治療法の発見とは? わかりやすく解説

治療法の発見

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 08:19 UTC 版)

感染症の歴史」の記事における「治療法の発見」の解説

詳細は「抗生物質」、「抗ウイルス薬」、「ワクチン」、および「種痘」を参照 細菌による感染症1929年に初の抗生物質であるペニシリンイギリスアレクサンダー・フレミングによって発見されるまで根本的な治療法がなかった。抗生物質は、多細胞生物遺伝子が膜で被覆され真核細胞であるのに対し細菌遺伝子が膜で被覆されない原核細胞であるという違い利用して細菌真正細菌)にだけに効くようにした薬品である。 1935年ドイツゲルハルト・ドーマクは初の広域合成抗菌薬であるサルファ薬開発発表したサルファ薬生物由来はないため、抗生物質はされない抗生物質サルファ薬開発は、感染症治療新し地平切り開いた。なお、サルファ薬に抗マラリア作用があることはドーマク自身によって確かめられており、ニューモシスチス肺炎MRSAハンセン氏病尿路感染症前立腺炎ノカルジア症といった感染症には治療用としてサルファ薬用いられる一方ウイルス感染症には抗生物質が効かず、今なお患者自身免疫に頼らざるを得ない部分大きい。ウイルス感染した細胞増殖したウイルス細胞外に出ていくことによって死滅し、さらに別の細胞入り込んで増殖続ける。宿主細胞次々と死滅することに耐えられない患者死亡するわけであり、したがってウイルスにとっては、他の個体感染させ続けることが生き残りのための条件となる。こうしたウイルスの増殖抑えるために開発されたのが抗ウイルス薬であるが、細菌原虫など細胞有する生物とは異なり個々ウイルスの分子生物学的な形質きわめて多様であり、感染力種類によって異なる。それゆえそれぞれのウイルス応じた治療薬が必要である。たとえば、インフルエンザに対しては、オセルタミビル商品名タミフル」)、ザナミビル(「リレンザ」)、ペラミビル(「ラピアクタ」)、ラニナミビル(「イナビル」)、アマンタジン(「シンメトレル」)などといった抗インフルエンザ薬知られており、日本開発されファビピラビル(「アビガン」)は2014年西アフリカ大流行したエボラ出血熱治療にも効果があることが認められた。 ワクチンは、無毒化したウイルス体内入れることによって免疫力高め実際に感染した際に急激にウイルス増殖することを抑制する医薬品である。天然痘ウイルスについては、アジア地域においては古くから人痘接種法おこなわれてきた。1796年イギリス医学者エドワード・ジェンナー初め種痘天然痘ワクチン投与)をおこない、これが天然痘根絶への道をひらいた。こののちルイ・パスツールらによって「予防接種」の概念広くゆきわたるようになった1950年代ジョナス・ソークアルバート・サビン2人ポリオ急性灰白髄炎)に有効なワクチンポリオワクチン)を開発して、後にこれをほぼ制圧することに成功したポリオウイルスとの長期にわたる闘いのなかで築かれてきた、コールドチェーン、マイクロプランニング、サーベイランスシステム、緊急オペレーションセンターといったインフラストラクチャーは、他の感染症予防制圧するうえでも大きな役割担っている

※この「治療法の発見」の解説は、「感染症の歴史」の解説の一部です。
「治療法の発見」を含む「感染症の歴史」の記事については、「感染症の歴史」の概要を参照ください。

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