第7番 嬰ハ短調 作品74とは? わかりやすく解説

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第7番 嬰ハ短調 作品74

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/04 16:25 UTC 版)

夜想曲 (フォーレ)」の記事における「第7番 嬰ハ短調 作品74」の解説

1898年8月作曲1899年アメル社から出版初演1901年3月20日国民音楽協会演奏会アルフレッド・コルトー独奏よる。アディーラ・マディソン夫人献呈された。 夜想曲第7番は、第6番4年後に書かれた。この両曲は、19世紀末数年間を通じてフォーレ創作著し転換期にあったことを示している。その特徴は、過剰な美しさ魅力的な響き放棄とともに凝縮され表現追求にある。この傾向は、この曲以前書かれた『ペレアスとメリザンド』の「前奏曲」や「モルト・アダージョ」にもすでに現れていた。このようにしてフォーレ音楽語法大きく変革し、やがて来るべき第三期様式へと移り変わってゆくことになる。 第7番では、18/8拍子採用されている。フォーレしなやかな3拍子系のリズム好み3拍子系のリズム組み合わせた6/8拍子9/8拍子などの複合拍子彼の作品によく見られるが、その中でもこれは異例のもの。曲は3つの主題からなり第1主題シンコペーション悲痛な伴奏乗って現れる謹厳簡素なコラールである。第2主題属七の和音第三転回形転調し、高音部で爆発するような怒り調子を示す。中間部嬰ヘ長調清澄な雰囲気で、それまでの暗い、動揺表した部分とは対照的な性格を示す。ここでは夜想曲第2番第4番同様、フォーレ子供のころに耳にした鐘の音思い出表されている。コーダでは主調嬰ハ」の異名同音である変ニ長調をとることから、ジャンケレヴィッチは夜想曲第6番とのつながり指摘している。 この曲と1895年作曲された『主題と変奏』(作品73)とは、調性が同じ嬰ハ短調であることや、荘厳な曲風、男性的な重々しさなどの点で重なりクロマティック対位法的な書法の面でもよく似ているまた、不協和音積極的に用いながら力強さ革新性打ち出している点で、夜想曲第7番1894年舟歌第5番とも近く、そのコントラスト表現力によって、1900年書かれることになる大作悲歌劇『プロメテ』に直結する作品考えられる。 なお、作品献呈されたアディーラ・マディソンは、イギリス楽譜出版メツラー社主フレデリック・マディソンの夫人である。フォーレマディソン夫妻会ったのはおそらく1894年で、1896年1月15日付でフォーレメツラー社と契約を結び、イギリスとその植民地及びアメリカにおける自作独占出版権認めた。アディーラは、フォーレ作品作曲者が驚くほど熱愛しフォーレ歌曲について歌詞英訳携わっただけでなく、1898年にはフォーレ近くに住むため、家族離れてパリ移ったフォーレはこの曲の自筆譜をアディーラに贈っている。

※この「第7番 嬰ハ短調 作品74」の解説は、「夜想曲 (フォーレ)」の解説の一部です。
「第7番 嬰ハ短調 作品74」を含む「夜想曲 (フォーレ)」の記事については、「夜想曲 (フォーレ)」の概要を参照ください。

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