要不要に関する諸説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/11 09:47 UTC 版)
慣らし運転が必要であるか不要であるかについては、諸説議論がある。 慣らし運転をした後であっても無理な運転を行えば車両は傷むし、そもそも無理な運転は車両の寿命以前に運転者自身や同乗者・第三者の生命を危険にさらす行為である。運転免許を有する常識的な運転者ならば常から無理な運転はしないので、新車だからといっていつもと違う運転をする必要はないとする考え。(対抗説)高性能車は車両寿命や自身や同乗者・第三者の安全を多少犠牲にしてでも性能を十分に発揮させなければ意味がないとする考え。 過去においては取扱説明書に慣らし運転の方法が記載されていたが、今(2007年現在)は取扱説明書に触れられていないものが多く、触れられていなければ慣らし運転は不要であるとする説。自動車の使用目的は通勤、通学、買い物などの日常使用が大半であり、新車時にいきなり全負荷をかけるような使い方は考え難いため、別段の慣らし運転を行う必要はなく普通に日常使用していれば十分その役に足りる。(対抗説)取扱説明書に明記されていなくても、慣らし運転はユーザとして当然配慮すべき常識である、との考えもある。 エンジンオイルが内部機構に馴染み、燃焼によってエンジン内部に付着する付着物の層が形成されないうちは、焼き付きを起こしやすく、この焼き付き防止のためには慣らし運転が必要であるとする説。(対抗説)いまやエンジンの焼き付きなど、オイルが極端に不足した状態であるとか長年オイル交換を怠っている場合ぐらいでしか実際には起こり得ず、新品のオイルが十分に入っているエンジンでは考え難い。 金属同士が触れ合った機械的な部分について、まだそれらが馴染んでいない状態で急激な高負荷をかけると、接触面を傷つけてしまう可能性があり、馴染ませるために慣らし運転が必要であるとする説。(対抗説)この話は過去のことであり、(2007年)現在の工作技術を考えると慣らし運転は必要ないとする説。 MT車においては、エンジンの慣らし運転のみならず、シフトチェンジについても慣らし運転をする(乱暴なシフトチェンジを避ける)ことで、可動部分にアタリをつける効果があり、将来的にシフトが入りにくくなるなどのトラブルを軽減する効果があるとする説。 ECUなどの電子制御部分の学習を考えると、慣らし運転が(必要というわけではないが)有益であるとする説。(対抗説)新車購入時はメーカー設定初期値のため運転者が違和感を覚えることもあるが、電子制御装置の学習部分は常に書き換えられており数百kmも走行すればすっかりデータが入れ替わるし、エラーリセットやバッテリ上がりなどで初期値に戻ることもあるので、特に配慮する必要は無いとの考えもある。 本来もっとも慣らし運転の必要性の高い生産直後の段階で、工場内の移動や販売店への陸送時の積み下ろしのために手荒に運転されているので、今さら大人しく運転しても手遅れであるとする考え方。 メーカーの発表としては、以下のようなものがある。 必要なし : トヨタ、ホンダ 絶対ではないがしたほうがよい : 日産、マツダ したほうがよい : スズキ、スバル 絶対必要 : カワサキ
※この「要不要に関する諸説」の解説は、「慣らし運転」の解説の一部です。
「要不要に関する諸説」を含む「慣らし運転」の記事については、「慣らし運転」の概要を参照ください。
- 要不要に関する諸説のページへのリンク