鳥取県栗谷遺跡出土品
主名称: | 鳥取県栗谷遺跡出土品 |
指定番号: | 496 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1994.06.28(平成6.06.28) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 縄文 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 本件は、縄文時代後期の木製杓子、およびその製作工程を示す未製品と、深鉢形土器二箇、石器・石製品類、編物製品残欠等からなる一括である。 遺跡は、鳥取砂丘の後背湿地に営まれた低地遺跡で、舌状に張り出した丘陵の先端部と、それを取り巻く標高三・四メートルの水田にまで広がる。昭和六十二年から平成元年まで、農道の拡幅事業に先立つ三次の発掘調査の結果、調査面積三〇〇平方メートルの範囲で、縄文時代後期前葉から中葉の遺物包含層と、同時期の貯蔵穴三十七基が検出され、木製品を含む多彩な遺物が出土した。 なかでも、未製品を含む木製の杓子五箇は、素材にケヤキ材が使われ、遺存状態もよく、金属器をもたない縄文時代の木工技術の水準の高さをよく示している。特に、完成品にみられる柄部の彫刻は、この時期の土器に多用される入り組み状の曲線文と共通し、杓子部のくり方も丁寧で薄く、表面の仕上げも入念である。また三箇の未製品は、それぞれ素材からの木取りと、粗成形から杓子部のくり込みに至る製作工程の各段階がよくわかる。 編物製品は格子状のもの、もじり編みのネット状のもの等十箇があり、いずれもヒノキあるいは木本【もくほん】科の植物を素材とするが、このうちの一箇は口縁部に紐かがりがあるカゴの構造をよく遺している。杓子およびその未製品はドングリ、クルミ、土器片等と共に貯蔵穴の覆土から、編物製品は貯蔵穴の上を覆うような状態で出土した。深鉢形土器二箇は遺存状態がよく、一箇の内面には炭化物が厚く付着する。石器類には磨製・打製石斧十一箇、石鏃十本、石錐十箇のほか、数箇ずつの石錐・掻器・磨石・敲石・石皿・砥石があり、縄文時代後期の石器組成をほぼ網羅し、木工具となりうる石器を含む。また、線刻石製品、牙製垂飾等もある。 本遺跡の一括は、山陰地方の縄文時代後期の生活相を示すと共に、類例の稀な木製品が未製品を含めて貯蔵穴から出土した点で貴重であり、その学術的価値は高い。 |
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