DataRow

.NET Framework クラス ライブラリ リファレンス

DataRow クラス

DataTable 内のデータ行を表します。

名前空間: System.Data
アセンブリ: System.Data (system.data.dll 内)
構文

Visual Basic (宣言)

Public Class DataRow

Visual Basic (使用法)

Dim instance As DataRow

C#

public class DataRow

C++

public ref class DataRow

J#

public class DataRow

JScript

public class DataRow

解説

DataRow オブジェクトと DataColumn オブジェクトは、DataTable の主要コンポーネントです。DataTable 内の値の検索と評価、および値の挿入、削除、更新を実行するには、DataRow オブジェクトおよびこのオブジェクトのプロパティとメソッドを使用します。DataRowCollection は DataTable 内にある実際の DataRow オブジェクトを表します。DataColumnCollection には、DataTable のスキーマを記述する DataColumn オブジェクトが格納されています。DataColumn の値を返す、または設定するには、オーバーロードされた Item プロパティを使用します。

特定の行の値のステータスを確認するには HasVersion プロパティと IsNull プロパティを使用し、親 DataTable に関連して行のステータスを確認するには RowState プロパティを使用します。

新しい DataRow を作成するには、DataTable オブジェクトの NewRow メソッドを使用します。新しい DataRow を作成した後、Add メソッドを使用して、新しい DataRow を DataRowCollection に追加します。最後に、DataTable オブジェクトの AcceptChanges メソッドを呼び出して、データ行の追加を確認します。DataTable へのデータ追加の詳細については、「テーブルへのデータの追加」を参照してください。

DataRowCollection から DataRow を削除するには、DataRowCollection の Remove メソッドを呼び出すか、DataRow オブジェクトの Delete メソッドを呼び出します。Remove メソッドは、コレクションから行を削除します。これに対して、Delete は、DataRow に削除マークを付けます。AcceptChanges メソッドを呼び出すと、実際に削除が実行されます。実際に行を削除する前に Delete を呼び出すと、削除マークが付けられている行をプログラムによって確認できます。詳細については、「テーブルからの行の削除」を参照してください。

使用例

DataTable オブジェクトの NewRow メソッドを呼び出して新しい DataRow を作成する例を次に示します。

Visual Basic

Private Sub CreateNewDataRow()
    ' Use the MakeTable function below to create a new table.
    Dim table As DataTable
    table = MakeNamesTable()

    ' Once a table has been created, use the 
    ' NewRow to create a DataRow.
    Dim row As DataRow 
    row = table.NewRow()

    ' Then add the new row to the collection.
    row("fName") = "John"
    row("lName") = "Smith"
    table.Rows.Add(row)
    
    Dim column As DataColumn
    For Each column in table.Columns
       Console.WriteLine(column.ColumnName)
    Next
    DataGrid1.DataSource=table
 End Sub
 
 Private Function MakeNamesTable() As
 DataTable
    ' Create a new DataTable titled 'Names.'
    Dim namesTable As DataTable = new
 DataTable("Names") 

    ' Add three column objects to the table.
    Dim idColumn As DataColumn = new
  DataColumn()
    idColumn.DataType = System.Type.GetType("System.Int32")
    idColumn.ColumnName = "id"
    idColumn.AutoIncrement = True
    namesTable.Columns.Add(idColumn)

    Dim fNameColumn As DataColumn = New
 DataColumn()
    fNameColumn.DataType = System.Type.GetType("System.String")
    fNameColumn.ColumnName = "Fname"
    fNameColumn.DefaultValue = "Fname"
    namesTable.Columns.Add(fNameColumn)

    Dim lNameColumn As DataColumn = new
 DataColumn()
    lNameColumn.DataType = System.Type.GetType("System.String")
    lNameColumn.ColumnName = "LName"
    namesTable.Columns.Add(lNameColumn)

    ' Create an array for DataColumn objects.
    Dim keys(0) As DataColumn 
    keys(0) = idColumn
    namesTable.PrimaryKey = keys

    ' Return the new DataTable.
    MakeNamesTable = namesTable
 End Function

C#

private void CreateNewDataRow()
{
    // Use the MakeTable function below to create a new table.
    DataTable table;
    table = MakeNamesTable();

    // Once a table has been created, use the 
    // NewRow to create a DataRow.
    DataRow row;
    row = table.NewRow();

    // Then add the new row to the collection.
    row["fName"] = "John";
    row["lName"] = "Smith";
    table.Rows.Add(row);

    foreach(DataColumn column in table.Columns)
        Console.WriteLine(column.ColumnName);
    dataGrid1.DataSource=table;
}
 
private DataTable MakeNamesTable()
{
    // Create a new DataTable titled 'Names.'
    DataTable namesTable = new DataTable("Names"); 

    // Add three column objects to the table.
    DataColumn idColumn = new  DataColumn();
    idColumn.DataType = System.Type.GetType("System.Int32");
    idColumn.ColumnName = "id";
    idColumn.AutoIncrement = true;
    namesTable.Columns.Add(idColumn);

    DataColumn fNameColumn = new DataColumn();
    fNameColumn.DataType = System.Type.GetType("System.String");
    fNameColumn.ColumnName = "Fname";
    fNameColumn.DefaultValue = "Fname";
    namesTable.Columns.Add(fNameColumn);

    DataColumn lNameColumn = new DataColumn();
    lNameColumn.DataType = System.Type.GetType("System.String");
    lNameColumn.ColumnName = "LName";
    namesTable.Columns.Add(lNameColumn);

    // Create an array for DataColumn objects.
    DataColumn [] keys = new DataColumn [1];
    keys[0] = idColumn;
    namesTable.PrimaryKey = keys;

    // Return the new DataTable.
    return namesTable;
}

継承階層

System.Object
  System.Data.DataRow

スレッド セーフ

この型は、マルチスレッド読み取り操作に対して安全です。すべての書き込み操作の同期をとる必要があります。

プラットフォーム

Windows 98, Windows 2000 SP4, Windows CE, Windows Millennium Edition, Windows Mobile for Pocket PC, Windows Mobile for Smartphone, Windows Server 2003, Windows XP Media Center Edition, Windows XP Professional x64 Edition, Windows XP SP2, Windows XP Starter Edition

開発プラットフォームの中には、.NET Framework によってサポートされていないバージョンがあります。サポートされているバージョンについては、「システム要件」を参照してください。

バージョン情報

.NET Framework
サポート対象 : 2.0、1.1、1.0
.NET Compact Framework
サポート対象 : 2.0、1.0

参照

関連項目
DataRow メンバ
System.Data 名前空間
AcceptChanges
Add
DataColumnCollection クラス
DataColumn クラス
DataRowView
DataTable
HasVersion
IsNull
Item
NewRow
DataRowCollection

DataRow コンストラクタ

このコンストラクタは、.NET Framework インフラストラクチャをサポートします。独自に作成したコードから直接使用するためのものではありません。

DataRow の新しいインスタンスを初期化します。ビルダから行を構築します。これは内部使用に限ります。

名前空間: System.Data
アセンブリ: System.Data (system.data.dll 内)
構文

Visual Basic (宣言)

Protected Friend Sub New
 ( _
    builder As DataRowBuilder _
)

Visual Basic (使用法)

Dim builder As DataRowBuilder

Dim instance As New DataRow(builder)

C#

protected internal DataRow (
    DataRowBuilder builder
)

C++

protected public:
DataRow (
    DataRowBuilder^ builder
)

J#

protected DataRow (
    DataRowBuilder builder
)

JScript

protected internal function
 DataRow (
    builder : DataRowBuilder
)

パラメータ

builder

ビルダ。

プラットフォーム

Windows 98, Windows 2000 SP4, Windows CE, Windows Millennium Edition, Windows Mobile for Pocket PC, Windows Mobile for Smartphone, Windows Server 2003, Windows XP Media Center Edition, Windows XP Professional x64 Edition, Windows XP SP2, Windows XP Starter Edition

開発プラットフォームの中には、.NET Framework によってサポートされていないバージョンがあります。サポートされているバージョンについては、「システム要件」を参照してください。

バージョン情報

.NET Framework
サポート対象 : 2.0、1.1、1.0
.NET Compact Framework
サポート対象 : 2.0、1.0

参照

関連項目
DataRow クラス
DataRow メンバ
System.Data 名前空間

DataRow プロパティ

パブリック プロパティ

	名前	説明
	Item	オーバーロードされます。 指定した列に格納されているデータを取得または設定します。
	Table	この行のスキーマが関連する DataTable を取得します。

参照

関連項目

DataRow クラス
System.Data 名前空間
AcceptChanges
Add
DataColumnCollection クラス
DataColumn クラス
DataRowView
DataTable
HasVersion
IsNull
Item
NewRow
DataRowCollection

DataRow メソッド

パブリック メソッド

( プロテクト メソッド も参照)

	名前	説明
	AcceptChanges	前回 AcceptChanges を呼び出した以降にこの行に対して行われたすべての変更をコミットします。
	BeginEdit	DataRow オブジェクトの編集操作を開始します。
	CancelEdit	この行の現在の編集をキャンセルします。
	ClearErrors	行のエラーを消去します。これには RowError と、SetColumnError に設定されているエラーが含まれます。
	Delete	DataRow を削除します。
	EndEdit	この行で行われている編集を終了します。
	Equals	オーバーロードされます。 2 つの Object インスタンスが等しいかどうかを判断します。 ( Object から継承されます。)
	GetChildRows	オーバーロードされます。 DataRow の子行を取得します。
	GetColumnError	オーバーロードされます。 列のエラーの説明を取得します。
	GetColumnsInError	エラーが含まれる列の配列を取得します。
	GetHashCode	特定の型のハッシュ関数として機能します。GetHashCode は、ハッシュ アルゴリズムや、ハッシュ テーブルのようなデータ構造での使用に適しています。 ( Object から継承されます。)
	GetParentRow	オーバーロードされます。 DataRow の親行を取得します。
	GetParentRows	オーバーロードされます。 DataRow の親行を取得します。
	GetType	現在のインスタンスの Type を取得します。 ( Object から継承されます。)
	HasVersion	指定したバージョンが存在するかどうかを示す値を取得します。
	IsNull	オーバーロードされます。 指定した列に null 値が格納されているかどうかを示す値を取得します。
	ReferenceEquals	指定した複数の Object インスタンスが同一かどうかを判断します。 ( Object から継承されます。)
	RejectChanges	前回 AcceptChanges を呼び出した以降にこの行に対して行われたすべての変更を拒否します。
	SetAdded	DataRow の Rowstate を Added に変更します。
	SetColumnError	オーバーロードされます。 列のエラーの説明を設定します。
	SetModified	DataRow の Rowstate を Modified に変更します。
	SetParentRow	オーバーロードされます。 DataRow の親行を設定します。
	ToString	現在の Object を表す String を返します。 ( Object から継承されます。)

プロテクト メソッド

	名前	説明
	Finalize	Object がガベージ コレクションにより収集される前に、その Object がリソースを解放し、その他のクリーンアップ操作を実行できるようにします。 ( Object から継承されます。)
	MemberwiseClone	現在の Object の簡易コピーを作成します。 ( Object から継承されます。)
	SetNull	指定した DataColumn の値を null 値に設定します。

参照

関連項目

DataRow クラス
System.Data 名前空間
AcceptChanges
Add
DataColumnCollection クラス
DataColumn クラス
DataRowView
DataTable
HasVersion
IsNull
Item
NewRow
DataRowCollection

DataRow メンバ

DataTable 内のデータ行を表します。

DataRow データ型で公開されるメンバを以下の表に示します。

プロテクト コンストラクタ

	名前	説明
	DataRow	DataRow の新しいインスタンスを初期化します。ビルダから行を構築します。これは内部使用に限ります。

パブリック プロパティ

	名前	説明
	Item	オーバーロードされます。 指定した列に格納されているデータを取得または設定します。
	Table	この行のスキーマが関連する DataTable を取得します。

パブリック メソッド

( プロテクト メソッド も参照)

	名前	説明
	AcceptChanges	前回 AcceptChanges を呼び出した以降にこの行に対して行われたすべての変更をコミットします。
	BeginEdit	DataRow オブジェクトの編集操作を開始します。
	CancelEdit	この行の現在の編集をキャンセルします。
	ClearErrors	行のエラーを消去します。これには RowError と、SetColumnError に設定されているエラーが含まれます。
	Delete	DataRow を削除します。
	EndEdit	この行で行われている編集を終了します。
	Equals	オーバーロードされます。 2 つの Object インスタンスが等しいかどうかを判断します。 (Object から継承されます。)
	GetChildRows	オーバーロードされます。 DataRow の子行を取得します。
	GetColumnError	オーバーロードされます。 列のエラーの説明を取得します。
	GetColumnsInError	エラーが含まれる列の配列を取得します。
	GetHashCode	特定の型のハッシュ関数として機能します。GetHashCode は、ハッシュ アルゴリズムや、ハッシュ テーブルのようなデータ構造での使用に適しています。 (Object から継承されます。)
	GetParentRow	オーバーロードされます。 DataRow の親行を取得します。
	GetParentRows	オーバーロードされます。 DataRow の親行を取得します。
	GetType	現在のインスタンスの Type を取得します。 (Object から継承されます。)
	HasVersion	指定したバージョンが存在するかどうかを示す値を取得します。
	IsNull	オーバーロードされます。 指定した列に null 値が格納されているかどうかを示す値を取得します。
	ReferenceEquals	指定した複数の Object インスタンスが同一かどうかを判断します。 (Object から継承されます。)
	RejectChanges	前回 AcceptChanges を呼び出した以降にこの行に対して行われたすべての変更を拒否します。
	SetAdded	DataRow の Rowstate を Added に変更します。
	SetColumnError	オーバーロードされます。 列のエラーの説明を設定します。
	SetModified	DataRow の Rowstate を Modified に変更します。
	SetParentRow	オーバーロードされます。 DataRow の親行を設定します。
	ToString	現在の Object を表す String を返します。 (Object から継承されます。)

プロテクト メソッド

	名前	説明
	Finalize	Object がガベージ コレクションにより収集される前に、その Object がリソースを解放し、その他のクリーンアップ操作を実行できるようにします。 (Object から継承されます。)
	MemberwiseClone	現在の Object の簡易コピーを作成します。 (Object から継承されます。)
	SetNull	指定した DataColumn の値を null 値に設定します。

参照

関連項目

DataRow クラス
System.Data 名前空間
AcceptChanges
Add
DataColumnCollection クラス
DataColumn クラス
DataRowView
DataTable
HasVersion
IsNull
Item
NewRow
DataRowCollection