医薬品投与
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 02:20 UTC 版)
「クロストリジウム・ディフィシル腸炎」の記事における「医薬品投与」の解説
多くの異なる抗生物質がC. difficile 治療に用いられ、いずれもそれなりの効果がある。 メトロニダゾールは安価であり、軽度から中等度の疾患の選択肢となる。通常は1日3回10日間服用する。2012年から国内で保険適用となった。 経口バンコマイシンは重度の疾患に用いられる。またメトロニダゾール投与後に下痢が続いている場合にも使用される。メトロニダゾールは先天性障害を引き起こす危険性があるので、妊婦のC. difficile 感染症については重篤度を問わずバンコマイシンが用いられる。バンコマイシンとメトロニダゾールの有効性は同等であると思われる。通常バンコマイシンは、1日4回10日間投与する。 フィダキソマイシンは軽度から中等度の疾患に対してバンコマイシンと同等の効果を持つ。バンコマイシンと同程度の忍容性があり、症状再燃のリスクは少ない。再発性感染症で他の抗生物質が無効な場合に使用すべきである。 ロペラミドなどの止瀉薬を用いて下痢を止めようとすると却ってC. difficile 感染症を悪化させるので勧められない。イオン交換樹脂であるコレスチラミンはトキシンA、トキシンBを共に吸着除去するので排便回数を減少させる効果があり、脱水を予防できる。コレスチラミンとバンコマイシンの併用が推奨される。免疫抑制状態にある患者を治療する最後の手段は、免疫グロブリン療法 (IVIG) である。また、毒素に対する中和抗体としてベズロトクスマブ(商品名ジーンプラバ)が日米欧で承認されており、再発抑制のために上記治療薬と併用される。
※この「医薬品投与」の解説は、「クロストリジウム・ディフィシル腸炎」の解説の一部です。
「医薬品投与」を含む「クロストリジウム・ディフィシル腸炎」の記事については、「クロストリジウム・ディフィシル腸炎」の概要を参照ください。
- 医薬品投与のページへのリンク