音楽外の影響とは? わかりやすく解説

音楽外の影響

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 05:07 UTC 版)

ロマン派音楽」の記事における「音楽外の影響」の解説

ロマン派音楽時代通じて戦われ議論一つは、音楽音楽外の言葉発想源との関係であった19世紀以前にも標題音楽ある視点標題による音楽)はありふれたのだったが、音楽形式音楽外の霊感をめぐる葛藤ロマン派音楽時代通じて重大な美学的命題となった論戦発端1830年代エクトル・ベルリオーズの《幻想交響曲》までさかのぼる。この作品には詳細な標題副えられており、評論家有識者解釈の場を与えた攻撃者筆頭ブリュッセル音楽院院長フランソワ=ジョゼフ・フェティスは「この作品音楽にあらず」と断じた。一方擁護者旗頭ローベルト・シューマンである。ただし「すぐれた音楽おかしな題名によって損われる。すぐれた題名があってもおかし音楽の手助けにはならない」とも論じ、彼は標題そのものには否定的であった音楽外の霊感という発想擁護する役目フランツ・リスト委ねられた。 時間が経つにつれて陣営から論争仕掛けられ上のような亀裂はいっそう明白になった。「絶対音楽」を信じる者は、音楽表現形式完成かかっているとして古い音楽敷衍された見取り図従った。そのころ公式化されつつあったソナタ形式が最も有名な形式である。標題音楽信奉者にとって、詩など音楽外のテクスト叙事的な表現それ自体形式だった。だから音楽形式物語従わせることが必要なのだと生活を創作捧げる芸術家論じていた。持論発想したり正当化したりする過程で、両派はベートーヴェンへと遡った。リヒャルト・ワーグナーヨハネス・ブラームスそれぞれの支持者反目によってこの分裂は次のように見なされた。即ち、言葉などの音楽外に関連するもの持たない絶対音楽」の最高峰ブラームスであり、詩的な実体」こそが和声旋律充溢させた音楽形作る信じているのはワーグナーである、と。 この論争引き起こし影響力与えた要因は複雑である。ロマン主義の詩の意義発生確かにその一つだし、演奏会家庭歌えるような歌曲需要の増加もまた然りである。もう一つ要因演奏会そのもの変質であった演奏会曲目雑多な楽曲からより特化され曲目へと絞り込まれ大きな表現力特定の目的をもった器楽曲次第要求されるようになった。 「音楽外の霊感」の実例には次のようなものがある。 シューマンの《交響曲第3番ライン」》 リストの《ファウスト交響曲》と《ダンテ交響曲》および数々交響詩 チャイコフスキーの《マンフレッド交響曲リヒャルト・シュトラウスの交響詩 マーラーいくつかの交響曲 ブラームス陣営から出発したツェムリンスキーシェーンベルクですらも後には交響詩手懸けた。 リストなどのピアノヴィルトゥオーソオペラアリアシューベルトらの歌曲編曲改作し器楽曲へと仕立て直した。マーラー交響曲では、自作歌曲密接な関連を持つものも多く、しばしばオーケストラ伴奏歌曲やオラトリオ・カンタータと融合したような例も見られる

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