コレラティブ・ライツとは? わかりやすく解説

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コレラティブ・ライツ

読み方これらてぃぶ らいつ
【英】: correlative rights

コモン・ローに従って地下鉱物土地所有権属するとしている米国において地下一つ石油・天然ガス層が複数土地区割またがって広がっている場合それぞれの土地区割権利保有者は、地下の共通の石油・ガスについて、それぞれ他者権益侵害しない範囲自己の土地区割対応する衡平割合生産する権利を持つという概念をコレラティブ・ライツ(相関的権利)と称している。コモン・ローによれば地下鉱物はその直上土地所有権属するとして、1859年米国東部において、井戸掘って石油をくみ揚げることが始まって以来、この法理の下で、石油採掘が行われてきたが、石油流体鉱物であるために、隣接土地所有者自分土地地下にあった石油隣地井戸からくみ揚げられたと主張する余地があり、この種の係争に対して各地法廷種々の法理適用されたが、その中で石油採掘地下水のくみ揚げと同様と見て井戸でくみ揚げたときに取得発生するとして、野生動物捕獲準じたいわゆる捕獲の法則ルール・オブ・キャプチャー)」理論が最も有力となったこのため1920 年代米国南西部諸州で相次いで巨大油田発見される及んで一つ油層上の隣接土地所有者またはそのリース権者間で境界接して乱掘競争大流行し法廷訴訟氾濫はんらん}に悩まされ一方石油価格暴落資源浪費waste)という明らかな公共損失社会関心の的となり、産油各州政界経済界による乱掘防止努力空しく重ねられた。こうしたなかで生まれてきたのが、一方ではコレラティブ・ライツの概念であり、他方ではコンサーベーション資源保存)の理念実現のための公権力による介入調整手段創設、すなわち各州におけるペトロリアム・コンサーベーション・アクト(石油保存法)の制定である。コレラティブ・ライツの概念内容(1) 他の土地区割所有者またはリース権者自己の土地区割侵害して石油・ガス採取することを禁ずる権利(2) 自己の土地区割上で合法的な作業により石油・ガス採取する権利(3) 不合理な採掘によって資源浪費ガス放散など)をしないという義務(4) 共通貯留層に障害与えず自己の正当かつ公平な取り分上の不当な石油・ガス採取をしないという他の土地区割所有者対す義務から成る解説されている。これは成文法statute)による権利義務ではなく判例積み重ねによるコモン・ロー上の権利義務であってその実現は司法だけでは不完全であり、行政的介入が必要となり、先述のように各州コンサーベーション立法が行われ、それにより法制ユニタイゼーションができるようになっている。これにより、複数土地区割の下に賦存する共通貯留層の合理的開発図られ、したがって土地区割所有者もしくはリース権者当該貯留層に対す公正なシェア確保されることになる。



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