長老ヨハネとは? わかりやすく解説

長老ヨハネ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/26 10:05 UTC 版)

長老ヨハネ(ちょうろうヨハネ)は、新約聖書中の『ヨハネの手紙二』、『ヨハネの手紙三』の冒頭で「長老のわたし」と名乗る、これらの手紙の差出人と目されることがある人物。『ヨハネの手紙一』にはこのような署名は無い。




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長老ヨハネ

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ヨハネ書簡」の記事における「長老ヨハネ」の解説

詳細は「長老ヨハネ」を参照 第二書・第三書の著者としては、古来、「長老ヨハネ」の名も挙がっている。長老ヨハネへの言及2世紀パピアス英語版)に遡るパピアス自身著書『主の言葉説明』全5巻130年 - 140年頃)は現存しないが、何人かの著書によって逸文残されている。長老ヨハネへの言及は、エウセビオス伝えている。 わたしは、誰か長老たちにつき従った人が来たときには長老たち言葉詳しく調べた。つまり、アンドレが、ペテロが、ピリポが、トマスが、ヤコブが、ヨハネが、マタイが、あるいは主の弟子たちの他の誰かが何を言ったか、また、主の弟子であるアリスティオンと長老ヨハネとが語っていることを(調べたであった)。 — パピアス断片エウセビオス教会史所収逸文 エウセビオスもこの引用の後に指摘しているように、ここには、他の使徒とともに列挙されているヨハネとは別に「長老ヨハネ」に言及している。ヒエロニムスは、その「長老ヨハネ」が第二書・第三書を執筆したという説に触れている。こうした見解ローマ教皇ゲラシウス1世在位492年 - 495年)の名を冠したゲラシウス教令」(実際成立6世紀推定所収正典目録においても示されているが、これは教皇ダマスス1世時のローマ教会会議382年)の決定伝えているとされる。 ただしパピアス自身前半言及している「主の弟子」たちのことも「長老たち」と呼び、「長老ヨハネ」についても「アリスティオンと長老ヨハネ、すなわち主の弟子たち」と言及するため、二度ヨハネ言及の際に明確に呼称変えているわけではないまた、前半後半時制異なるため、前半言及される「かつて語った使徒たちのうちパピアスのころにまだ「語っている」使徒ヨハネだけであったなどの可能性もあり、この断片だけでは長老ヨハネが使徒ヨハネと他に実在する証拠としては不足している。 現代では第二書・第三書にとどまらず、3書簡全てを長老ヨハネに帰する見解中村和夫シュナイダー示しており、『旧約新約聖書事典』でも同様の見解が採られているが、前述のようにこの人物についての証言乏しく結びつけるための明瞭な根拠があるわけではない福音派ジョン・ストットは長老ヨハネとする説を批判しパピアス断片引用したエウセビオス自身が、パピアス知性教養対す否定的評価述べていたことを引き合い出し乏し言及から二人ヨハネ見出すことの妥当性疑問を呈するとともに、特に福音書と3書簡をすべて長老ヨハネに帰する場合それほど影響力持った人物パピアス一言以外に記録残っていないことの不自然さ指摘したまた、ストットは、古代において長老ヨハネ説がしばしば受け入れられ背景として、ヨハネ文書の中で異質なヨハネの黙示録除外したいという動機から、使徒以外のヨハネ探していた論者たちがいたことにも触れている。

※この「長老ヨハネ」の解説は、「ヨハネ書簡」の解説の一部です。
「長老ヨハネ」を含む「ヨハネ書簡」の記事については、「ヨハネ書簡」の概要を参照ください。

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