筑波大学による継承
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 03:14 UTC 版)
「筑波山神社・筑波大学計算科学研究センター共同気象観測所」の記事における「筑波大学による継承」の解説
筑波大学では、筑波山山頂で取られてきた100年を超す気象観測データを貴重と捉え、少し地点が変わっただけで気象が異なることや、地表より気象の差異が小さい高層でも約25km離れた高層気象台(つくば市長峰、通称:館野)のデータだけでは代替できないこと、関東平野唯一の定点山岳観測拠点であったことを重く見て、大学が観測を継承することを検討した。そして2005年(平成17年)12月、筑波大学生命環境科学研究科地球環境科学専攻大気科学/水文科学研究グループは学内のプロジェクトとして「筑波山における気象・水文環境の多要素モニタリングによる大気・水循環の解明」を立ち上げ、翌2006年(平成18年)1月より「筑波山地域気象観測所」の施設を継承し、自動観測を開始した。1月下旬に行った記者会見では、新聞社8社、テレビ局2社、ラジオ局1社を初め多くのマスメディアが集まり、天気予報に関わる人々からの問い合わせも相次ぎ、高い注目を浴びた。また同年2月には現地説明会を開き、3月からはインターネット上でリアルタイムの観測データ提供とカメラによる画像公開を開始した。データ提供にあたっては、気象予報士から意見を募り、公開方法の工夫が行われた。筑波山プロジェクトの公式ウェブサイトは2006年8月に開設された。 2008年(平成20年)の日本気象学会では、気象観測ステーションに設置されたプロペラ型風向風速計と超音波型風向風速計での観測値を利用した発表がなされた。同発表では、プロペラ型の測器では超音波型の測器には見られない平均風向のばらつきが現れたこと、現在の測器の高度では山体の影響を受けない自由大気の測定が難しい風向があることが報告された。 2012年4月からは、筑波山プロジェクトは計算科学研究センターの事業の一つとして引き継がれ、関東平野での降雪予測、筑波山に関連した大気現象の解明、長期的な気温変化に対する地球温暖化と都市化の影響調査などを行っている。 2016年(平成28年)3月、筑波大学は観測機器の更新を行った。機器更新作業にはウェザーニューズや国立環境研究所からの荷揚げ支援を受けた。4月21日から、筑波山神社と筑波大学計算科学研究センターの共同気象観測所としてリニューアルし、「筑波山神社・筑波大学計算科学研究センター共同気象観測所」に改称した。これまでは筑波山神社が山頂のライブカメラ映像の提供、筑波大学が気象観測データの提供を別個に行っていたが、この連携により一般人への情報提供を強化し、つくば駅前などにモニターを設置して気象情報を提供することを検討している。
※この「筑波大学による継承」の解説は、「筑波山神社・筑波大学計算科学研究センター共同気象観測所」の解説の一部です。
「筑波大学による継承」を含む「筑波山神社・筑波大学計算科学研究センター共同気象観測所」の記事については、「筑波山神社・筑波大学計算科学研究センター共同気象観測所」の概要を参照ください。
- 筑波大学による継承のページへのリンク