絹本著色白山三社神像とは? わかりやすく解説

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絹本著色白山三社神像

主名称: 絹本著色白山三社神像
指定番号 1998
枝番 0
指定年月日 2002.06.26(平成14.06.26)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 5411
時代区分 江戸
年代
検索年代
解説文: 江戸時代作品

絹本著色白山三社神像

主名称: 絹本著色白山三社神像
指定番号 1996
枝番 1
指定年月日 2003.05.29(平成15.05.29)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 1幅
時代区分 鎌倉
年代
検索年代
解説文:  本図三神描き中央女神の上十一面観音向かって右男神の上大日如来、左の女神の上千手観音種子【しゅじ】によりその本地仏【ほんじぶつ】を表すもので、現存する白山関係の絵画としては最も古い作例考えられる白山周辺中心に残るいわゆる白山曼荼羅図多くが、白山および白山七社中心とする諸社垂迹神すいじゃくしん】や本地仏泰澄たいちょう】および二行者らを描いたのであるのに対し本図その構成上も他に類例のないものである
 本図三神いずれの祭神描いたのであるかを直接明らかにする史料知られていないが、『白山之記』に記される白山七社祭神形態本地仏記述から、本図三神は、中央女神白山本宮向かって右男神が金釼宮【きんけんぐう】、左の女神三宮さんのみや】の祭神描いたものと考えられる。金釼宮の本地仏は『白山之記においては大日如来ではなく倶利伽羅くりから明王であるが、白山比咩【しらやまひめ】神社文書中の「白山七社御出現次第においては、「金釼宮 本不動となっており、大日如来不動明王倶利伽羅明王との深い関係から必ずしも大きく矛盾するものではない。
 白山七社のうち、この三社祭神のみから本図構成される理由は明らかではなく、この三社特別な関係明らかに示す史料今のところない。しかし、『白山之記』に記されるように、この三社少なくとも加賀馬場系では七社序列最初三社であり、また金釼宮、三宮白山六所王子第一第二であること(「白山七社御出現次第」)、この三社地理的に最も近い関係にあることなどから何らかの関係をもっていた可能性推測される白山比咩神社十一面観音像摺仏文明五年(一四七三)の施入銘には「奉施入」の字のあとに、梵字で、十一面観音、その右下不動明王左下千手観音表されること、また白山比咩神社文書中の応永三十四年(一四二七)の文書に、三所権現の前で十一面、不動千手の呪【しゅ】をそれぞれ一千遍誦えたことなどが記されていることなど、本宮はじめとするこの三社中心とした信仰形態があった可能性強く示唆していよう。このように活発な信仰活動が行われながら遺品史料乏し中世白山信仰考えるうえでも、本図貴重な手がかりとなると考えられる
 絵は安定した描線丁寧な彩色によって描かれ数多く見られる文様描写緻密であり、金泥使い方きわめて抑制的繊細である。その画風からみて、制作期は鎌倉時代末期遡るものと考えられよう。
 白山奈良時代泰澄によって開かれた伝えられ中世において加賀越前美濃拠点として盛んな信仰活動展開されたことが知られるが、本格的な絵画遺品に関しては現在、本図除いて室町時代後期遡るものはほとんど残っていない。そのなかにあって本図は、類例のないその構成独自性含めてきわめて貴重な遺例である。



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