2016年 - 現在:話題作への相次ぐ出演
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 08:55 UTC 版)
「ライアン・ゴズリング」の記事における「2016年 - 現在:話題作への相次ぐ出演」の解説
2016年には、ラッセル・クロウと共演して探偵を演じたコメディ映画『ナイスガイズ!』、『ムーンライト』と共にこの年の賞レースを席巻した(英語版)映画『ラ・ラ・ランド』の2本に出演した。前者は映画批評サイトRotten Tomatoesで90%以上の評価を得た。『アトランティック』では、「本当の新発見だが、ゴズリングは切れ者の話しぶりと身体を張ったばかなコメディとを交互に見せる」と評された。『ニューヨーク・タイムズ』のA・O・スコットは、「ゴズリング氏の物憂げで鼻声かつ半分酔っ払った話し方は、彼が好むような生真面目な作品よりも、この作品のようにナンセンスな映画の方に合っている」と述べた。 『ラ・ラ・ランド』の相手役は3度目の共演となるエマ・ストーンで、ストーンの出演決定を聞いて役に飛びついたとの話もある。作品を手掛けたデイミアン・チャゼル監督は、ミュージカル映画の撮影には困難も多かったが「(ゴズリングとストーンは)セットの中でも外でも有機化学的反応を起こしていた」と語ったほか、ゴズリングの過去作品を引きつつ「この映画をやるのに必要な要素を全部持っていた」ともしている。ゴズリングはストーンとのダンス練習と併行してピアノ演奏を学び、劇中の演奏シーンでは自分で演奏した。『ガーディアン』紙のピーター・ブラッドショウは、「ストーンのように元々歌手ではないが、それでも画面にはとても現実的な何かがあり、歌に向き合う生身の人間がいる」と評した。『ローリング・ストーン』のピーター・トラヴァースは、「ゴズリングの映画出演作は[中略]多岐に渡り、いつも彼には何でも出来ると思わされてきたが、今回は完全に納得させられてしまった」と述べた。『シカゴ・トリビューン』紙では、"A Lovely Night" のシーンで気後れが見られ、情熱的だったストーンほど多くを伝えられていないと評された。セバスチャンのキャラクターには「白人の救世主」であるという批判もあった。この作品でゴズリングはゴールデングローブ賞 映画部門 主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を獲得し、2度目となるアカデミー主演男優賞のノミネートも受けた。2016年12月には、チャゼルとゴズリングが、ニール・アームストロングの伝記『ファーストマン: ニール・アームストロングの人生 (en) の映画化作品『ファースト・マン』(2018年)で再タッグを組むと発表された。 ゴズリングはテレンス・マリックの映画『ソング・トゥ・ソング』にも出演している。ゴズリングの出演は2011年に明らかにされ、2012年には撮影の実施が報道されたが、フィルムの量が膨大になったことや金銭的問題から、封切りは2017年までずれ込んだ。この作品にはケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、ヴァル・キルマー、マイケル・ファスベンダーなどが出演した。ゴズリングは2004年に、チェ・ゲバラを描いたマリックの映画『チェ』への出演にサインしたと報じられたが、マリックは『ニュー・ワールド』(2005年)制作のため降板し、ゴズリングもスケジュール上の問題で降板した。 2017年には『ブレードランナー』の続編『ブレードランナー 2049』に出演し、2016年7月から始まった撮影に参加した。興行的には物足りなかったものの、作品はイギリスの雑誌『エンパイア』が選ぶ2017年のベスト映画10本にて第2位に選ばれるなど評価された(また出演作『ラ・ラ・ランド』も3位にランクインした)。作品は2018年の第90回アカデミー賞でも5部門にノミネートされ、ロジャー・ディーキンスが初の撮影賞を獲得したほか、視覚効果賞も獲得した。レプリカントKを演じたゴズリングにも絶賛が寄せられ、『ニューヨーク・タイムズ』のA・O・スコットは「申し分のないキャスティングだ。ゴズリング氏の、同情を求めすぎたあまり取り乱したようにも見えながら、こちらの同情を誘い出すことのできる能力のおかげで(中略)、彼は温かい心を完璧に兼ね備えたロボットに変身した。また、2017年にあって、35年前のハリソン・フォードとどこか似たものを持っているのも確かだ——彼はハリウッドの傷付きやすい理想である男らしい冷静さの、現代における化身であり、彼自身の強さは、繊細な魂を覆い隠す鎧としても機能している」と述べた。また『バラエティ』のピーター・デブルージュは、「自然なカリスマを放つゴズリングが、『ドライヴ』や『オンリー・ゴッド』同様の感情を殺した不気味なモードで帰ってきて、アラン・ドロンがヒットマンの名作『サムライ』で見せたニヒルな冷酷さを注ぎ込み、どの側面も冷酷で、その倍計り知れないキャラクターを作り上げた」と評した。
※この「2016年 - 現在:話題作への相次ぐ出演」の解説は、「ライアン・ゴズリング」の解説の一部です。
「2016年 - 現在:話題作への相次ぐ出演」を含む「ライアン・ゴズリング」の記事については、「ライアン・ゴズリング」の概要を参照ください。
- 2016年 - 現在:話題作への相次ぐ出演のページへのリンク