絶滅の危機と保護活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 07:55 UTC 版)
これほど多数の種が個体数を減らしているのにはいくつもの理由があるが、第一の原因は居住地の喪失、狩猟そしていくつかの種においては野鳥の売買である。インコはいくつもの理由のために虐げられている。ある地域では彼らは食料として、羽根のために、そして農業的な害鳥として狩られる(あるいは狩られてきた)こともあるだろう。アルゼンチン政府がオキナインコに農業的害鳥として賞金をかけた時には、結果として何千羽もの鳥が殺されたが明らかにこのことは全体の生息数にはたいした影響を及ぼさなかった 。ペット売買を目的とした捕獲は多くの希少な種や、繁殖の遅い種にとって脅威となっている。居住地の喪失や退廃は、そのほとんどが農業のために引き起こされるが、数多くのインコの種に対する脅威となっている。インコは木の洞に巣をかけるため営巣地の喪失と、これらの場所に移入された種との競争に対してきわめて脆弱である。ことに老木の喪失は地域によって(特にオーストラリアのように営巣に好適な樹木が、樹齢数百年にもおよぶことがあるところでは)大きな問題となっている。 多くの種類のインコが島嶼のみに生息しており、そして哺乳類の捕食者に対抗していくために必要な適切な対捕食者行動を欠いているために、ネズミやネコといった移入種に対して脆弱である。このような捕食者たちをコントロールすることが、絶滅危惧種の個体数を維持したり、また増加させる助けになりうる 。限定された居住地に生息する個体数の少ない孤立した種は、ハリケーンや噴火といった物理的な脅威に対してもまた脆弱である。 野生インコの個体数の保存を目的とした活動的な環境保護団体がたくさん存在している。これらのグループの多くはインコに深い関心をよせるペットの飼い主たちによって支えられている傾向がある。最も大きなグループの一つに、国際的な組織であるワールド・パロット・トラスト The World Parrot Trust がある。このグループは、雑誌Psittascene を発行し、寄付とメンバーシップを通して資金を集めるのと同時に、有益なプロジェクトに援助を与えている。彼らは22カ国で保護活動を援助していると述べている。もっと小さなスケールでは、地元のバードクラブ(鳥の愛好者や飼い主の団体)が保護活動に寄付するための寄金を募ることもあるだろう。動物園や野生生物保護センターでは普段、野生動物の個体数にダメージを与えるような習慣を変えるための公教育を提供している。 最近多くの動物園で採用されている人気のアトラクションが、ローリーやロリキート(ヒインコ)への給餌ステーションである。ここで入場者は小型のインコにカップに入った液体の飼料を食べさせる。通常これは教育的な掲示と講義に関連して行われる。
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