にも働きかけ、レズビアン・ゲイに対する迫害問題に対する関わりを求めた。13年に及ぶキャンペーン活動の後、1991年にAIはその活動の一つとして、レズビアン・ゲイの人権問題を扱い始め、今日では国際的なLGBT権利の擁護者となっている。[1]

確認のとれている中で最も早く活動を開始していた同性愛権利擁護団体は、1924年頃にシカゴで活動をしていた "The Society for Human Rights"であり、ILGAではない。[2]

世界保健機構の疾病リストから同性愛が外されたことにも、ILGAが寄与している。

またILGAは、国連で非政府団体(NGO)としての「諮問資格」を獲得した最初のレズビアン・ゲイ権利団体である。1993年1994年に開催された、国連の差別防止・少数者保護小委員会 (en:United Nations Sub-Commission on Prevention of Discrimination and Protection of Minorities) と1994年の国際連合人権委員会において、ILGAの名前で声明が発表された。ただし1994年9月に、ILGAのNGOとしての位置づけは保留となっており(次項参照)、2009年現在、国際連合経済社会理事会 (ECOSOC)に所属する同性愛者権利NGOは、1999年に諮問資格を獲得したAustralian Coalition of Activist Lesbiansのみである。 欧州評議会は、ILGAの長年にわたる諮問資格申請に際して、国連における諮問資格剥奪理由を求めた。1997年終盤に、欧州評議会はILGAに諮問資格を与えた。ILGA欧州支部は、欧州委員会に認可されており、同委員会より経済的な支援も受けている。

ある論争の存在から、国際連合エイズ合同計画 (UNAIDS)は、ILGAに関連するあらゆるプロジェクトに対して援助を行わないことを表明している[3][リンク切れ]

論争と国連諮問資格剥奪

1993年の夏、ILGAは国際連合経済社会理事会 (ECOSOC)の諮問資格を、世界3000の団体が集まった非政府組織として獲得した。しかしながらジェシー・ヘルムズ (Jesse Helms) が先導していた、NAMBLA(米国少年愛者団体)のILGA加盟キャンペーンの後、この資格は1994年に保留となった。

この処置を受け、1994年始めにILGAは214の賛成票(うち反対票30)を持って、NAMBLAと他の2団体 (MARTIJN と Project Truth)を、「ペドフィリア(幼児性愛)を支持あるいは推進することを主な目的とした団体」と判断されるとして、除名処分にした。1994年10月に、ILGAの幹部委員会はドイツのミュンヘンで活動するVSG (Association for Sexual Equality)のILGAメンバーシップを保留とした。それは、VSGがNAMBLAとの連帯を口頭で表明しており、ペドフィリア支持者をVSGから脱退させる要求に従わなかったためである。VSGのメンバーシップは、次期(1995年6月)のILGA会議において、ILGAの規約に沿って対応(すなわち除名)が決定されるまで、保留とされた。VSGはILGAから1995年4月に脱退し、1998年には組織そのものが消滅した。

ILGAは諮問資格を回復するために2000年に申請を行ったが [4]2002年4月30日国際連合経済社会理事会 (ECOSOC)は29票対17票で、この申請をしりぞけた。[5]この決定は、「ILGAのメンバー団体または附属団体が、ペドフィリアを推進または許容したことにたいする懸念による」とされた。[6]

この懸念の要因となったのは、ILGAが同性愛を犯罪とする国々に住むメンバーの安全を確保するために、加盟している団体のリストを発行しておらず、そのためにNAMBLAとILGAの関係が表面的にだけではなく、実際に断たれたのか検証することが可能かどうか、ということであった。

2003年5月3日国際連合経済社会理事会 (ECOSOC)は再び決議を取り、ILGAに対して諮問資格を与えないことを決定した。これを受けて他のLGBT権利団体とともに、ILGAは再度申請を行ったが、2006年1月23日にNGO委員会において、拒否された。[7] ILGAは、LGBT権利団体の申請が退けられるのは、エジプトイスラム諸国会議機構 (OIC)が圧力をかけているから、との見方を持っている。[8]

しかしながら、続いて行われた、ILGA-Europeの申請に対する投票においては、アメリカ合衆国は立場を変え、賛成にまわった。しかしながら申請は拒否された。

  • 9か国 (カメルーン、中国、コートジボワール、イラン、パキスタン、ロシア連邦、セネガル、スーダン、ジンバブエ)が反対
  • 7か国 (チリ、コロンビア、フランス、ドイツ、ペルー、ルーマニア、アメリカ合衆国)が支持
  • 2か国棄権 (インドとトルコ)[1]

ECOSOCがILGAの申請を受け入れへ

2006年、ILGAはペドフィリア反対の立場を表明し続けており[2]ECOSOCに対し、国連諮問資格を要求し続けていたが、2010年7月19日国際連合経済社会理事会(ECOSOC)はついにジョグジャカルタ原則の付加勧告(d)に示された1996/31の決議に従って、ILGAの申請を受け入れた。[3](賛成23、反対13、棄権13)

12月11日には、ILGA-Europeは、ドイツ同性愛者連盟(Lesben- und Schwulenverband in Deutschland = LSVD)とNational Association of Gays and Lesbians(LBL)と共に)、ECOSOCの諮問資格を取得した。[4]

ILGA 世界会議

次の世界会議はカナダケベック2008年5月に開催される予定であったが、延期され[5]、2008年11月3日から6日まで、オーストリアウィーンで開催された。[6]

2010年には、モスクワで開催される予定である。

日本におけるILGAの活動

1984年初頭、IGAの幹部のビル・シラーは、ゲイ雑誌アドン』の創刊者である南定四郎を訪ね、日本支部を作らないかと打診した[7]。当時の南は政治的な活動に興味がなかったため一旦断ったが、同年2月14日、中山晋作、シラーとともにIGA日本を設立した。新宿区四谷三栄町にアパートを借りて事務所とした[8][9]

同年には(東京から見て)支部としての位置づけで「IGA日本・大阪」もできているが、1988年の第一回全国大会後に南より「今後ILGAの名称を使うことは認めない」という通知が届いたことにより、「OGC」(大阪ゲイ・コミュニティ)として独立した。「日本でのIGAの活動に関しては、自分が任されているから」というのがその理由だった[10]が、ILGAは各LGBT団体が個別に加盟できる組織であり、南の通知は越権行為であった。

1986年3月3日、新美広ら5人の若者は同性愛者の支援を行うグループ「動くゲイとレズビアンの会」(現・アカー)を設立した[11]。1965年生まれの新美を除き、ほとんどが高校生だった。アカーはILGA日本から分離独立したものとされる。またILGA日本には青年部門「together」があったほか、togetherのメンバーが設立や運営に関わった「GLOW」や「AIDSケアプロジェクト」などの源流にもなった[12]

1992年3月6日から8日にかけて第1回「東京国際レズビアン・ゲイ・フィルム&ビデオ・フェスティバル」が中野サンプラザの研修室で開催された。同フェスティバルは南が企画したもので、前年にILGA日本に加盟する団体として運営委員会がつくられた[13]

当初は月一回のセミナー開催、機関誌「JOIN」の発行と共に、エイズパニックが起きた時期ということもあり、「エイズ110番」の開設などが行われた[14]。東京四谷に「IGAクラブ」という、賛同者らがミーティングなどに使えるパブリックスペースがあった[14]。以下に活動史に触れるが、1996年に活動基盤になっていたアドンが廃刊されたこともあり、同年の第3回東京レズビアン・ゲイ・パレード以降は目立った活動が見られなくなった。

  • 1986年5月1日〜3日まで、アジア初の「第一回アジアゲイ会議」が開催された[14]
  • 1987年8月17日〜22日、第一回全国大会(OCCURメンバーなども参加)が開かれ、「ILGA日本」に改称された。
  • 1994年8月には、日本初の「東京レズビアン・ゲイ・パレード」がILGA日本が中心となった実行委員会の主催で開かれた。

ILGA日本グループ

「動くゲイとレズビアンの会」(現・アカー)、G-Front関西、北海道セクシュアルマイノリティ協会札幌ミーティングに続き、2007年には日本のLGBT団体として4番目にゲイジャパンニュースが加盟している。[15] ゲイジャパンニュース共同代表である山下梓は、2013年現在、ILGA共同代表代行も務めている。[16]

脚注

  1. ^ ECOSOC Report May 2006
  2. ^ ILGA’s Public Stance Against Paedophilia and Commitment to the Protection of Children
  3. ^ ECOSOC opens the UN to LGBT voices
  4. ^ Economic And Social Council Approves Consultative Status For Three Non-Governmental Organizations Focusing On Gay, Lesbian Rights Non-Governmental Organizations Focusing On Gay, Lesbian Rights
  5. ^ The Executive Board of ILGA decided to postpone the ILGA World Conference
  6. ^ 24th world conference in Vienna.
  7. ^ 『BEYOND』第5号”. 東京レインボープライド (2019年). 2023年6月29日閲覧。
  8. ^ 堀川修平「日本のセクシュアル・マイノリティ〈運動〉における「学習会」活動の役割とその限界 : 南定四郎による〈運動〉の初期の理論に着目して」『ジェンダー史学』第12巻、ジェンダー史学会、2016年、51-67頁、CRID 1390282680315303040doi:10.11365/genderhistory.12.51ISSN 188043572023年8月25日閲覧 
  9. ^ 宇田川しい (2019年4月28日). “87歳、LGBTムーブメントの始祖が今、雑誌を創刊したわけ。”. ハフポスト. 2023年6月28日閲覧。
  10. ^ http://www.hiro-pee.net/ogc1-5.html
  11. ^ 団体概要”. NPO法人アカー. 2023年6月14日閲覧。
  12. ^ https://twitter.com/t2kore/status/214568015885369344
  13. ^ http://tokyo-lgff.org/2007/outline/index.html
  14. ^ a b c プロジェクトG 編『オトコノコのためのボーイフレンド:ゲイ・ハンドブック』少年社、1986年3月。 
  15. ^ http://gayjapannews.com/news2007/news226.htm
  16. ^ http://gayjapannews.com/news2013/news3.htm

参考文献

関連書籍

Johansson, Warren & Percy, William A. Outing: Shattering the Conspiracy of Silence. Harrington Park Press, 1994. pp. 192-193

外部リンク


「International Lesbian, Gay, Bisexual, Trans and Intersex Association」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

International Lesbian, Gay, Bisexual, Trans and Intersex Associationのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



International Lesbian, Gay, Bisexual, Trans and Intersex Associationのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの国際レズビアン・ゲイ協会 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS