箱館奉行所文書とは? わかりやすく解説

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箱館奉行所文書

主名称: 箱館奉行所文書
指定番号 129
枝番 0
指定年月日 2004.06.08(平成16.06.08)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書
員数 167
時代区分 江戸
年代
検索年代
解説文: 箱館奉行所は安政元年一八五四三月締結され神奈川条約日米和親条約第二条基づいて同年六月設置された。遠国奉行一つ下田奉行次席である。明治元年一八六八四月箱館裁判所設置に伴い廃止された。
 箱館奉行所は奉行二名(うち一名江戸在勤安政三年以降三名)、支配向きには組頭組頭勤方、調役、調役並などがあり、ほかに御雇(医師通詞)などがおかれた。調役以下は蝦夷地北蝦夷地樺太)の各勤番所詰となるほか、箱館詰は各掛に配属された。本文書に関わる組織の概要は、以下のとおりである。
 一、箱館
 運上会所、築立地御普請掛・居留地立掛・英館御普請掛・亜館御普請掛、町方掛・市中取締掛、地方掛、沖ノ口掛、産物掛など
 二、蝦夷地
 ヲタスツ(遠当守都)御用所モンベツ紋別御用所……〈西蝦夷地シャナ御用所……〈エトロフ島
 三、北蝦夷地
 シラヌシ(白主)御用所、トンナイチャ(東富内富内御用所、ウショロ(城)御用所
 箱館奉行所文書とは箱館奉行所および上記御用所作成受理され一群文書をいう。五稜郭箱館奉行所は明治二年の箱館戦争焼失、このとき奉行所府庫にあった文書類は灰燼に帰した北海道立文書館保管の箱館奉行所文書は、蝦夷地北蝦夷地の各御用所残されていた文書群であり、維新後一括され、開拓使札幌県函館県北海道庁引き継がれ、のち北海道庁第一文庫等経て北海道所蔵道立文書館保管するところとなった
 これらの中には箱館における諸外国との交渉関わる文書類があり(英語、仏語などの原資料を含む)、箱館という地域においての欧米列強との関わり方をみる資料として興味深い町方地方関わるものでは沽券地拝借地など土地に関する資料残されている。
 北海道アイヌに関してオホーツク岸の紋別御用所文書が特に注目される。ここでは江戸幕府積極的に行った改俗策やオムシャ日本人アイヌ人びとに対して行った撫育儀礼)の実態など対アイヌ政策を知ることができる。エトロフ島北海道アイヌ文化伝承される最北地である。この島のシャナなどにおけるアイヌ撫育政策一斑さらにはアイヌ人別帳などエトロフ・アイヌ研究貴重な資料みられる。また北蝦夷樺太)のウショロ御用所文書中の山靼交易資料、シラヌシなどでのアイヌほかの異民族政策関わる文書人別書上など樺太アイヌ研究上も貴重なものなどがあり、北蝦夷におけるロシア人を含む異民族交渉あり方を知る資料としても興味深いものがある。
 箱館奉行所文書は、北辺における幕末外交史史料としてまた、アイヌ研究のうえでも貴重な資料群である。



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