ヨハネ書簡
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ヨハネ書簡(ヨハネしょかん)またはヨハネの手紙(ヨハネのてがみ)は、新約聖書の正典のうち、『ヨハネの手紙一』『ヨハネの手紙二』『ヨハネの手紙三』(以下、便宜上「第一書」「第二書」「第三書」)を指す総称。『ヤコブの手紙』や『ユダの手紙』などとともに公同書簡に分類される。また、『ヨハネによる福音書』(以下、ヨハネ福音書)、『ヨハネの黙示録』とともにヨハネ文書と総称されることもある。3書簡の著者は伝承上使徒のヨハネとされるが、高等批評の立場からは、「ヨハネ共同体」などと仮称される思想集団に属する者(たち)によって書かれたと考えられている。
注釈
- ^ ただし、ポリュカルポスの年代を140年以降に設定する見解もある(Brown 1982, p. 8)。
- ^ エイレナイオスは第二書についてはっきりした引用をしていないと位置づけている文献もあるが(荒井 1988, p. 223)、いずれにしても第三書への言及がない点は同じである。
- ^ 田川 1997, pp. 193–194 では、序盤に出てくるヨハネ書簡と後段に出てくるヨハネ書簡2通を別のものと解して計3通と見る説があることに触れられている。しかし、田川自身はその説を否定している。
- ^ これに先立つラオディキア教会会議(363年)で『ヨハネの黙示録』以外の26文書が正典として認められたとされるが、その記録部分は後世の追加を疑われている(荒井 1988, p. 324)。
出典
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- ^ 海老澤 1989, pp. 107–108, 113–114
- ^ 海老澤 1989, pp. 108–109, 113
- 1 ヨハネ書簡とは
- 2 ヨハネ書簡の概要
- 3 概要
- 4 執筆地
- 5 研究史
- 6 日本語訳聖書
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