蓄電池の費用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 22:34 UTC 版)
2010年、デンマーク工科大学(英語版)の科学者らは、25 kWhの容量を持つ認証済みのEV用蓄電池に(割戻や追加料金なしで)1万米ドル(つまり400米ドル/kWh)を支払った。バッテリーメーカー15社のうち、品質や火災安全性に関する必要な技術文書を提供できたのは2社だった。2010年には、バッテリーの価格が3分の1になるにはせいぜい10年かかると見積もられていた。 全米研究評議会による2010年の研究によると、リチウムイオン電池パックの費用は、使用可能なエネルギー1 kWhあたり約1,700米ドルであり、PHEV-10が約2.0 kWh、PHEV-40が約8 kWhを必要とすることを考慮すると、電池パックのメーカーコストは、PHEV-10で約3,000米ドル、PHEV-40では14,000米ドルにまで上昇する。MITテクノロジーレビュー誌は、自動車用電池パックの費用が2020年までに1キロワット時あたり225米ドルから500米ドルになると推定している。米国エネルギー効率経済協議会(英語版)による2013年の調査は、電池費用が2007年の1,300米ドル/kWhから2012年には500米ドル/kWhまで下がったと報告している。アメリカ合衆国エネルギー省は、同省が主催する電池研究の費用目標を、2015年に300米ドル/kWh、2022年に125米ドル/kWhと設定している。電池技術の進歩と生産量の増加による経費削減により、プラグイン電気自動車は従来の内燃機関自動車との競争力を高めることができる。2016年、世界のリチウムイオン生産能力は41.57 GW⋅hであった.。 セルの実際の費用については、ほとんどのEVメーカーがこの話題について詳細に語ることを拒否しているため、多くの議論や憶測がなされている。しかし、2015年10月、自動車メーカーのGMは、年次グローバルビジネスカンファレンスで、2016年に入るとリチウムイオン電池の価格が145米ドル/kWhになると予想していることを明らかにし、これは他の分析専門家の費用予測を大幅に下回った。GMはまた、2021年末までに費用が100米ドル/kWhになると予想している。 ブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンス(BNEF)が2016年2月に発表した調査によると、蓄電池の価格は2010年から65%、2015年だけで35%低下し、350米ドル/kWhに達した。この調査では、蓄電池の費用は、2022年までにほとんどの国で、政府の補助金(英語版)なしで電気自動車を内燃機関自動車と同等の価格で購入できるようになる軌道に乗っていると結論づけている。BNEFは、2040年までに長距離用電気自動車の価格は、2016年のドル換算で22,000ドル以下になると予測している。BNEFでは、電気自動車の蓄電池費用は、2030年までに120米ドル/kWhを大幅に下回り、その後も新しい化学物質の利用が可能になるにつれてさらに低下すると予想している。 電池費用の推定値の比較電池の種類年費用(米ドル/kWh)リチウムイオン 2016 130-145 リチウムイオン 2014 200–300 リチウムイオン 2012 500–600 リチウムイオン 2012 400 リチウムイオン 2012 520–650 リチウムイオン 2012 752 リチウムイオン 2012 689 リチウムイオン 2013 800–1000 リチウムイオン 2010 750 ニッケル水素 2004 750 ニッケル水素 2013 500–550 ニッケル水素 350 鉛 256.68 電池寿命の推定値の比較電池の種類推定した年サイクルマイル寿命(年)リチウムイオン 2016 >4000 1,000,000 >10 リチウムイオン 2008 100,000 5 リチウムイオン 60,000 5 リチウムイオン 2002 2-4 リチウムイオン 1997 >1,000 ニッケル水素 2001 100,000 4 ニッケル水素 1999 >90,000 ニッケル水素 200,000 ニッケル水素 1999 1000 93,205.7 ニッケル水素 1995 <2,000 ニッケル水素 2002 2000 ニッケル水素 1997 >1,000 ニッケル水素 1997 >1,000 鉛 1997 300–500 3
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