魔道の技
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/18 00:42 UTC 版)
精神に作用する魔道の代表的なものとしては、結界(けっかい)がある。これは、精神的な場を張ることによって、人々の精神に作用し、ある場所へ行くことを禁じたり、あるものを知覚することを妨げたりする技である。一般人に対しては精神的に作用するが、魔道師に対しては物理的な障壁として作用するものとなる。また、黒蓮の粉などの薬物を用いた催眠術も、広く使用される精神に対する魔道である。 次元に作用する魔道の代表的なものとしては、閉じた空間がある。これは多数重なり合って存在する次元を、精神の作用によって行き来することによって、遠方まで短時間で移動したり、他人に気配を気取られることなく監視を行ったりする技である。後者の場合には、結界をあわせて使用することも多い。この技は、パロに古くから伝わる古代機械と呼ばれる物質転送装置の原理を研究する内に、魔道師が見いだした技であると云われる。 時間に作用する魔道の代表的なものとしては、予知がある。これは文字通り、未来を予見する力である。だがその力を行使するには、神々が世界を司る黄金律を乱すことを戒める厳しい制約がある。そのためか、魔道師がその予知の内容を他者に告げる時には、極めて曖昧な物言いに終始することが多い。またパロ王家の女性には、生まれながらにして優れた予知能力を持つ者もいるが、こちらは魔道師とは違い、神がその女性を道具として語るものであるとされている。従って、本人の意志とは関係なく予知が行われることも多い。 これらのほかにも直接的に破壊光線、火球を出し人を殺傷するような魔道も存在する。ただし、魔道を用いて一般人を殺傷する事は最大の禁忌とされている。物語の当初から魔道師の物理的な戦闘能力の強さについて語られ、ファンタジー色の強い外伝ではその具体的な描写があったが、初期の正伝では結界、閉じた空間といった非破壊的な魔道以外の使用例はほとんど見られない。また、魔道師同士であれば、互いに一見しただけで魔力の多寡による強弱が極めて厳密に決まり、魔道師同士の戦闘は、どちらかが敗北を覚悟した上でなければ滅多に起こらないとされる。しかし、70巻前後から描かれたヤンダル・ゾッグによるパロ侵略以降、大規模な魔道が登場する場面が増え、魔道を全面的に使用した魔道師同士による戦闘も起こっている。特に103巻で描かれたグラチウスとイェライシャの戦いではその余波だけで地震や雷、竜巻(世界最強を誇るケイロニアの黒竜騎士団が巻き込まれれば全滅しかねないというような規模)といった物理現象を引き起こしている。 また、文脈や意志の如何にかかわらず「お前の言葉に従おう」「お前に力を貸そう」「あなたが私の主人だ」といった言葉を言わせれば、相手の精神的なパワーを自在に引き出し自分の魔力として使うことができるとされる。主人公グインは、自ら魔道を扱えないもののその精神的エネルギーは三大魔道師以上とされ[要出典]、彼がダークサイドのパワーから狙われる理由の一つとなっている
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