蹂躙とは? わかりやすく解説

蹂躙

読み方:じゅうりん

蹂躙とは、権力など力のある者が強権振るい弱い者の権利踏みにじった侵害したりすることを意味する表現。名誉・地位人権を傷つける、国土経済・文化破壊しまくる、といった意味でも用いられることがある

「蹂」「躙」はいずれ常用漢字はないため、新聞などでは「じゅうりん」と平仮名表記するかルビをつけて表示される

蹂躙は漢語由来語彙であるが、「踏み躙るふみにじる)」という訓読みにも対応する言葉である。「蹂」も「躙」も、どちらも「踏む」「踏みにじる」という字義漢字である(ほぼ同義語である)が、特に「躙る(にじる)」は「押しつけてすり動かす」という動作を指す意味が強い。

たとえば、火のついたタバコを、地面落として、靴の裏踏んだ状態で、靴をぐりぐり動かして火を消し潰す。このぐりぐりと潰す動作が「躙る(にじる)」動きである。

「蹂躙」という言葉は、日常生活の中ではそうそう用いられる種類の語彙ではない。戦争災害などに関する文脈では、あるいは政治家発言反発して人権蹂躙する発言他ならないといって非難するような文脈では、「蹂躙」の語を見聞きする機会比較的多いといえる

「蹂躙の対象」として扱われ得る要素は、多岐にわたる。たとえば、人権、名誉、地位感情思想宗教、夢、希望身体貞操、自由、等々。あるいは、国や行単位の自然、建造物文化経済国民生活インフラライフライン国家形成する民族間の繋がり精神史国家としての権威、なども「蹂躙される」と表現されるような対象なり得る

蹂躙という言葉は、いわゆる国家による侵略行為」を糾弾するような文脈では用いられやすい。たとえば、「ナチス政権下ドイツは、隣国ポーランド蹂躙するのに何の躊躇もなかった」……といった叙述において「蹂躙」の語は適切に意味を成す。人権対す行為国家侵略行為端的に表現するといえる

「蹂躙」は「自然災害によって生活が破壊される状況を示す意味で用いられることも多い。たとえば「超大型台風九州南部を蹂躙」といった言い方なら新聞目にする可能性も高い。手に負えない強大な力が、人の都合など一切無視して破壊限りを尽くした、というようなニュアンス感じ取れる。

大規模な破壊を伴うわけでもない状況、たとえば「車が暴走して歩道にあった花壇蹂躙した」といった状況で「蹂躙」と表現することも可能である。

「蹂躙」の類義語類似表現としては、「毀損」「陵辱」「侵略」などが挙げられるいずれも蹂躙ほど「徹底的に痛めつけるニュアンス強くない

毀損(きそん)は、物を壊す・物が壊れる、あるいは、名誉や体面損なう、といった意味がある。「名誉毀損」といった使い方がある。

陵辱りょうじょく)は、相手を傷つけ、恥辱与えることを意味する表現性的に辱めるという意味で用いられる場合も多いが、必ずしも性暴力をのみ指すとは限らない

侵略しんりゃく)は、もっぱら他国主権侵害する行為指して用いられる語である。特に武力を伴う侵害を指すニュアンスがある。

「蹂躙」の対義語は、直接的に対義語関係にあたる語彙見出しがたいものの、蹂躙が「破壊行為」あるいは「権利踏みにじる行為」であるという観点において、「擁護」や「尊重」あるいは「守る」などの語彙対義語該当するといい得る。




品詞の分類

このページでは「実用日本語表現辞典」から蹂躙を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から蹂躙を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から蹂躙 を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「蹂躙」の関連用語

蹂躙のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



蹂躙のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
実用日本語表現辞典実用日本語表現辞典
Copyright © 2024実用日本語表現辞典 All Rights Reserved.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS