躬恒集とは? わかりやすく解説

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みつねしゅう〔みつねシフ〕【躬恒集】

読み方:みつねしゅう

凡河内躬恒家集平安中期成立とされる三十六人集一つ。1帖上下2巻328首が完存し重要文化財指定されている。


躬恒集

主名称: 躬恒集
指定番号 2509
枝番 00
指定年月日 1999.06.07(平成11.06.07)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 書跡・典籍
ト書
員数 1帖
時代区分 平安
年代
検索年代
解説文: 『躬恒集』は、『古今和歌集』の撰者三十六歌仙一人として著名な凡河内躬恒生没年未詳)の家集である。その成立平安時代中期考えられている。
 本帖の体裁小型綴葉装冊子本で、表紙は後補石畳花文錦を装し金銀切箔金銀砂子雲霞引きに笹の型文様下絵施した後補の料紙見返し用いている。本文料紙雁皮紙で、本文は半九行前後に、和歌一首行書詞書はおよそ一字下げ書写されており、文中、わすかに墨書校合みられる上下二巻を一帖に収め巻頭の「躬恒集上」(第二丁裏)の首題、「躬恒集下」(第二一丁表)の内題以下、計三二八首を完存する
 その筆跡は、巷間に伝西行筆として知られる字形整斉にして筆力があり、やや長め連綿交えながら書写している。添状宝永二年(一七〇五)霜月上旬古筆了仲折紙西行筆と鑑しているが、国宝一品経懐紙』中の西行自筆薬草喩品などと比較すると、同筆とは認められず、筆跡等よりみて、平安時代後期能書の手によって書写されたものと考えられる
 『躬恒集』は伝本種類多く一般に(一)-一甲本系、(一)二光本系(二)内閣文庫本系(三)-一乙本系(三)-二丙本系(四)西本願寺本系(五)歌仙家集本系五類系統分類されている。本帖は、このうち第五類本歌仙家集本系属する。第五類本内容は、正保歌仙家集本によって広く一般に流布し、『私家集大成』『続国歌大観』などにも翻刻されているが、本帖の存在は、この系統本の原型が、すでに平安時代後期成立していたことを明らかにしている。
 『躬恒集』で平安時代さかのぼるものは、本帖のほかに、国宝西本願寺三十六人集』のうちの第四類本平安時代後期写)一帖、冷泉家時雨亭文庫所蔵第一類甲本系(藤原定家外題平安時代後期写)一帖、同所第三類丙本系平安時代後期写)一帖である。
 なお、原裏表紙表(裏表紙中)の修補奥書によれば宝永二年十一月七日に「御本丸経師桜井左近」が老中本多伯耆守正永(一六四五一七一一年)の依頼修理したことが知られ、本帖の伝来考えるうえで注目される
 本帖は歌仙家集系統本の現存最古写本あり、かつ伝西行といわれる優れた筆跡をもつ平安時代後期写本として、国文学書道研究上に価値が高い。

躬恒集

読み方:ミツネシュウ(mitsuneshuu)

分野 和歌集

年代 平安中期

作者 凡河内躬恒



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