通達と国家賠償
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 23:18 UTC 版)
通達が法令の解釈を誤っていることを理由として国家賠償を求めることができるかが裁判上で争われることが多い。 この点について一般的には「ある事項に関する法律解釈につき異なる見解が対立し、実務上の取扱いも分かれていて、そのいずれについても相当の根拠が認められる場合に、公務員がその一方の見解を正当と解しこれに立脚して公務を遂行したときは、後にその執行が違法と判断されたからといって、直ちに上記公務員に過失があったものとすることは相当ではない」と解されている。 また最近の判例では、「上告人(編者注: 国)の担当者の発出した通達の定めが法の解釈を誤る違法なものであったとしても、そのことから直ちに同通達を発出し、これに従った取扱いを継続した上告人の担当者の行為に国家賠償法1条1項にいう違法があったと評価されることにはならず、上告人の担当者が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と上記行為をしたと認められるような事情がある場合に限り、上記の評価がされることになる」とし、結論として国に損害賠償を認めたものがある。
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