韓国人・韓国系アメリカ人による反発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 16:26 UTC 版)
「竹林はるか遠く-日本人少女ヨーコの戦争体験記」の記事における「韓国人・韓国系アメリカ人による反発」の解説
この本には、終戦直後に避難民と化した日本人女性に性的暴行を行った朝鮮人の記述があったため、韓国系アメリカ人の生徒や父兄の反発を買い、2006年 (平成19年)9月頃をかわきりに、禁止運動に発展した。 作者の地元ボストンの近郊地区では、2006年11月、いったん使用停止処分となっている。ボストンの地元紙では、韓国系アメリカ人の生徒の保護者全体として「人種差別的かつ露骨な性描写」と要約した。同じひとりの父親の発言として、韓国人の男性は女性暴行するものだという先入観が生まれてしまう危惧と、この年齢層にレイプ内容は刺激的すぎるという批判が掲載されている。他方、作品を非常に評価する韓国系生徒の発言もあった。また一般の生徒の母親や教師からは、作品や作者の招請講義を強く支持する意見も出た。委員会は全員一致で教材使用を停止したが、委員長は、作品の発禁処分ではなく、史観の偏りをただす補足説明時間の工面困難という、実践上不可能判断だ、と説明した。その後、2007年1月の学校協議会で再検討がされ、この地区では授業を修正したうえで教材としての使用が再開された。 韓国系の児童保護者によるこの本の教材使用禁止運動は、同時にニューヨークなどで起こっており、ある学校では、ひとりの生徒が「誤った記述」の本が学習させられていると登校拒否の抗議にでると、2006年9月の時点で即刻、教材を撤回した。また、訴えを受けて韓国領事館も介入し、政界や出版業界に是正要請の接触を図り、米教育当局へ嘆願書を提出するなど、活発なロビー活動が行われた。外交通商部もマサチューセッツ州当局に対し是正要求をおこなった。 また、韓国系アメリカ人からは、この小説は終戦間際の本当の体験談ではなく、捏造ではないかと疑問視する声が聞こえ始め、同意見の声も一部の教育者側に表れ始めた。史実の歪曲を理由に、マサチューセッツ州ボストン近郊カトリック系の学校と私立校の2校がこの本の教材使用を停止している。この私立校の教師はこの教科書問題についての論文を発表しており、The English Journal 誌に掲載されている。 しかし韓国国内にも、(作品の後半部分は日本帰国後の苦しみを記述していることもあり) 戦争の悲惨さを訴えている作品であり、あえて朝鮮人のみを悪く言っているわけではない、という意見が新聞で報じられている。
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