Black Reconstruction in America
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 14:18 UTC 版)
「W・E・B・デュボイス」の記事における「Black Reconstruction in America」の解説
詳細は「 Black Reconstruction in America」を参照 学問の世界に戻ったデュボイスはアメリカ歴史協会(AHA)に提出した1910年の論文の主題であったリコンストラクションに関する研究を再開できるようになった。1935年、彼は最高傑作(magnum opus)となる『Black Reconstruction in America』を出版した。この本は歴史学者デーヴィッド・レヴァリング・ルイスの言葉を借りるなら「野蛮な敵意の中から突然公民権を認められた黒人は、賞賛すべき意思(volition )と知性(intelligence )そして同様に3世紀にわたる隷属による怠惰(indolence)と無知蒙昧(ignorance)を示した」。デュボイスは黒人たちが如何に南北戦争とリコンストラクションにおける中心となる人々であったか、また彼らが白人政治家たちとどのように同盟を結んだかを記録した。彼はこの黒人と白人の連合政府が南部に公教育を確立し、そして多くが必要とした社会福祉計画を確立したという証拠を出した。この本はまた、黒人の解放-これがリコンストラクションの最重要点-がアメリカ社会の根本的な再編を促した経緯を明らかにし、同様になぜ、どのようにアメリカがリコンストラクションの余波の中で黒人の公民権を支持し続けることに失敗したのかも明らかにした。 この本の命題は白人歴史学者によって維持されていたリコンストラクションの通説的解釈(英語版)に対抗するものであり、1960年代まで主流の歴史学者たちから事実上無視されていた。しかしながら、その後この本はリコンストラクションの歴史学における「歴史修正主義的(revisionist)」傾向に火をつけた。このことは黒人の自由の探求と時代の根本的な政治の変化を強調するものであった。21世紀までに『Black Reconstruction』は「アフリカ系アメリカ人の史学(historiography)の再評価の基礎となるテキスト」として広く認識されるようになった。 この本の最終章「XIV. The Propaganda of History」においてデュボイスはブリタニカ百科事典(Encyclopædia Britannica)に載せる「アメリカ黒人の歴史(history of the American Negro)」の記事を執筆する自身の努力を想起させている。ブリタニカ百科事典の編集者がリコンストラクションへの言及を全て削除した後、彼は「白人の歴史学者たちはリコンストラクションの過ちと失敗と責任を黒人(Negro)の無知蒙昧と堕落に帰してきた。しかし、黒人は黒人の忠誠および黒人の投票のみによって南部を統一へと復帰させた。白人と黒人双方のための新しい民主主義を確立し公立学校が設置された、と黒人は主張する」という注釈がこのエントリーに掲載されると主張した。ブリタニカ百科事典の編集者がこれを拒否したため、デュボイスは記事を取り下げた。
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