BLSの意義とは? わかりやすく解説

BLSの意義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 23:51 UTC 版)

一次救命処置」の記事における「BLSの意義」の解説

突然倒れた人や、あるいは倒れている人が居たら、まず心停止を疑う。 脳自体には酸素蓄え能力がなく、心臓止まってから短時間で低酸素による不可逆的な状態に陥るBLSはそれへの対処であり、脳への酸素供給維持目的とする。 人間の脳は、2分以内心肺蘇生開始され場合救命率は90%程度であるが、4分では50%、5分では25%程度救命率が落ちる(カーラーの救命曲線参照)。 病院外での心停止過半数、約6割はいわゆる心臓マヒなどの心原性心肺停止である。助かる確率が高いのもこの心臓マヒで、対処さえ早ければ多く現場で心拍再開するより詳しく見ると、(1)まだ死戦期呼吸がある、(2)心室細動無脈性心室頻拍がある段階なら助かる確率は高い。心室細動代表的には中年老人などの心臓マヒだが、しかし心臓震盪しんぞうしんとう)という心室細動もある。野球サッカーなどのスポーツ行っている最中ボールが胸に当たってというものであり18歳以下の子供に多い。 このうち(1)死戦期呼吸心停止40%にみられ、心室細動(VF)に多い。持続時間中央値4分、20%ぐらいは7分。9分以上でも7.4%に見られる。これがあるうちは救命できる可能性が高い。しかし、この死戦期呼吸は「呼吸あり」とみなされがちで、そうなる救命チャンス逃す。またCPR最中無呼吸から死戦期呼吸に変わることがある。これも蘇生した安心してCPR止めるとやはり救命チャンス逃す。(2)の心室細動無脈性心室頻拍AED動作する条件である。AED正常な心拍がある場合には通電しないが、心臓が完全に停止している場合通電しない。この心室細動CPRによってしばらく維持されるが、それが行われないと完全に止まってしまう。 以上から、心原性心肺停止あり、か目の前で倒れた場合には、救急隊到着までの数分の間に「現場居合わせた人」(これを「バイスタンダー」「市民救助者」と呼ぶ)によるBLSが行われるかどうか救命率を大きく左右する一方で心原性心肺停止でも心停止してから10分以上経過して発見され場合、および窒息により心停止窒息から数えれば既に数分経過)に至った場合蘇生楽観できない原因問わず病院への搬送開始前までに一度脈拍再開がなく、搬送中にCPRを必要とする患者は、生存率も、後遺症なく社会復帰できる確率少ない。CoSTRガイドラインによれば電気ショック適応のない心電図リズム、かつ救急隊員の非目撃心停止自己心拍再開ない場合」の生存率0.5%しかない。これらのこともあり、例えアメリカ心臓協会(AHA)のガイドラインは「心肺蘇生救急心血治療のためのガイドライン」であるなど、BLSは心原性心肺停止にまず焦点合わせている。 駆けつけ救急車救急救命士病院内でも、BLSがまず行われるBLSのみでは心拍再開しない場合に、救急車内や病院などで救急救命士医師が、気管挿入高濃度酸素など医療機器薬剤用いて行う救命処置二次救命処置(Advanced Life Support; ALS)と呼ぶ。またBLS範囲でも救急車内や病院などで行うものと市民救助が行うものは異なる。訓練受けていない市民救助者と訓練をうけている市民救助者でも内容一部ことなる。また、成人の場合小児乳児場合でも一部異な部分があるし、成人でも溺水場合通常の手順とは異なる。 訓練受けていない市民救助が行BLS胸骨圧迫だけのCPR(ハンズオンリーCPR)が推奨され心肺蘇生法まとめているので、これまでCPR訓練受けたことのない人はまずそちらを参照されたい。ここでは訓練をうけた救助が行うべきBLS中心に述べる。

※この「BLSの意義」の解説は、「一次救命処置」の解説の一部です。
「BLSの意義」を含む「一次救命処置」の記事については、「一次救命処置」の概要を参照ください。

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