治療法の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 13:55 UTC 版)
「ステロイド系抗炎症薬」の記事における「治療法の種類」の解説
長期間の内服または注射による投与方法 対象となる疾患に対し十分な量から始める。 1日1回よりは1日3回分割の方が有効性は高くなるため、投与法は通常1日2 - 3回食後投与する。すなわち内服は分割の方が効果的。40mgを朝1回より、20mgを朝夕2回の方が効く。 本来の生体リズムは朝方ステロイド分泌が多いため少量投与の場合は朝1回とする。また、夕・就寝前の服薬は、不眠を招くため、できるだけ避ける。 その他の留意点 プレドニソロン (PSL) を5mg/day相当のコルチゾールは副腎から分泌されている。 PSLを長期にわたり5mg/day以上服用する場合は、骨粗鬆症予防のためビスフォスフォネート系薬剤を併用する。 PSLが20mg/day以下なら日和見感染リスクは少ない。20-40mg/dayでは7倍に、40mg/day以上では35倍に日和見感染リスク増加。 点滴静注するときには10〜50%増しで内服と同量になるといわれている。これは抱合型のまま腎から排出されるため生体内利用率が低下するためと考えられている。 PSLは胎盤を通らない。ベタメタゾンは胎盤を通過する。通常妊婦にはPSL。胎児の治療はベタメタゾン。授乳は服用から4時間あければ問題なし。特に30mgまでならいつでも授乳可。 1回のみの投与 急激な炎症を抑えたいときに行われる。効かせたい作用時間に応じて併用して使用されることもある。1 - 3回の投与ならば副作用は考えなくてもよい。 ステロイドパルス療法 ステロイドを静脈より短期間(通常は3日くらい)に大量に投与する治療法。一般的にはメチルプレドニゾロン (mPSL1,000mg/day) を3日間投与し後療法としてPSLの大量療法を行い徐々に後療法を減量していく。減量は原疾患の活動性が十分に抑え込まれるまで行わず、減量する場合も原疾患の再燃を起こさず、かつ離脱症状をおこなさない速度で行っていく。ステロイド剤を大量に内服する治療とは完全に違う。一般にはソルメドロールという短期間作用型の薬剤が使用される。大量に投与するが副作用は出にくい。輸液製剤200ml程度に混注し1〜2時間以上で投与することが多い。これは不整脈を防止するためである。 ステロイド系抗炎症剤は免疫抑制剤に比較して効果発現が早いことが知られている。そのため、初期治療や臓器障害がある場合はまずはパルス療法を行うのが一般的である。ループス腎炎(Ⅳ型、chronisity+)や重症CNSループス、ANCA関連疾患、筋炎関連間質性肺炎などはPSL単剤ではコントロールが難しく、後療法の段階から免疫抑制剤とPSL併用療法を行うが、免疫抑制剤はステロイド減量のために用いることも多い。
※この「治療法の種類」の解説は、「ステロイド系抗炎症薬」の解説の一部です。
「治療法の種類」を含む「ステロイド系抗炎症薬」の記事については、「ステロイド系抗炎症薬」の概要を参照ください。
- 治療法の種類のページへのリンク