捕獲の法則

ルール・オブ・キャプチャー
【英】: rule of capture
同義語: 捕獲の法則
地下の鉱物は土地の所有権に帰属するというコモン・ロー(慣習法)に従う米国において、石油採掘の初期から 1920 年代ころまでの判例において主流をなした法理で、ある土地の所有者がその土地に掘削された井戸から石油・ガスを生産する場合、たとえその石油あるいはガスが隣接地から移動(migrate)してきたとしても、その井戸が不法侵入(trespass)を犯していないかぎり、その土地の所有者が生産された石油あるいはガスの権原を取得する、とする原則をいう。 通常「捕獲の法則」と訳されることが多い。この原則の下では、隣接地の井戸によって自分の土地の地下に賦存する石油あるいはガスが排出(drain)されている場合には、自らも同様に井戸を掘って生産することによって対抗するほかないことになる。このため米国石油産業の初期には掘削競争により生産過剰となり、原油価格の暴落を招いた。これに対処する必要からコンサーベーション(conservation)政策が発展し、プーリング(pooling)、ユニタイゼーション(unitization)の概念によってこうした弊害に対処している。また多くの州の裁判所はコレラティブ・ライツ(correlative rights)理論を採用するようになり、油・ガス田の存在する土地の所有者には各々、浪費(waste)することなく公正なシェアの石油あるいはガスを生産する権利を認めている。したがって、今日では無制限なルール・オブ・キャプチャーの援用は考えられなくなった。 |

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