INDクロスタウン線とは? わかりやすく解説

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INDクロスタウン線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/16 14:42 UTC 版)

INDクロスタウン線
IND Crosstown Line
1979年からクロスタウン線を経由する運行系統のラインカラーはライムグリーンである。IND時代からG系統が運行している。
概要
種別 地下鉄
系統 ニューヨーク市地下鉄
起終点 コート・スクエア駅
ホイト-スカーマーホーン・ストリーツ駅
駅数 13駅
1日の乗客数 149,043人[1]
運営
開業 1933年–1937年
所有者 ニューヨーク市
運営者 ニューヨークシティ・トランジット・オーソリティ
路線構造 地下線
路線諸元
路線数 2-4線
軌間 4 ft 8 12 in (1,435 mm)
電化 直流625V第三軌条方式
路線図
INDクロスタウン線
コート・スクエア駅
21丁目駅
グリーンポイント・アベニュー駅
ナッソー・アベニュー駅
メトロポリタン・アベニュー駅
ブロードウェイ駅
フラッシング・アベニュー駅
マートル-ウィロビー・アベニュース駅
ベッドフォード-ノストランド・アベニュース駅
クラッソン・アベニュー駅
クリントン-ワシントン・アベニュース駅
フルトン・ストリート駅
ホイト-スカーマーホーン・ストリーツ駅
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INDクロスタウン線(IND Crosstown Line)はニューヨーク市地下鉄Bディビジョンの路線で、ブルックリン区クイーンズ区を結んでいる。ブルックリン区西部とクイーンズ区北西部を結ぶ街区(town)間運行をすることからブルックリン-クイーンズ・クロスタウン線(Brooklyn-Queens Crosstown Line)とも呼ばれ、これが線区名の由来となっている。ニューヨーク市地下鉄の主要線区の中で、マンハッタンとの間に列車が運転されない唯一の線区である。

路線概要と運行パターン

クロスタウン線で運行される運行系統のエンブレムはライムグリーンである。

運行系統 時間帯 運転区間
終日 コート・スクエア駅以南

クロスタウン線で運行されているのはG系統のみである。コート・スクエア駅以北では営業運転は行われていない。

クロスタウン線の北端はクイーンズ・プラザ駅のすぐ南でINDクイーンズ・ブールバード線および60丁目トンネル連絡線と立体交差しつつ合流している。ここから南はコート・スクエア駅南側の折り返し線を除いて複線になっている。マーシー・アベニューからラファイエット・アベニューの間には複線の急行線があり、本線との間を行き来できる渡り線が,設けられている。これは1931年の延伸計画英語版で他線への分岐に使われる予定だった部分である。急行線はベッドフォード-ノストランド・アベニュース駅の先にある本線との渡り線で終わっているが、用地はクラッソン・アベニュー駅まで確保されている。

クロスタウン線はホイト-スカーマーホーン・ストリーツ駅INDフルトン・ストリート線の複々線の中央を通り抜けている。ここで路線間の対面乗り換えができるが、線路は繋がっていない。ホイト・スカーマーホーン・ストリーツ駅を過ぎると、線路は南に曲がってINDカルバー線の緩行線に合流し、すぐ南で緩行線と急行線に分岐している。

歴史

クロスタウン線の建設計画は1912年の時点で既に浮上していた[2][3]。1923年にはブルックリン・ラピッド・トランジット(BRT)がクイーンズボロ橋からジャクソン・アベニュー、マンハッタン・アベニュー、ローブリング・ストリート、ベッドフォード・アベニューおよびハンコック・ストリートの下を通ってBMTフランクリン・アベニュー線の北端であるフランクリン・アベニュー駅に至る路線の計画を発表[4]し、市当局も受け入れを発表した[5]。ところが、当時のニューヨーク市長ジョン・ハイランは反対の意を表明[6]し、既に開発が進んでいたブルックリン区中心部の住民も騒音や景観への影響から高架線の建設に反対した。しかし、BRTは建設費の安さから地下鉄ではなく高架線の建設を望んでいた[3]

ニューヨーク市がインディペンデント・サブウェイ・システムの計画を立ち上げると、クロスタウン線の建設に大きく弾みがついた[7]。当時の計画では、クロスタウン線はロングアイランド・シティINDクイーンズ・ブールバード線と53丁目トンネルを経由してマンハッタンから延びる線路が接続するY字形の路線となる予定であり、これはクロスタウン線とIND8番街線を使って環状線を構成することを意図したものであった[7]

1933年8月19日にナッソー・アベニュー駅以北の区間が開業し、クイーンズ・プラザ駅との間でGG系統の運行が始まった。全線開業は1937年7月1日で、INDカルバー線と接続[8]されてGG系統スミス・ストリート-9丁目駅方面とフォレスト・ヒルズ-71番街駅方面の両方向に区間延長された。

それから77年以上に渡ってジャマイカ-179丁目駅までの区間延長やクイーンズ・プラザ駅-コート・スクエア駅間の運転取り止めなどの変遷を経ながらGG系統(1985年にG系統に改称)が運行され続けている。何度かチャーチ・アベニュー駅への区間延長も何度か行われ、最近では2009年にも行われている。F系統ジェイ・ストリート-メトロテック駅 - バーゲン・ストリート駅間で休日の運転を取り止めると、G系統はチャーチ・アベニュー駅を越えてコニー・アイランド駅まで区間延長された。一方で、2010年4月19日には経費削減のためG系統はクイーンズ・ブールバード線への乗り入れを取り止めることになった[9]

駅一覧

全駅にG系統が停車する。北端はコート・スクエア駅である。

ネイバーフッド
(概略の位置)
駅名 停車 開業日 乗換および備考
ロングアイランド・シティ INDクイーンズ・ブールバード線(定期運行なし)の緩行線から分岐
コート・スクエア駅 G  1933年8月19日 IRTフラッシング線7 
INDクイーンズ・ブールバード線E  M 
21丁目駅 G  1933年8月19日
グリーンポイント英語版 グリーンポイント・アベニュー駅 G  1933年8月19日
ナッソー・アベニュー駅 G  1933年8月19日
ウィリアムズバーグ メトロポリタン・アベニュー駅 G  1937年7月1日 ロリマー・ストリート駅BMTカナーシー線L )に乗り換え
ブロードウェイ駅 G  1937年7月1日
ウィリアムズバーグ/
ベッドフォード=スタイベサント
フラッシング・アベニュー駅 G  1937年7月1日
ベッドフォード=スタイベサント マートル-ウィロビー・アベニュース駅 G  1937年7月1日
ベッドフォード-ノストランド・アベニュース駅 G  1937年7月1日 島式ホームの間を急行線が通っている
クリントン・ヒル英語版 クラッソン・アベニュー駅 G  1937年7月1日 急行線用の用地あり
クリントン-ワシントン・アベニュース駅 G  1937年7月1日
フォート・グリーン英語版 フルトン・ストリート駅 G  1937年7月1日
ダウンタウン・ブルックリン英語版 ホイト-スカーマーホーン・ストリーツ駅 G  1937年7月1日 INDフルトン・ストリート線A  C 
INDカルバー線G )に合流

脚注

  1. ^ MTA. “Average weekday subway ridership”. 2014年4月2日閲覧。
  2. ^ Joseph B. Raskin (1 November 2013). The Routes Not Taken: A Trip Through New York City's Unbuilt Subway System. Fordham University Press. ISBN 978-0-8232-5369-2. https://books.google.co.jp/books?id=CUlGCgAAQBAJ&pg=PA307&redir_esc=y&hl=ja 2015年8月12日閲覧。 
  3. ^ a b vanshnookenraggen (2015年9月23日). “Mysteries of the Queens Boulevard Subway”. vanshnookenraggen. 2015年10月4日閲覧。
  4. ^ Transit Commission, New Subways: Proposed Additions to Rapid Transit System, 1922
  5. ^ “Two Subway Routes Adopted by City”. The New York Times: p. 9. (1923年8月4日). http://select.nytimes.com/gst/abstract.html?res=F70B10F7345416738DDDAD0894D0405B838EF1D3 2011年12月18日閲覧。 
  6. ^ “Hylan About Faced, Says Citizens Union”. The New York Times: p. 13. (1924年4月6日). http://select.nytimes.com/gst/abstract.html?res=F2071FF6355812738DDDAF0894DC405B848EF1D3 2011年12月18日閲覧。 
  7. ^ a b New York Times, New Subway Routes in Hylan Program to Cost $186,046,000, March 21, 1925, page 1
  8. ^ “New Crosstown Subway Line Is Opened”. Brooklyn Daily Eagle. (1937年7月1日). https://bklyn.newspapers.com/image/52688792/?terms=crosstown%2Bsubway 2015年12月24日閲覧。 
  9. ^ Haddon, Heather (2010年4月13日). “G train taking a hit before service cuts roll out”. AM New York. http://www.amny.com/urbanite-1.812039/g-train-taking-a-hit-before-service-cuts-roll-out-1.1860885 2010年4月16日閲覧。 

外部リンク


INDクロスタウン線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 15:34 UTC 版)

コート・スクエア駅」の記事における「INDクロスタウン線」の解説

コート・スクエア駅Court Squareニューヨーク市地下鉄駅 クロスタウン線ホーム 駅情報住所45th Avenue & Jackson Avenue ディビジョンBディビジョンIND路線INDクロスタウン線 運行系統 G (終日) 構造地下駅 ホーム島式ホーム 1面 線路数2線 その他の情報開業1933年8月19日 (88年前) (1933-08-19) 旧駅名/名称ロングアイランド・シティ-コート・スクエア駅Long Island CityCourt Square 次の停車駅北側の隣駅クイーンズ・プラザ駅: 定期運行なし(終点): G 南側の隣駅21丁目駅: G 停車案内マーク説明 終日停車 配線図 凡例クイーンズ・プラザ駅 未使用線路21丁目駅 INDクロスタウン線コート・スクエア駅Court Square)は島式ホーム1面2線の地下駅で、1933年8月19日開業したG系統北端駅で、終日発着している。 G系統は当駅止めだが、線路は北に続いておりクイーンズ・プラザ駅の南でクイーンズ・ブールバード線の本線合流している。この区間は現在定列車運行されていないが、2010年4月19日まではフォレスト・ヒルズ-71番街駅までの列車多数運転されていた。 ホーム壁面の上端には黒い縁取り緑色の帯が描かれており、その下に黒地に白で "COURT SQ" とレタリング施した小さな駅名標取り付けられている。ホーム両脇には緑色I 形鋼等間隔並んでいる。 ホームからメザニン上がる階段3本あり、メザニンにはクイーンズ・ブールバード線への改札内連絡通路設けられている。改札口はいずれ無人で、自動改札機だけが設けられている。メイン改札にはジャクソン・アベニュー-コート・スクエア交差点南西角に出る階段がある。2001年12月にクイーンズ・ブールバード線が63目連絡線でIND63丁目線接続された際、メザニン北端無人改札口新設されIRTフラッシング線との改札外乗換ができるようになった。ピアソン・ストリートのジャクソン・アベニュー北側寄り階段設けられIRTの駅から直接外に出られるようになった2011年6月にはこの乗換口には囲い設けられ改札内乗換ができるようになり、エスカレーター2本とエレベータ1基が新設され、さらに階段1本で両駅にアクセスできるようになった。ただし、ADA対応なのはフラッシング線のみで、クロスタウン線は今後対応の予定である。

※この「INDクロスタウン線」の解説は、「コート・スクエア駅」の解説の一部です。
「INDクロスタウン線」を含む「コート・スクエア駅」の記事については、「コート・スクエア駅」の概要を参照ください。

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