EF英語能力指数
英語:EF English Proficiency Index、EF EPI
世界各国の人々の英語能力について評価しランク付けしたもの。EF Education Firstが毎年調査し発表している。
EF英語能力指数は、アメリカ合衆国やイギリス、カナダ、オーストラリアなどを除く70か国の成人を対象に英語の試験を行い、成績をもとに偏差値で表したものである。
2015年のEF英語能力指数では、1位はスウェーデン、2位はオランダ、3位はデンマークという結果だった。日本は70か国中30位で、EF Education Firstによれば日本の英語能力は標準的という評価だった。ちなみに、アジア圏での1位はシンガポール、2位はマレーシア、3位はインドだった。
関連サイト:
EF English Proficiency Index - (英語)
EF英語能力指数
(EF English Proficiency Index から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/18 14:18 UTC 版)
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600以上(とても高い)
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599 – 575(高い)
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574 – 550(高い)
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549 – 525(中程度)
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524 – 500(中程度)
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499 – 475(低い)
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474 – 450(低い)
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449 – 425(とても低い)
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424 – 400(とても低い)
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400以下(とても低い)
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データなしまたは英語圏
EF英語能力指数(EF EPI)は、EF試験を受験した成人の英語力の平均の国ごとのランキングを示そうとする試みである。指数は代表抽出調査ではなく、自主的に受験した者の調査結果に基づいている。エコノミスト誌が述べるには、「これは統計的に制御された研究ではなく、調査対象者は無料の試験をオンラインで自発的に受ける。その性質上、調査対象者はインターネットに接続しており、英語力の試験に興味があり、人口全体と比べると若年層、都市部の者が多い。」
この指数は、国際教育会社のEF Education Firstの製品であり、インターネットにより無料で提供される英語の試験によって集められた統計から結論を得ている。2012年、170万人の受験者により初めてオンライン調査結果が公表され、直近の第6版は2016年11月に公表された。
方法
EF EPIの第6版は、2015年の95万人の受験者のデータから算出された。受験者は自主的に受けるもので、その属性については集計されない。この試験はEF社により広報などのために用いられている。第6版では69か国と3地域が出ている。ランキングに含まれるためには、国あたり最低400人の受験者が必要とされる。
結果
報告書は国ごとのランキング表、英語能力と相関するその他の社会経済的な要因に関して図表を用いた分析の数ページ、そしてそれぞれの地域の分析から成っている。2016年の報告と、それに付随する国ごとの状況報告は、性別、年齢別、国内の地域別、また都市別の英語能力の段階を含んでいる。EF社のウェブサイトにはレポートの一部が掲載され、多くの国や地域における英語能力の分析がなされている。
主な結論
- 人口当たりの輸出、国民総所得、イノベーションは、すべて英語能力と正の相関を示す。
- 英語能力の段階は国によって異なる変化の傾向を示しており、英語能力が落ちている国もある。
- ヨーロッパが全体として最も英語能力が高く、中東が最も低い。
- 女性は男性よりも英語能力が高い。
2019年の順位
以下は、2018年のデータに基づき2019年に公表された最新の国別の順位、スコア、英語能力である[2]。
| 2019年の順位 | 国名 | 2019年のスコア | 2019年の英語能力レベル |
|---|---|---|---|
| 1 | 70.27 | とても高い英語能力 | |
| 2 | 68.74 | とても高い英語能力 | |
| 3 | 67.93 | とても高い英語能力 | |
| 4 | 67.87 | とても高い英語能力 | |
| 5 | 66.82 | とても高い英語能力 | |
| 6 | 65.38 | とても高い英語能力 | |
| 7 | 65.34 | とても高い英語能力 | |
| 8 | 64.11 | とても高い英語能力 | |
| 9 | 64.03 | とても高い英語能力 | |
| 10 | 63.77 | とても高い英語能力 | |
| 11 | 63.76 | とても高い英語能力 | |
| 12 | 63.14 | とても高い英語能力 | |
| 13 | 63.09 | とても高い英語能力 | |
| 14 | 63.07 | とても高い英語能力 | |
| 15 | 61.86 | 高い英語能力 | |
| 16 | 61.36 | 高い英語能力 | |
| 17 | 61.30 | 高い英語能力 | |
| 18 | 60.51 | 高い英語能力 | |
| 19 | 60.23 | 高い英語能力 | |
| 20 | 60.14 | 高い英語能力 | |
| 21 | 60.11 | 高い英語能力 | |
| 22 | 59.87 | 高い英語能力 | |
| 23 | 59.30 | 高い英語能力 | |
| 24 | 58.97 | 高い英語能力 | |
| 25 | 58.82 | 高い英語能力 | |
| 26 | 58.55 | 高い英語能力 | |
| 27 | 58.38 | 高い英語能力 | |
| 28 | 58.29 | 高い英語能力 | |
| 29 | 58.26 | 高い英語能力 | |
| 30 | 57.38 | 中程度の英語能力 | |
| 31 | 57.25 | 中程度の英語能力 | |
| 32 | 56.85 | 中程度の英語能力 | |
| 33 | 55.63 | 中程度の英語能力 | |
| 34 | 55.49 | 中程度の英語能力 | |
| 35 | 55.46 | 中程度の英語能力 | |
| 36 | 55.31 | 中程度の英語能力 | |
| 37 | 55.04 | 中程度の英語能力 | |
| 38 | 54.18 | 中程度の英語能力 | |
| 39 | 54.08 | 中程度の英語能力 | |
| 40 | 53.44 | 中程度の英語能力 | |
| 41 | 53.34 | 中程度の英語能力 | |
| 42 | 52.89 | 中程度の英語能力 | |
| 43 | 52.70 | 中程度の英語能力 | |
| 44 | 52.58 | 中程度の英語能力 | |
| 45 | 52.51 | 中程度の英語能力 | |
| 46 | 52.50 | 中程度の英語能力 | |
| 47 | 52.39 | 低い英語能力 | |
| 48 | 52.14 | 低い英語能力 | |
| 49 | 52.13 | 低い英語能力 | |
| 50 | 51.99 | 低い英語能力 | |
| 51 | 51.64 | 低い英語能力 | |
| 52 | 51.57 | 低い英語能力 | |
| 53 | 51.51 | 低い英語能力 | |
| 54 | 51.41 | 低い英語能力 | |
| 55 | 50.92 | 低い英語能力 | |
| 56 | 50.62 | 低い英語能力 | |
| 57 | 50.53 | 低い英語能力 | |
| 58 | 50.22 | 低い英語能力 | |
| 59 | 50.10 | 低い英語能力 | |
| 60 | 50.09 | 低い英語能力 | |
| 61 | 50.06 | 低い英語能力 | |
| 62 | 49.89 | 低い英語能力 | |
| 63 | 49.64 | 低い英語能力 | |
| 64 | 49.60 | 低い英語能力 | |
| 65 | 49.04 | 低い英語能力 | |
| 66 | 49.00 | 低い英語能力 | |
| 67 | 48.99 | 低い英語能力 | |
| 68 | 48.75 | 低い英語能力 | |
| 69 | 48.69 | 低い英語能力 | |
| 70 | 48.19 | とても低い英語能力 | |
| 71 | 48.11 | とても低い英語能力 | |
| 72 | 48.02 | とても低い英語能力 | |
| 73 | 47.81 | とても低い英語能力 | |
| 74 | 47.61 | とても低い英語能力 | |
| 75 | 47.21 | とても低い英語能力 | |
| 76 | 47.19 | とても低い英語能力 | |
| 77 | 47.11 | とても低い英語能力 | |
| 78 | 47.10 | とても低い英語能力 | |
| 79 | 46.81 | とても低い英語能力 | |
| 80 | 46.79 | とても低い英語能力 | |
| 81 | 46.57 | とても低い英語能力 | |
| 82 | 46.36 | とても低い英語能力 | |
| 83 | 46.28 | とても低い英語能力 | |
| 84 | 46.22 | とても低い英語能力 | |
| 85 | 46.13 | とても低い英語能力 | |
| 86 | 46.00 | とても低い英語能力 | |
| 87 | 45.94 | とても低い英語能力 | |
| 88 | 45.56 | とても低い英語能力 | |
| 89 | 45.36 | とても低い英語能力 | |
| 90 | 45.28 | とても低い英語能力 | |
| 91 | 44.54 | とても低い英語能力 | |
| 92 | 44.39 | とても低い英語能力 | |
| 93 | 43.83 | とても低い英語能力 | |
| 94 | 43.78 | とても低い英語能力 | |
| 95 | 43.18 | とても低い英語能力 | |
| 96 | 42.41 | とても低い英語能力 | |
| 97 | 42.39 | とても低い英語能力 | |
| 98 | 41.60 | とても低い英語能力 | |
| 99 | 41.51 | とても低い英語能力 | |
| 100 | 40.87 | とても低い英語能力 |
批判
EF EPIは、各国の代表抽出を行っていないことから批判されてきた。言語社会学者の寺沢拓敬は、重大な問題点として3点上げている[3]。
- 代表性はない。EF社独自のオンライン英語力診断テストを受けた人の結果に過ぎない。(英語がよくできる人は「診断」テストを受けるはずがないし、まったくできない人・興味がない人も診断しようとは思わないわけで受けない)
- 数値が乱高下している。点数が毎年大きくブレており、この点からも信頼性の乏しさは一目瞭然である。(たとえば、EF英語能力指数によると、日本は2015年までは香港よりも英語ができる国だった。)
- 営利目的。このランキングは、EF社がプロモーションの一環としてやっているものであり、調査のために作られたものではない。
上記のように、このランキングは、国際比較調査ではなくテストスコアを集計したものを二次利用したものに過ぎない。ただし、英語能力の国際比較調査はほとんど存在しないこともあり、本ランキングを参照してしまう著者・記者もいる。
類似の調査
欧州委員会は「SurveyLang」と呼ばれる言語調査を行った。この調査では、15歳のヨーロッパの学生から代表サンプルを取って、外国語スキルを調ベるテストを行っている。13カ国の調査報告とデータセットは2012年6月に公開された[4]。
脚注
- ^ “EF EPI 2023 - EF English Proficiency Index” (2023年). 2024年4月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月18日閲覧。
- ^ “EF EPI 2019 - EF English Proficiency Index” (2019年). 2020年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月14日閲覧。
- ^ “「日本の英語力は53位」というデマ報道が流れ出す季節になりましたね。(寺沢拓敬) - 個人”. Yahoo!ニュース. 2021年12月19日閲覧。
- ^ SurveyLang project. European Commission. Retrieved on 2012-09-20.
関連項目
- 第二言語または外国語としての英語
外部リンク
- EF English Proficiency Indexのページへのリンク