資源保存とは? わかりやすく解説

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資源保存


コンサーベーション

読み方こんさーべーしょん
【英】: conservation
同義語: 資源保存  

コンサーベーションとは、森林河川など天然資源保存維持意味するが、石油・ガス石炭などの地下資源採取によって減少枯渇していくという認識の下に乱掘戒める意味でコンサーベーションが強調されてきた。特に石油資源場合急速な採取によって油層圧急速に低下させると、溶存ガス分離産出ガス油比急上昇などによって究極的な石油採収率低下する弊害惹起じゃっき}するので、コンサーベーションのためには適正な採取不可欠であるという特性がある。石油鉱業の歴史において、コンサーベーションが強く叫ばれ顕著な事例として以下に2例を記す。 
(1) 米国におけるコンサーベーション規制確立: 地下資源開発土地所有権帰属するという法理に立つ米国では、鉱業法という鉱物採取を国が規制する法体系元来なかった上に、石油という流体鉱物採取について法廷地下水のくみ揚げ準じた考え方いわゆる捕獲の法則」を適用したこともあって、1920年後半から30年代前半にかけてテキサスオクラホマなどの西部イースト・テキサス油田などの大油田相次いで発見される及んで、同じ油層に対して小区分された隣接する土地からの採掘競争過熱した法廷訴訟の海となり、市場には石油あふれて油価暴落したが、それでも隣に吸い取られるよりはと、油をくみ揚げ川に流す者も出る始末で、イースト・テキサスとオクラホマでは戒厳令発令され州兵出動し一切石油採掘停止させる事態さえ起こったこのような中で連邦政府州政府はもとより産業界社会一般からこの社会的浪費防止すべきであるという世論高まりいろいろな努力何年間にもわたって続けられた末に、1930年代になって連邦レベル州レベルでコンサーベーション法が制定され各州委員会テキサス州では鉄道委員会)による産油割当てがようやく実効的に実施されるようになってその後数十年にわたって米国石油産業はコンサーベーションの名のもとに公権力に基づく生産規制による需給調整が行われてきた。1972 年にようやく余剰生産力なくなり産油割当てアロアブル)が生産能力に対して 100 %となって事実上生産規制終了した
(2) OPEC におけるコンサーベーション:1928 年アクナキャリー協定以来世界石油市場寡占的支配していた国際石油会社グループメジャーズ)はいわゆる国際石油カルテル結成して世界石油生産需要あわせて調節してきたが、戦後1950 年代になって中東みぞうの巨大な石油埋蔵量発見される及んでメジャーズ薄利多売傾き世界石油消費石炭追い越して拡大続けたメジャーズ1958 年60 年の 2 回にわたり原油公示価格引き下げ、このことが主要石輸出国による OPEC 結成のきっかけとなったOPEC結成以来メジャーズによる石油資源支配現状に対して共同して対抗する政策追求し1968 年第 16 回総会で共通政策を 10 原則にまとめたが、そのなかにコンサーベーションがうたわれている。枯渇性資源である石油命綱とする産油国として、メジャーズ気まま生産拡大する任せてはおけないという不安感こめられている。
第一次石油危機前後わたって事業参加の名の下に既存石油利権全面的または大部分接収果たした OPEC 加盟国は、その後それぞれコンサーベーションの考え方から産油量に上限設けることを宣言したが、その後第二次石油危機といわれた油価大幅引上げのとがめで世界石油需要下降をたどり、予期せざる大幅な生産規制追い込まれ、現在ではそのコンサーベーション政策は影が薄くなっている。



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