認知と状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/07 05:57 UTC 版)
「炎上 (ネット用語)」の記事における「認知と状況」の解説
インターネット普及期の1980年代に、社会心理学では対面(英語版)場面とコンピュータを介したコミュニケーション場面の差異に着目したCMC(computer-mediated communication)研究が始まった。炎上現象はCMC研究の初期の段階で観察されている。実名主義のSNS以前のコンピュータを介したコミュニケーションを最も特徴づけていたものは利用者の匿名性であり、CMC研究では匿名性が集団に及ぼす影響について様々な側面で研究が行われた。 日本では、炎上はブログが一般に認知され始めた2004年頃から発生するようになった。2005年1月頃に『朝日新聞』記者のブログが炎上した際、それに言及した山本一郎のブログで「炎上」という語が使用されており、小倉秀夫がコメントスクラムと呼んでいたものが炎上と呼ばれるようになっていった。一般人の投稿による初の炎上と見られる事案は、2005年8月にコミックマーケット会場付近に出店していた飲食店の従業員がイベントの来場者を誹謗中傷したものとされる。2009年には芸能人のブログのコメント欄に中傷や脅迫の書き込みを行ったものが名誉棄損や脅迫の容疑で書類送検される事件が報道で大きく取り上げられ、社会問題として認識されるようになった。 自身もブログ炎上経験を持つウェブコンサルタントの伊地知晋一によれば、炎上の発生件数は調査方法が確立されていないため、正確には不明であるとしながらも、おおよそ年間60 - 70件程度と述べている。また、炎上の発生から終息までの期間は、2週間から6か月程度であるという。ネット上では炎上中のブログを探して楽しむ「炎上ウォッチャー」と呼ばれる人がおり、炎上中のブログをまとめたウェブサイトも存在する。外部リンクも参照。 Twitter上でも失言、なりすましなどに起因する炎上騒ぎが発生している。ただ、Twitter上で特定個人への批判が殺到するような事例は、ブログや掲示板が舞台となる場合と比べると、炎上が起こっているということが閲覧者にとって直感的に把握できない造りになっている。Twitterの仕様上、当事者がつぶやく(記事投稿する)毎に投稿が順次積み重ねられることで、過去の投稿を見つけにくいことが理由とされる。個別に参照するにしても検索機能を逐一利用する必要が生じるため、見方を変えれば炎上を抑制する方向に設計されたアーキテクチャであるとも言える。 炎上を「現代版の災難」と捉え、炎上の原因となった画像や発信などの情報を供養する住職もいる。
※この「認知と状況」の解説は、「炎上 (ネット用語)」の解説の一部です。
「認知と状況」を含む「炎上 (ネット用語)」の記事については、「炎上 (ネット用語)」の概要を参照ください。
- 認知と状況のページへのリンク