鳥取県野口一号墳出土須恵器とは? わかりやすく解説

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鳥取県野口一号墳出土須恵器

主名称: 鳥取県野口一号墳出土須恵器
指定番号 495
枝番 00
指定年月日 1994.06.28(平成6.06.28)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 古墳
年代
検索年代
解説文: 本件は、古墳周溝から出土した三箇装飾須恵器中心とする須恵器一括である。
 野口一号墳は、大山火山から派生した天神丘陵一角倉吉市志津尾根上に所在した、全長二九メートル前方後円墳である。昭和六十三年圃場整備事業先立つ調査結果墳丘はすでに削平されていたが、横穴式石室基底部と、周溝底部追葬思われる埋葬施設三基と土壙二基が検出された。横穴式石室は、北西方向に開口し、すべての石材抜き取られていた。
 遺物石室基底部から須恵器小片が、また周溝底の二基の埋葬施設から少量の玉類が出土したが、他はすべて周溝埋土からの出土である。周溝からの出土品は、ガラス玉一箇鉄刀一口多量須恵器類で、石室開口部前面集中して出土したことから、それらが主に墓前祭祀に供献されたものであることを示す。
 須恵器は、装飾子持壺付装飾器台一箇、七連坏付【ななれんばいつき】装飾器台(共)二箇分、坏九箇、八箇提瓶残欠共二箇、高坏三箇、〓【はそう】一箇、壺二箇で構成される
 このなかで装飾子持壺付装飾器台は、総高四九・五センチ、器台の上に壺を置いた本来の形を残したもので、坏部に遊環【ゆうかん】をもち、壺の肩部巡らされた突帯上には、小壺三箇置いて区画区切りそのうち区画装飾がのこる。一つ飾り馬乗った人物と共に鹿を追い見返りの鹿に矢を射かけた場面もう一つ二人人物相撲を取る場面であるが、傍らにいたであろう行司の姿は失われている。残り一区画装飾残っていないが、本体接合しない琴が遺存しており、弾琴人物像配されていた可能性がある。器台の口縁部には、序々に羽根広げて飛び立とうとする五羽のをほぼ等間隔配し、いま三羽遺存する。
 また、七連坏付装飾台は、器台部と坏部の構造装飾子持壺付装飾器台と共通し、共に遊環をもつが、脚部透し孔が一段のものと二段のものに分かれる
 本例は、六世紀後半所産とみられ、狩猟場面装飾的に描く器台を含むなど、葬送用の祭祀品として興味深い内容をもっている。このようなモチーフをもつ須恵器は、兵庫県岡山県等にも類例があるが、本例の装飾子持壺付装飾器台のように坏部に遊環をもつものは珍しい。本件は、これに七連坏付装飾器台、および各種須恵器加わった一括で、装飾須恵器組み合わせをよく示す。
重要文化財のほかの用語一覧
考古資料:  鬼瓦  鳥取県栗谷遺跡出土品  鳥取県谷畑遺跡出土祭祀遺物  鳥取県野口一号墳出土須恵器  鳳凰文甎  鴟尾  鴟尾残闕



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