600系(2代)へ編入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/18 08:46 UTC 版)
「京阪1650型電車」の記事における「600系(2代)へ編入」の解説
当初は1300型と編成された本形式であったが、600型・700型(いずれも初代)の車体更新車である600系 (2代)の増備に伴って、本形式の発展改良形といえる同系列の制御車としても運用されるようになった。また、輸送力増強に伴う編成長大化に対応するため、本形式が編成中間にも組成可能になるよう、運転台側貫通扉部へ貫通幌を装着する工事が1961年(昭和36年)2月以降順次施工され、同時期には側窓下段部分に転落防止用の保護棒が追加された。 1964年(昭和39年)より、600系 (2代)と同一の主要機器を搭載して全車とも制御電動車化され、同時に600系 (2代)の制御電動車630型631 - 640として同系列へ編入・統合された。これは600系 (2代)の種車である600型・700型(いずれも初代)は全車とも制御電動車であったものを、600系 (2代)への更新に際して一部を中間付随車として竣功させたことから、余剰となった主要機器を本形式へ搭載したものであった。 制御電動車化に際しては、装着していた汽車KS-15・住友FS310の各台車を600系 (2代)の付随車650型へ供出、それらの種車である600型・700型(いずれも初代)の住友製鋼所ST-31(メーカー型番はKS31、軸距1,981mm、車輪径864mm)もしくは日本車輌製造(日車)NS84-35(軸距2,130mm、車輪径914mm)を新たに装着した。主電動機は一時間定格出力90kWの東洋電機製造TDK-517/2Dを1両当たり4基、吊り掛け駆動方式で搭載し、歯車比は67:22(3.045)で、600系 (2代)の66:23(2.87)とわずかに異なる。これは台車の車輪径が600系の他の車両が600型(初代)由来のST-Aを装着した関係で860mmとしたのに対し、本形式では700型(初代)由来の914mm径車輪を使用したためである。このように歯車比を調節することで、異なる車輪径の車両で同一仕様の電動機を使用した場合の定格速度や牽引力の相違を誤差範囲に収束できる。実際にも630型と600型、それに680型は全負荷時の定格速度は62km/h、牽引力は2,080kgと共通の値を公称している。 主制御器は電動カム軸式の東洋電機製造ES-155を搭載する。主電動機は内部更新と絶縁強化により定格回転数を705rpmから1,095rpmへ引き上げて原型機の公称値の25パーセント増の1時間定格出力を得られるようにし、また主制御器は界磁接触器追加による弱め界磁ノッチ新設をそれぞれ施工することで、牽引力・定格速度共に大幅な性能向上が図られている。 改造は1964年(昭和39年)1月から順次施工され、同年12月の634(元1654)の竣功をもって本形式は形式消滅した。 1973年(昭和48年)には更なる編成長大化に伴って637 - 640(元1657 - 1660)が運転台を撤去されて中間電動車化され、680型686 - 689と改称・改番されたが、同4両は京阪線の架線電圧1,500V昇圧に伴って1983年(昭和58年)12月4日付で廃車となった。制御電動車のまま残存した631 - 636(元1651 - 1656)については、昇圧に伴う車両代替計画に基いて、1800系 (初代)の主要機器を流用して1800系 (2代)の制御電動車1800型1801 - 1806(いずれも2代)となったのち、1988年(昭和63年)3月と1989年(平成元年)2月の二度にわたって廃車となり、本形式を出自とする車両は全廃となった。 なお、600系 (2代)編入後の詳細については「京阪600系電車 (2代)」を、1800系 (2代)へ改造後の詳細については「京阪1800系電車 (2代)」をそれぞれ参照されたい。
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