C. difficile(クロストリジウム・ディフィシル)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/26 10:04 UTC 版)
「クロストリジウム属」の記事における「C. difficile(クロストリジウム・ディフィシル)」の解説
ヒトや動物の腸内に生息。抗生物質に比較的抵抗性で、抗生物質大量投与時に、他の腸内細菌が死滅したときに過剰に増殖して(菌交代症)、偽膜性大腸炎[ 英: Clostridium difficile colitis ]の原因になる。
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C. difficile
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 02:20 UTC 版)
「クロストリジウム・ディフィシル腸炎」の記事における「C. difficile」の解説
顕微鏡下では、細胞の端が膨らんだ特徴的な太鼓バチ状の桿菌として観察される[要出典]。C. difficile はグラム染色陽性で、酸素不在下でヒト体温の寒天培地上で最適成長する。ストレスを与えると芽胞を形成して休眠し、栄養型では生存できない極端な環境でも生き延びることが可能である。 C. difficile はヒト大腸内に存在しており、成人の2〜5%で検出される。 病原性C. difficile 株は複数の毒素を産生する。その性質が最も良く判っている毒素はエンテロトキシン(腸毒素、Clostridium difficile toxin A(英語版))とサイトトキシン(細胞毒素、Clostridium difficile toxin B(英語版))である。両者は感染患者に下痢および炎症を発生させるが、その寄与の大きさについては議論がなされている。トキシンAおよびトキシンBは、RhoファミリーG蛋白質をターゲットとして不活性化させるグルコース転移酵素である。トキシンBは低分子量GTP結合Rho蛋白質のADPリボース化の減少と関連するメカニズムでアクチンの脱重合を誘導する。もう1つのトキシンである二元毒素も産生されることが知られているが、疾患における役割は充分には解明されていない。 CDIに対する抗生物質治療はC. difficile の薬剤耐性と細菌学的特性(芽胞形成、偽膜生成)から困難である。シプロフロキサシンやレボフロキサシンなどのニューキノロン系抗生物質に耐性であるC. difficile の新型高毒性株が北米大陸で地理的に分散して集団感染を起こしたと2005年に報告された。アトランタの米国疾病予防管理センター (CDC) は、新型流行株について毒性の上昇、抗生物質への耐性、あるいはその両方について警告を発した。 C. difficile は糞口経路でヒトからヒトへと感染する。この微生物は熱等に耐性を持つ芽胞を形成し、アルコール系の手指消毒液やルーチンに行われる清浄化では殺菌されない。芽胞は臨床環境下で長時間生存する。そのため、C. difficile はほとんど全ての物の表面から検出され得る。一旦芽胞が体内に取り込まれると、芽胞の耐酸性により無傷で胃を通過する。胆汁酸に触れると、C. difficile は“発芽”して栄養型となり、大腸内で増殖を開始する。 C. difficileの病院感染に関連して、院内で少なからぬ濃度で芽胞が存在し入院期間が長くなるほど保菌率が高まる傾向にあり、抗菌薬の使用によって腸内細菌の乱れと菌交代が生じ腸炎が発生しうることや芽胞が消毒に対して高い抵抗性があることが指摘されている。 2005年中に、C. difficile 強毒株が、制限酵素処理解析でBI型、パルスフィールド電気泳動で北米NAP1型、リボタイピング(英語版)で027型であることが判明した。そのためこの菌株はC. difficile BI/NAP1/027と呼ばれている。 RT027株とRT078株についてはトレハロースの関与の可能性が指摘された(http://news.livedoor.com/article/detail/14146335/)
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