治療法の研究開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 07:03 UTC 版)
「クロストリジウム・ディフィシル腸炎」の記事における「治療法の研究開発」の解説
CDA-1およびCDB-1(MDX-066とMDX-1388、MBL-CDA1とMBL-CDB1、ActoxumabとBezlotoxumab等の別名がある)は研究中の1対のモノクローナル抗体であり、C. difficile のトキシンAとトキシンBをそれぞれ中和し、CDIを治療する。CDIを既存の抗生物質で治療する場合の補助療法に位置付けられている。このうちトキシンBに対する中和抗体は、2016年に米国で、2017年には日本で、ベズロトクスマブ(商品名ジーンプラバ)として「クロストリジウム・ディフィシル感染症の再発抑制」に対する適応が承認されている。 ニタゾキサニド(英語版)は合成ニトロチアゾリルサリチルアミド誘導体であり、抗原虫薬(クリプトスポリジウムとランブル鞭毛虫)として米国で承認されている。CDIへの効果についてバンコマイシンを対照薬として研究が実施されている リファキシミン(英語版)は米国で臨床使用中の半合成リファマイシン系非全身投与抗生物質である。FDAはCDADの治療について承認している。 他のCDI治療薬としては、リファラジル(英語版)、チゲサイクリン(英語版)、ラモプラニン、リジニラゾール(英語版)等が開発中である。 虫垂がC. difficile にとって重要な意味を持つか否かについて研究されている。虫垂は腸内の善玉菌の住居であると考えられており、2011年の研究では、C. difficile が腸内に侵入した時に、虫垂がそれに対抗する抗体を増加させる作用があることが示された。虫垂にあるB細胞は移行して成熟し、抗トキシンA IgAおよびIgG抗体を産生し、C. difficile に対抗して善玉菌が生き延びる確率を高めている。 毒素を産生しないC. difficile を摂取すると、その後のCDIを予防できるとの結果が得られている。
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