蓄電池の規制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 02:25 UTC 版)
これまで電安法の対象となっていたのは、主として商用電源を直接用いる機器に限られていたが、近年発生したリチウムイオン二次電池による事故等を受け、2007年の法改正に合わせ蓄電池が電気用品となり規制の対象となった。 体積エネルギー密度が一定以上のリチウムイオン蓄電池のみが規制の対象であり、2008年11月から施行され、2011年11月には技術基準のレベルがアップする二段階構成になっている。新規に電気用品を追加するにあたって施行の猶予期間を設けないのは非常に珍しい例と考えられるが、当局がいかに危機感を持っているかの裏返しとも推測される。 技術基準は当時のIEC/JIS準拠であるが、日本独自のJIS C8714を反映した別表第九が技術基準省令の第1項に追加された、レベルアップに関しては一部が電安法独自のものになっている。 当初リチウムイオン二次電池の規制は、消安法にて規制される予定であったが製品安全部会の答申により急遽方針転換された。 リチウムイオン蓄電池を用いたモバイルバッテリーについては、規制対象となるか不明確であったが、平成24年9月に公表された「リチウムイオン電池が組み込まれたポータブル蓄電装置の電気用品安全法上の取り扱いについて」により規制対象外であることが明確化された。しかし、事故が多発したことから 平成30年2月1日に通達の「電気用品の範囲等の解釈について」が一部改正され電気用品とみなされ規制対象となった。ただし、規制対象化に関して1年の経過措置が設けられ、届出, 技術基準適合(表示を含む),販売が猶予された。経過措置後は規制対象となるため表示のないモバイルバッテリーの販売が違法となり販売できなくなった。表示のない市中在庫や中古品の販売が違法となることもあり、経過措置期間の終了直前には表示のない製品が大幅値引きされる現象も随所でみられた。販売事業者にとっては実質的な過去遡及ともなり、全口センサー付きガスコンロやチャイルド・レジスタンス機構つきライターの必須化にともなう規制強化と同じ状況である。ちなみに海外ではモバイルバッテリーを平成24年の文書同様に電池そのものではなく装置とみなし、IEC60950-1などの技術基準を要求したうえで、モバイルバッテリーとして規制する例が多くみられる。
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