デーブ・ロバーツ (外野手)とは? わかりやすく解説

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デーブ・ロバーツ (外野手)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/15 18:12 UTC 版)

デブ・ロバーツ
Dave Roberts
ロサンゼルス・ドジャース 監督(元選手) #30
ドジャース監督時代
(2023年3月5日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国
出身地 カリフォルニア州サンディエゴ
日本沖縄県那覇市生まれ)
生年月日 (1972-05-31) 1972年5月31日(52歳)
身長
体重
5' 10" =約177.8 cm
180 lb =約81.6 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 外野手
プロ入り 1994年 MLBドラフト28巡目(全体781位)
初出場 1999年8月7日
最終出場 2008年9月28日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
監督・コーチ歴
  • サンディエゴ・パドレス (2011 - 2015)
  • ロサンゼルス・ドジャース (2016 - )
獲得メダル
男子 野球
アメリカ合衆国
パンアメリカン競技大会
1999英語版 野球

デーブ・ロバーツ: Dave Roberts;本名:デビッド・レイ・ロバーツ〈David Ray Roberts〉、1972年5月31日 - )は、アメリカ合衆国の元野球選手沖縄県那覇市生まれだが、日本国籍を拒否した。カリフォルニア州サンディエゴ出身。元MLB外野手。左投左打)、プロ野球監督。2016年からMLBドジャース監督を務める。日本生まれの監督であり[1]、日本生まれの監督として初めてワールドシリーズで指揮をとり世界一(2020年、2024年)になった[2][3]

経歴

プロ入り前

1972年返還から半月後の5月末に沖縄県那覇市アフリカ系アメリカ人の父親(退役軍人)と日本人の母親の間に生まれる。その後、一家はカリフォルニア州サンディエゴに移住。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)に進み、1991〜94年、野球部で活躍した。残した盗塁「109」は、現在もUCLA野球部の歴代記録となっている。

プロ入りとタイガース傘下時代

1994年MLBドラフト28巡目(全体781位)でデトロイト・タイガースに指名され、6月9日に契約を結びプロ入りを果たした[4]

1996年、カリフォルニアリーグバイセリアオークスに配属された。 オークスは複数の団体の選手で構成された協同チームだった。彼はその配属に不満を抱き、野球を辞めようかとも考えたが、父親に止められた。 そのときのチームメイトに千葉ロッテマリーンズから派遣されていた干場崇永伊藤真とともにプレーした。 126試合に出場し、打率.272、65盗塁[ 15 ]を記録し、マイナーリーグ全体トップの成績を収めた。また、カリフォルニアリーグでは112得点を挙げた。[ 16 ]シーズン終盤にはサザンリーグのAAジャクソンビルサンズで3試合に出場し、9打数2安打の成績を収めた。

インディアンス時代

1998年ジェロニモ・ベローア英語版とのトレードで、ティム・ウォーレルとともにクリーブランド・インディアンスへ移籍。

1999年同年のパンアメリカン競技大会英語版野球アメリカ合衆国代表に選出された[5]。大会後の8月7日の対デビルレイズ戦でメジャーデビュー[4]

ドジャース時代

ロサンゼルス・ドジャース時代
(2004年5月16日)

2002年からはロサンゼルス・ドジャースでプレーし、移籍1年目の2002年はチーム最多の45盗塁。

2003年は2度の故障者リスト入りで出場試合数が107だったが、前年に続き2年連続で40盗塁。

また、ドジャース在籍時の2002年.2003年はシーズン終了後に来日し、2003年と2004年の1月1日にTBSで放送された最強の男は誰だ!壮絶筋肉バトル!!スポーツマンNo.1決定戦に収録に参加した。(記録は2003年が総合6位、2004年は総合14位)

レッドソックス時代

2004年はシーズン途中の7月31日にボストン・レッドソックスへトレードで移籍。両チームで41回の盗塁を試みて38回成功し、成功率92.7%は両リーグでカルロス・ベルトランの93.3%に次ぐ[6]。ポストシーズンでは0勝3敗で迎えたヤンキースとのアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ(ALCS)4戦目で1点ビハインドの9回に代走に出て盗塁を決め、チームはその後4連勝、ワールドシリーズ優勝を果たした。

パドレス時代

サンディエゴ・パドレス時代
(2006年6月9日)

2005年サンディエゴ・パドレスへ移籍した。

2006年は、前年オフにメジャー屈指の中堅手であるマイク・キャメロンが加入したため、左翼手にコンバートされた。6月には守備の際にフェンスに激突し、故障者リスト入りする。故障が多いので左投手が先発するときは休養を取りながらプレーした[7]。この年に記録した13三塁打は、トニー・グウィンとならぶ球団記録であった[8]

ジャイアンツ時代

2006年オフにサンフランシスコ・ジャイアンツと3年総額1800万ドルの契約を結んだ。

2007年は最も得意な中堅を守ることになった[7]。この年は故障で戦線離脱したが、チーム最多の31盗塁を決め、バリー・ボンズ以来球団史上10年ぶりに30盗塁を達成した[9]

2009年4月10日に放出され、12日に現役引退を発表。

晩年時代

サンディエゴ・パドレスでのコーチ時代
(2013年9月3日)

引退後はパドレスの特別補佐役を務めていたが、2010年に血液のガンを発症して闘病。克服後の2011年にコーチとして現場復帰を果たした[10][11]

2015年6月15日のオークランド・アスレチックス戦では、前日の14日に解任されたバド・ブラックの代理監督を務める[12]。これによってMLB史上初の日本出身監督となった[1]

ドジャース監督時代

2015年11月23日、ドジャース新監督に就任することが発表された[13]

2016年は就任1年目にして地区優勝し、最優秀監督賞を受賞した[14]

2017年2018年には再び監督としてワールドシリーズに出場したが、いずれも敗退している[15]2018年のワールドシリーズ第4戦での投手交代は当時のアメリカ合衆国大統領であったドナルド・トランプに批判されたこともある[16]

2019年は地区優勝したものの、ワシントン・ナショナルズとの2019年のNLCSに敗れてリーグ優勝を逃した。

2020年には監督として2年ぶりにワールドシリーズ出場を果たし、タンパベイ・レイズとのワールドシリーズを4勝2敗で下し、日本出身監督としては初のワールドシリーズ優勝監督となった[3][17]

2022年オフの11月15日に全米野球記者協会(BBWAA)から1位票が8、2位票が4、3位票が5の計57ポイントで最優秀監督賞2位となった[18]

聯合通信によると2024年3月15日、開幕戦のためにドジャースが韓国を訪れた際、仁川国際空港で待ち構えていた群衆の中のひとりがロバーツに向かって卵を投げつけたという。「バカ者が卵を投げた。目撃者もいる。警察と空港当局は詳しい状況を調査する」と伝えられた[19]

2024年には地区優勝を果たし、4年ぶりにワールドシリーズ出場を果たした。ニューヨーク・ヤンキースとのワールドシリーズを4勝1敗で下し、世界一に輝いた。2024年12月5日(当時)、那覇市役所で那覇市特別栄誉賞を受賞した。

迎えた2025年シーズンは、ロッテから完全移籍した佐々木朗希を育成する決断をした。2回途中で降板した朗希は涙を流した。また、メディアから護り介抱を促している。この際には、ロバーツ監督自身は、朗希のお父さん代わりになっている。関係者によると、「朗希とどう接して言いか分からない」と困惑気味であった。

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
1999 CLE 41 156 143 26 34 4 0 2 44 12 11 3 3 1 9 0 0 16 0 .238 .281 .308 .589
2000 19 13 10 1 2 0 0 0 2 0 1 1 1 0 2 0 0 2 0 .200 .333 .200 .533
2001 15 13 12 3 4 1 0 0 5 2 0 1 0 0 1 0 0 2 0 .333 .385 .417 .801
2002 LAD 127 479 422 63 117 14 7 3 154 34 45 10 6 1 48 1 0 51 1 .277 .353 .365 .718
2003 107 440 388 56 97 6 5 2 119 16 40 14 5 0 43 0 1 39 0 .250 .331 .307 .638
2004 68 270 233 45 59 4 7 2 83 21 33 1 2 3 28 0 4 31 2 .253 .340 .356 .696
BOS 45 101 86 19 22 10 0 2 38 14 5 2 1 3 10 0 1 17 2 .256 .330 .442 .772
'04計 113 371 319 64 81 14 7 4 121 35 38 3 3 6 38 6 0 38 4 .254 .337 .379 .716
2005 SD 115 480 411 65 113 19 10 8 176 38 23 12 11 4 53 4 3 59 10 .275 .356 .428 .784
2006 129 566 499 80 146 18 13 2 196 44 49 6 7 5 51 5 2 61 5 .293 .360 .393 .752
2007 SF 114 442 396 61 103 17 9 2 144 23 31 5 4 0 42 0 1 66 4 .260 .331 .364 .695
2008 52 130 107 18 24 2 2 0 30 9 5 3 1 2 20 1 0 18 0 .224 .341 .280 .621
MLB:10年 832 3090 2707 437 721 95 53 23 991 213 243 58 41 19 307 8 16 362 24 .266 .342 .366 .708

年度別守備成績



左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)




































1999 CLE 1 2 0 0 0 1.000 38 85 0 0 0 1.000 -
2000 12 3 0 0 0 1.000 5 7 0 0 0 1.000 1 0 0 0 0 ----
2001 9 5 0 0 0 1.000 2 3 0 0 0 1.000 2 0 0 0 0 ----
2002 LAD 3 1 0 0 0 1.000 115 250 4 0 1 1.000 -
2003 - 105 203 4 5 1 .976 -
2004 48 77 0 2 0 .975 19 41 2 1 1 .977 -
BOS 18 10 0 0 0 1.000 16 18 0 0 0 1.000 14 25 1 1 1 .963
'04計 66 87 0 2 0 .978 35 59 2 1 1 .984 14 25 1 1 1 .963
2005 SD - 109 235 4 2 0 .992 -
2006 116 239 0 0 0 1.000 13 34 1 0 0 1.000 -
2007 SF 20 24 0 0 0 1.000 92 223 6 3 0 .987 -
2008 32 54 3 0 2 1.000 - -
MLB 259 415 3 2 2 .995 514 1099 21 11 3 .990 17 25 1 1 1 .963
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別監督戦績





















ポストシーズン
勝敗
2015 SD NL 西 43歳 1 0 1 .000 4 / 5 代理監督、順位は最終順位
2016 LAD 44歳 162 91 71 .562 1 / 5 NLCS敗退 5勝6敗
2017 45歳 162 104 58 .642 1 / 5 WS敗退 10勝5敗
2018 46歳 163 92 71 .564 1 / 5 WS敗退 8勝8敗
2019 47歳 162 106 56 .654 1 / 5 NLDS敗退 2勝3敗
2020 48歳 60 43 17 .717 1 / 5 WS優勝 13勝5敗
2021 49歳 162 106 56 .654 2 / 5 NLCS敗退 5勝6敗
2022 50歳 162 111 51 .685 1 / 5 NLDS敗退 1勝3敗
2023 51歳 162 100 62 .617 1 / 5 NLDS敗退 0勝3敗
2024 52歳 162 98 64 .605 1 / 5 WS優勝 11勝5敗
通算:10年 1357 851 507 .627 - 56勝44敗
  • 2024年度シーズン終了時
  • 順位の太字はプレーオフ進出(ワイルドカードを含む)
  • 太字年は最優秀監督賞受賞年
  • WS…ワールドシリーズ、LCS…リーグチャンピオンシップシリーズ、DS…ディビジョンシリーズ

表彰

背番号

  • 52(1999年 - 2000年)
  • 10(2001年、2005年 - 2008年、2011年 - 2015年)
  • 30(2002年 - 2004年途中、2016年 - )
  • 31(2004年途中 - 同年終了)

代表歴

  • 1999年パンアメリカン競技大会野球アメリカ合衆国代表

脚注

  1. ^ a b Players born in Japan Baseball Reference (英語)
  2. ^ 日本生まれで初のWS采配を振るロバーツ監督、名将・ラソーダ氏から学んだ掌握術 スポーツ報知 (2017年10月21日) 2017年10月22日閲覧
  3. ^ a b “ドジャース・ロバーツ監督 日系人指揮官初の世界一!7投手、絶妙継投で勝利に導く”. スポーツニッポン. (2020年10月28日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/10/28/kiji/20201028s00001007304000c.html 2020年10月28日閲覧。  {{cite news}}: |work=|newspaper=引数が重複しています。 (説明)
  4. ^ a b Dave Roberts Baseball Reference (Minors) (英語)
  5. ^ 1999 Pan American Team Roster USABaseball.com (英語) (2011年5月18日) 2016年2月27日閲覧
  6. ^ Dave Roberts 2004 Career Highlights” (英語). 2008年6月19日閲覧。
  7. ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2007』廣済堂出版、2007年、427頁頁。ISBN 978-4-331-51213-5 
  8. ^ Dave Roberts 2006 Career Highlights” (英語). 2008年6月19日閲覧。
  9. ^ Dave Roberts 2007 Career Highlights” (英語). 2008年6月19日閲覧。
  10. ^ パドレス、ロバーツ氏が一塁コーチに就任”. MSN産経ニュース. 2010年10月8日閲覧。
  11. ^ ロバーツ氏がん克服しパドレスコーチ就任”. 日刊スポーツ. 2011年2月4日閲覧。
  12. ^ Lin, Dennis (2015年6月15日). “Padres fire manager Bud Black”. San Diego Union-Tribune. オリジナルの2015年6月15日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/6ZJO9jmEB?url=http://www.utsandiego.com/news/2015/jun/15/padres-fire-manager-bud-black/  {{cite news}}: 不明な引数|deadurl=は無視されます。(もしかして:|url-status=) (説明) Former ASU baseball coach Pat Murphy named Padres interim manager”. statepress.com. 2015年11月24日閲覧。
  13. ^ Gurnick, Ken (2015年11月23日). “Roberts is Dodgers' pick to be manager”. mlb.com. 2015年11月24日閲覧。
  14. ^ 沖縄出身ドジャース・ロバーツ監督が最優秀監督賞”. nikkansports.com. 2017年3月3日閲覧。
  15. ^ “Rソックス、Wシリーズ制覇 ドジャースは2年連続敗退”. 日本経済新聞. (2018年10月29日). https://www.nikkei.com/article/DGXLSSXK10250_Z21C18A0000000/ 2018年10月29日閲覧。  {{cite news}}: |work=|newspaper=引数が重複しています。 (説明)
  16. ^ “ロバーツ監督、トランプ大統領の批判にコメント”. 日刊スポーツ. (2018年10月29日). https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/201810290000339.html 2018年10月29日閲覧。  {{cite news}}: |work=|newspaper=引数が重複しています。 (説明)
  17. ^ “ドジャース、32年ぶり頂点 レイズ初制覇ならず―米大リーグ・ワールドシリーズ”. 時事ドットコム. 時事通信社. (2020年10月28日). https://web.archive.org/web/20201101121634/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020102800351&g=spo 2020年10月28日閲覧。 
  18. ^ Mets’ Buck Showalter wins Manager of the Year for the fourth time, with four different teams” (英語). BBWAA – Baseball Writers' Association of America (2022年11月15日). 2022年11月16日閲覧。
  19. ^ 【MLB】ドジャース・ロバーツ監督、韓国到着時に卵投げつけられる 韓国メディア「バカ者が卵を投げた」 サンスポ 2024/03/15 16:01 (2024年3月17日閲覧)
  20. ^ “大リーグ 最優秀監督にドジャースのロバーツ監督 アはフランコナ氏”. スポニチアネックス. (2016年11月16日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/11/16/kiji/K20161116013734450.html 2016年11月16日閲覧。 

関連項目

外部リンク




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