退職金の保全措置
退職金の保全措置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 02:45 UTC 版)
次のいずれにもあてはまらない事業主は、労働契約又は労働協約、就業規則その他これらに準ずるものにおいて労働者に退職金を支払うことを明らかにしたときは、当該退職金の支払に充てるべき額として厚生労働省令で定める額について、退職金の保全措置を講ずるように努めなければならない(賃金の支払の確保等に関する法律第5条、施行規則第4条)。 次に掲げるいずれかの契約を締結した事業主中小企業退職金共済法第2条3項に規定する退職金共済契約 社会福祉施設職員等退職手当共済法第2条9項に規定する退職手当共済契約 法人税法附則第20条3項に規定する適格退職年金契約 所得税法施行令第73条1項1号に規定する退職金共済契約(その相手方が同項に規定する特定退職金共済団体であるものに限る。) その使用する労働者が厚生年金基金の加入員である事業主 その使用する労働者が確定給付企業年金法第25条1項に規定する加入者である事業主 法律により直接に設立された法人又は特殊法人等である事業主であって、退職手当の保全措置を講ずることを要しない旨の厚生労働大臣の指定を受けたもの 退職手当の保全措置について施行規則第5条の2で定める措置によらない旨の労使協定をした事業主 「厚生労働省令で定める額」は、次に掲げるいずれかの額以上の額とする(施行規則第5条)。 労働者の全員が自己の都合により退職するものと仮定して計算した場合に退職手当として支払うべき金額の見積り額の4分の1に相当する額 労働者が昭和52年4月1日以後において当該事業主に継続して使用されている期間の月数を中小企業退職金共済法第10条1項に規定する掛金納付月数とみなした場合において、次の1~6に掲げる労働者の区分に応じ、当該1~6に定める額を労働者の全員について合算した額昭和55年11月30日以前から当該事業主に継続して使用されている労働者 掛金納付月数に応じ中小企業退職金共済法施行令の一部を改正する政令(平成三年改正中退令)附則別表の第二欄に定める金額の30分の8の金額、昭和56年12月1日以後の期間に係る掛金納付月数に応じ同表の第二欄に定める金額の30分の4の金額、平成3年12月1日以後の期間に係る掛金納付月数に応じ同表の第二欄に定める金額の30分の18の金額及び平成5年12月1日以後の期間に係る掛金納付月数に応じ同表の第二欄に定める金額の30分の10の金額を合算した額 昭和55年12月1日から昭和61年11月30日までの間において当該事業主に継続して使用されることとなった労働者 掛金納付月数に応じ平成三年改正中退令附則別表の第二欄に定める金額の30分の12の金額、平成3年12月1日以後の期間に係る掛金納付月数に応じ同表の第二欄に定める金額の30分の18の金額及び平成5年12月1日以後の期間に係る掛金納付月数に応じ同表の第二欄に定める金額の30分の10の金額を合算した額 昭和61年12月1日から平成3年11月30日までの間において当該事業主に継続して使用されることとなった労働者(6に掲げる労働者を除く。) 掛金納付月数に応じ平成三年改正中退令附則別表の第二欄に定める金額及び平成5年12月1日以後の期間に係る掛金納付月数に応じ同表の第二欄に定める金額の30分の10の金額を合算した額 平成3年12月1日から平成7年11月30日までの間において当該事業主に継続して使用されることとなった労働者(6に掲げる労働者を除く。) 掛金納付月数に応じ平成三年改正中退令附則別表の第二欄に定める金額の30分の40の金額(当該掛金納付月数が24未満である労働者については、4000円に当該掛金納付月数を乗じて得た額) 平成7年12月1日以後において当該事業主に継続して使用されることとなった労働者(6に掲げる労働者を除く。) 掛金納付月数に応じ平成三年改正中退令附則別表の第二欄に定める金額の30分の50の金額(当該掛金納付月数が24未満である労働者については、5000円に当該掛金納付月数を乗じて得た額) 平成3年4月1日以後において当該事業主に継続して使用されることとなった労働者であつて、中小企業退職金共済法施行規則第2条1号に規定する短時間労働者に該当するもの 掛金納付月数に応じ平成三年改正中退令附則別表の第二欄に定める金額の30分の20の金額(当該掛金納付月数が24未満である労働者については、2000円に当該掛金納付月数を乗じて得た額) 労使協定に定めた額 講ずる保全措置は、次のとおりとする(施行規則第5条の2第1項)。 事業主の労働者に対する退職手当の支払に係る債務を銀行その他の金融機関において上記各号に掲げるいずれかの額以上の額に相当する額(要保全額)につき保証することを約する契約を締結すること。 要保全額につき、労働者を受益者とする信託契約を信託会社等と締結すること。 労働者の事業主に対する退職手当の支払に係る債権を被担保債権とする質権又は抵当権を要保全額につき設定すること。 退職手当保全委員会を設置すること。事業主は、退職手当保全委員会を設置するときは、次に定めるところによらなければならない(施行規則第5条の2第2項)。退職手当保全委員会の構成員の半数については、当該事業主に使用されている労働者であって、過半数代表者の推薦を受けたものとすること。 退職手当保全委員会には次に定める事項を行わせること。事業主から退職手当の支払の準備に関する状況について報告を受け、必要に応じ、事業主に対して当該退職手当の支払の準備につき意見を述べること。 退職手当の支払の準備に関する苦情を処理すること。 少なくとも一年に一回、定期に、及び退職手当保全委員会からの要求の都度、退職手当の支払の準備に関する状況について退職手当保全委員会に対して書面により報告を行うこと。 退職手当保全委員会の開催の都度、遅滞なく、その議事の概要及び退職手当保全委員会に報告した退職手当の支払の準備に関する状況の概要を各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付ける等の方法によつて労働者に周知させること。 退職手当保全委員会における議事で重要なものに係る記録を作成して、これを5年間保存すること。
※この「退職金の保全措置」の解説は、「退職金」の解説の一部です。
「退職金の保全措置」を含む「退職金」の記事については、「退職金」の概要を参照ください。
退職金の保全措置と同じ種類の言葉
- 退職金の保全措置のページへのリンク