通過連絡運輸の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 15:14 UTC 版)
東日本旅客鉄道(JR東日本)常磐線亀有駅 - 取手駅までの区間などから、「東京地下鉄(東京メトロ)千代田線の北千住 - 西日暮里の区間」を経由して、JR東日本山手線内の駅などまでの区間の運賃は、通過連絡運輸の特例が適用される。 例:南柏駅→(東日本旅客鉄道常磐線 - 東京メトロ千代田線)→西日暮里駅→(東日本旅客鉄道山手線)→池袋駅 この場合だと、JRの「南柏→北千住の営業キロ数」(19.3km) JRの「西日暮里→池袋駅の営業キロ数」(6.0km)を通算した営業キロ数(25.3km)で求めたJRの運賃 =480円 東京地下鉄の「北千住→西日暮里」の運賃 =170円 を合計して650円ということになる(通過連絡を適用しない場合でも650円)。 適用区間は山手線内、赤羽線、東北本線(宇都宮線)大宮駅(京浜東北線・埼京線経由どちらも適用)、東海道本線横浜駅(西大井駅・新川崎駅はJRの運賃表には掲出されていないが、東京地下鉄の駅から西日暮里接続のJR線乗車券を発売している駅には掲出されている)根岸線関内駅、中央本線三鷹駅まで、常磐線側は前述の取手 - 亀有の他、武蔵野線新八柱駅 - 吉川駅までである。 なお、2007年3月18日開始のSuica及びPASMOといったICカード乗車券は、福岡市地下鉄空港線利用の場合を除いて通過連絡運輸の運賃計算に対応していないため、上の例においてSuicaあるいはPASMOを使った場合、それぞれ区間の運賃を単純に合算してから一定額を差し引く。上記の例では JR線「南柏 - 北千住の運賃:308円」+JR線「西日暮里 - 池袋の運賃:157円」の合計円から100円差し引いた額+東京地下鉄線「北千住 - 西日暮里の運賃:168円」を合計し、533円となる。 ICカード利用時の適用区間は、北千住口が常磐線亀有駅 - 取手駅間、西日暮里口が東北本線東京駅 - 蕨駅、日暮里駅 - 尾久駅 - 赤羽駅、東海道本線東京駅 - 品川駅、山手線品川駅 - 田端駅(全線全駅)、赤羽線(埼京線)池袋駅 - 赤羽駅(全線全駅)、中央本線神田駅 - 代々木駅、総武本線御茶ノ水駅 - 秋葉原駅である。この区間を越えた場合は適用されない。 このように、ICカード相互利用の場合だと乗車券購入の場合に比べて安くなる場合が多い。しかし、金町駅→(東日本旅客鉄道常磐線 - 東京メトロ千代田線)→西日暮里駅乗換→(東日本旅客鉄道山手線)→巣鴨駅間など一部区間では、ICカード利用の方が逆に多少割高(2009年4月現在、金町駅→西日暮里駅→巣鴨駅は、切符購入より50円割高)となる場合もある。 かつては東武鉄道をはさんだほぼ関東一円の区間にも連絡乗車券が発売されていたが(一例としてJR総武線(西船橋・津田沼方面) - 船橋駅 - 東武野田線 - 柏駅 - JR常磐線(北柏・南柏方面))、2007年3月18日に全廃された。また、2010年3月13日に東海道本線(横須賀線・湘南新宿ライン)武蔵小杉駅が開業したことに伴い、武蔵小杉乗換東急東横線経由山手線相互発着・登戸乗換小田急小田原線経由山手線相互発着の普通乗車券による通過連絡運輸は同日廃止された。 定期券のみで区間限定ではあるが、A社 - B社 - A社 - C社の連絡定期券もある。 通常、乗車券は事前に購入しないと適用されないことが多いが、改札駅の精算所で乗車券の変更が可能である場合もある(上記の西日暮里接続の例が該当)。 東京メトロ東西線および千代田線経由の通過連絡運輸の場合、あらかじめ通過連絡運輸の乗車券を購入しておくと、通過連絡運輸区間外の乗り越しであっても、東京近郊区間内であれば全区間を通過連絡運輸区間として計算できる[要出典]。 例:金町駅 - (千代田線・常磐線各駅停車) - 西日暮里駅 - (山手線) - 東京駅間の乗車券で鎌倉駅まで乗り越すとき、(鎌倉駅は通常はこの通過連絡運輸の区間外であるが)通過連絡運輸として計算される。 現在も通過連絡運輸の扱いがある社線は、青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道、えちごトキめき鉄道(妙高高原-直江津-糸魚川のみ)、北越急行、鹿島臨海鉄道、東京メトロ[千代田線(西日暮里-綾瀬のみ)、東西線]、しなの鉄道(小諸-篠ノ井・長野-妙高高原のみ)、愛知環状鉄道、東海交通事業、伊勢鉄道、あいの風とやま鉄道(倶利伽羅-富山のみ)、IRいしかわ鉄道、近鉄(松阪-鶴橋のみ)、南海電鉄(新今宮-橋本のみ)、京都丹後鉄道、智頭急行、土佐くろしお鉄道(窪川-若井のみ)、福岡市営地下鉄(博多-姪浜のみ)、松浦鉄道(松浦-伊万里のみ)である。
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