弁証法
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弁証法(べんしょうほう、希: διαλεκτική、英: dialectic)は、哲学の用語であり、現代において使用される場合、ヘーゲルによって定式化された弁証法、及びそれを継承しているマルクスの弁証法を意味することがほとんどである。それは、世界や事物の変化や発展の過程を本質的に理解するための方法、法則とされる(ヘーゲルなどにおいては、弁証法は現実の内容そのものの発展のありかたである)。しかし、弁証法という用語が指すものは、哲学史においてヘーゲルの登場よりも古く、ギリシア哲学以来議論されているものであり、この用語を使う哲学者によってその内容は多岐にわたっている。したがって「弁証法=ヘーゲルの弁証法的論理学」としてすべてを理解しようとするのは誤りである。弁証法は、元来哲学の内部で問題とされ、哲学固有の考え方、或いは哲学的論理というものであったが、今日では、ほとんど常識化され、無造作に用いられるようになった[1]。
注釈
- ^ 意識は意識外の物を対象とする。一般に真理は対象の方に、確実性は意識の方にあると常識は考える。意識の経験は対象と意識の分裂態における経験である。
- ^ 悟性の立場を通り意識の経験は対象と意識との一致する自覚の状況に進み、真理と確実性とは合致し、意識は他の意識ではなく自己自身の意識である。
- ^ エヴァリッド・ヴァシーリエヴィチ・イリエンコフ(ロシア語: Э́вальд Васи́льевич Илье́нков, ラテン文字転写: Evald Vassilievich Ilyenkov、1924年2月18日—1979年3月21日)。ソビエト連邦の哲学者。マルクス主義哲学を研究。チェルヌイシェフスキー賞受賞者。著書に『カール・マルクスの「資本論」における抽象的なものと具体的なものの弁証法』、『偶像と理想について』。訳書にヘーゲル『大論理学』(ローゼンターリ、シトコフスキーとの共訳)。1979年に自殺。イリエンコフ『資本論の弁証法(カール・マルクスの「資本論」における抽象的なものと具体的なものの弁証法)』花崎皋平訳、合同出版、1979年、pp.369-377
出典
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