公示価格
【英】: posted price
同義語: ポステッド・プライス
略語: PP
公示価格は、米国において石油会社が、当該原油に対して支払う用意のある価格(希望購入価格)をその油田で公示したことに起源を持つ。 米国では現在でも「ポスティング」が行われており、例えば、米国での基準原油とみなされているウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の公示価格は、1985 年 1 月、石油製品価格の下落の影響を受けて、値下げが相次ぎ、1 バーレルあたり 27.5 ~ 28.0 ドルに引き下げられた。これとは別に米国外の産油国においても公示価格が存在した。これは当初、国際石油会社(メジャーズ)が決定していたものであるが、1970 年代に入り、産油国政府と石油会社との折衝によって決定されるようになり、第一次石油危機後には、産油国政府が一方的に設定するようになった。その際の公示価格は、原油の販売価格であると同時に、課税基準価格(産油国政府が、当該国で操業している石油会社に対して、所得税、利権料を徴収する際の基準となる価格)でもあった。元来 OPEC(石油輸出国機構)の結成(1960 年 9 月)は、国際石油会社が1959 年 2 月、1960 年 8 月の 2 回にわたって、一方的に公示価格を引き下げたことに原因している。1970 年代初めの OPEC 攻勢(テヘラン協定、トリポリ協定、ジュネーブ協定など)、第一次石油危機を通じて公示価格は大幅に引き上げられた。この間 OPEC 加盟国では、国営会社の石油利権への参加、国有化が進展し、公示価格そのものが有名無実化することになった。また 1974 年から 1975 年にかけて石油需給関係からみて高い公示価格での原油販売は困難となり、原油の販売は「公式販売価格」(公示価格の 93 ~ 95 %)で行われるようになり、公示価格は、単なる課税基準価格的なものとなった。 |

ポステッド・プライス

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