衆議院議場と参議院議場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 16:02 UTC 版)
「国会議事堂」の記事における「衆議院議場と参議院議場」の解説
一般には「本会議場」と呼ばれる大ホール。各院の2階部分にあり、3階まで吹き抜けとなっている。天井の部分にはステンドグラスがあり、それを通して昼光が通るので本会議中以外は天井の蛍光灯は点灯させていない。議場の構造はいずれも、議長席・演壇をかなめとして扇形に広がり、会派ごとに議席が配分されて座る、いわゆる「大陸型」である。 向かって中央奥には議長席があり、その左側には事務総長席がある。演壇は議長席前方にあり、その下側には国会速記者席があって議事録を手書き(→ 画像:速記の例)で速記している。また、議長席を中心に左右に2列の席が伸びており、前列が閣僚の座る国務大臣席(このうち最も議長席に近い側の席が内閣総理大臣席)、後列が議院事務局職員が座る事務局職員席となってある。 貴族院(現:参議院)議場の議長席、大臣席、演壇まわりの議員書記席などを日本楽器製造株式会社(現:ヤマハ株式会社)が手掛けている。材料は、国産の桜材が指定されていたという。 議員の議席は会期の始めに議長がこれを定めるが、会期中に必要があれば変更することもできる(衆議院規則第14条第1項、参議院規則第14条第1項)。衆議院では、議席の席順は議長席に向かって左から所属議員の多い順に会派が割り当てられる慣例となっている。つまり議長席から見て右翼席から第1党、第2党……となり、最左翼に無所属議員、という議席配置となる。それに対し、参議院では最大会派は中央の議席、その左右に小会派が位置される。同一会派内では当選回数の少ない議員ほど議長席に近い前列に、当選回数が多い議員ほど後列に割り当てられている。各議席には号数が付され、黒地に白色の文字で議員の氏名が記された氏名標が取り付けられている(衆議院規則第14条第2項、参議院規則第14条第2項)。 参議院議場では議長席の後方の階段上に、天皇の席(お席、玉座)があり、開会式に際しては、議長席を分解して式場をセッティングする。帝国議会の開院式は天皇を貴族院議場に迎えて行った名残で、現在でも国会の開会式は天皇を旧貴族院を改組した参議院の議場に迎えて行われており、天皇はこの席で開会の「おことば」を述べる。 本会議場に設置されているマイクは参議院では議長席と演壇のみに置かれているが、衆議院では加えて事務総長席(主に記名投票の結果報告に用いられる)と議事進行係を務める議員の席にも置かれている。 2019年(令和元年)現在、参議院の議員定数は245だが、参議院議場には460の席がある。それでも衆参両院の議員総数722には足りないので、開会式では通路や後方の空きスペースに立ったまま列席する議員もいる。 両議場とも、議員は先例によりジャケットと議員バッジの着用がないと入場が許されない。これには一切の例外が認められておらず、かつて福田赳夫元総理がバッジをつけ忘れて衆議院議場に入ろうとしたところ、衛視に制止されて、あわてて辺りにいた別の議員(森喜朗)からバッジを借りて入場したこともある。 なお、各院とも議長の許可がない限り、議場での帽子、外套、襟巻、傘、杖などの着用・携帯は禁じられており(衆議院規則第213条、参議院規則第209条)、喫煙も禁じられている(衆議院規則第214条、参議院規則第210条)。また、議事中は参考資料を除いて新聞および書籍等を閲読してはならないことになっている(衆議院規則第215条、参議院規則第211条)。 衆議院第一委員室テレビ中継でお馴染みの衆議院第一予算委員室 戦時中の衆議院第一委員室衆議院予算総会で答弁に立つ賀屋興宣蔵相 1944年(昭和19年)1月27日
※この「衆議院議場と参議院議場」の解説は、「国会議事堂」の解説の一部です。
「衆議院議場と参議院議場」を含む「国会議事堂」の記事については、「国会議事堂」の概要を参照ください。
- 衆議院議場と参議院議場のページへのリンク