1970年代中頃から80年代初めのBCLブーム
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「BCL」の記事における「1970年代中頃から80年代初めのBCLブーム」の解説
1970年代~1980年代の日本では、主に小学生や中学生・高校生の間で海外の短波放送を聴取することが流行し始め、多くの家電メーカーから短波ラジオ受信機が発売されるようになった。いわゆる「BCLブーム」が社会現象化し、多くの小学生や中学生・高校生が製品カタログに夢中になり、少しでも安くBCLラジオを入手しようと郊外のスーパーマーケットや家電量販店のみならず、安売り電気店が多い東京の秋葉原や名古屋の大須、大阪の日本橋などの電気街に集まった。 1974年1月に放送開始された日本短波放送(ラジオたんぱ)現在の日経ラジオ社(ラジオNIKKEI)のBCL番組「ハロージーガム」(三菱電機提供)は、もともとの狙いは日本短波放送(ラジオたんぱ)の聴取者層の拡大であったが予想以上の人気を集めた。家電メーカー各社は競って高性能短波ラジオを製造・販売するようになった。ソニーのスカイセンサーICF-5800・ICF-5900・ICF-6800、ナショナル(現在のパナソニック)の“クーガ2200”RF-2200・プロシード2600・2800・4800、東芝の“トライX”RP-2000Fといった高性能マルチバンドラジオである。これらの中にはダイヤルからの受信周波数読み取りが可能なものもあり、最終的にはディジタルディスプレイによって数値直読みが可能なところまで高機能化した。特に、ソニーとナショナル(現在のパナソニック)は人気を二分し、ソニーが提供するBCL番組「BCLジョッキー」(TBSラジオ)とナショナル(現在のパナソニック)が提供する「BCLワールドタムタム」(日本短波放送)もあった。 BCLブームが起こるまで、日本には同人誌的なもの(JSWCこと日本短波クラブ、KDXCこと関東DXersサークル、NDXCこと名古屋DXersサークルなど)以外にBCL専門の書籍や雑誌は無かったが、ブームとともに月刊「ラジオの製作」(電波新聞社)がBCL関係の記事を次第に充実させていった。1975年12月には別冊として『BCLマニュアル』(山田耕嗣編)を刊行、すぐに品切れとなり版を重ねた。以後、BCLブームに便乗して関連書籍の出版が相次いだ。また、1976年1月には月刊「短波」(日本BCL連盟発行、1983年休刊)が創刊され、多くの購読者を獲得した。日本BCL連盟は1980年1月に『DX年鑑』を刊行し、本格的なマニアの要望に応えた。さらに、放送局が放送開始前に流すインターバル・シグナル(IS)を収録したレコードやカセットテープも発売された。また、趣味が高じて、自分で電波を出したいという中学生や高校生などが、アマチュア無線の資格を取得するなど、アマチュア無線技士の増加にも繋がった。 なお、「ラジオの製作」は1999年4月に月刊での発行を休止、同7月から季刊ムック形式で発行すると予告していたが、その一冊の後は2020年9月に「ラジオの製作2020年10月号・創刊65周年記念特大号」と題したムック本を発売し、その後事実上再休刊の状態になっている。現在BCLの情報を定期的に掲載しているものとしては「ラジオライフ(三才ブックス)」のみで、同雑誌では、2006年からそこからの派生雑誌(ムック)として、「ラジオマニア」を年刊で出版。2010年以後は国内放送は左記と同じ題名、国外放送については「BCLライフ」(2008・2009年はこれの前身として「再び始めるBCL(2008・09年度版)」を発行)と題して刊行している。
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