第3次量産車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/10 16:47 UTC 版)
第3次量産車S-113編成 クハ711-109 モハ711-109 クハ711-209 モハ711形 (101 - 117) ・クハ711形 (101 - 120・201 - 218) 千歳空港駅(現・南千歳駅)開業ならびに千歳線・室蘭本線室蘭電化用として1980年(昭和55年)に3両編成×17本とクハ車4両の55両が製造されたグループで、以下の設計変更により100・200番台に区分された。車体を難燃化構造とし、客用扉をステンレス製に変更。 側面に電動一斉指令式行先表示器(方向幕)を搭載。これと干渉する該当位置の窓は固定式とされた。 モハ711形は電気機器類が781系電車と同様のPCB不使用構造とされ、主変圧器・主整流器をそれぞれTM13D形・RS39B形に、主制御器を水銀不使用構造のサイリスタを搭載するCS48形に変更。 クハ711形は以下の変更を実施。 当初から前照灯を4灯構成とし、正面上部にホイッスルを搭載。 車体前部雨樋はキハ40系同様ステンレス製外付式に変更した。 車両間引通しを片渡りに変更。小樽方偶数向きがトイレ・洗面所を省略し定員96名(座席70名)へ増加させた100番台、旭川・室蘭方奇数向きをトイレ・洗面所のほか循環式汚物処理装置も当初から装備する200番台に区分した。 中間電動車モハ711形17両に対し、クハ711型は100番台が20両、200番台が18両製造されたが、これは以下の経緯によるものである。空気圧縮機をMH1045A-C2000Cに変更 クハ711-118・218:従来は試作車2両編成増結用として運用されていたモハ711-9を独立させ新たに3両編成を組成させるために製造。 クハ711-119・120:2両編成の試作車を常時3両編成で運用するために製造。クモハ711形の前位に組成された。 単独製造された前述クハ711形4両は試作車ならびに第1次量産車と編成組成することから方向幕を使用できないため、白幕のままサボ受けが付く特異な外観となった。 クハ711モハ711クハ711新製製造所101 101 201 1980.9.2 東急車輛 102 102 202 103 103 203 104 104 204 1980.9.9 105 105 205 106 106 206 107 107 207 1980.8.26 川崎重工 108 108 208 109 109 209 1980.9.16 110 110 210 111 111 211 1980.9.24 112 112 212 113 113 213 1980.9.16 日立製作所 114 114 214 1980.9.24 115 115 215 1980.8.5 116 116 216 1980.7.15 117 117 217 118 218 1980.8.5 119 120 旧塗装復元車 S-110編成(左)S-114編成(右) 2014年時点で車籍を有する残存車はすべて本グループの100・200番台で3両編成14本計42両が札幌運転所に所属した。編成番号は識別記号「S」にモハ711形の車両番号を付加した「S-***」となる。 なお所属車のうち3扉化および冷房改造を施工していない編成が2本在籍するが、そのうちS-110編成は2011年6月に、S-114編成は2012年5月に、「2012年北海道デスティネーションキャンペーン」のプレイベントとして国鉄時代の旧塗装に復元された。 このうちS-110編成の編成番号表示は、現行の助士席窓部のステッカーを撤去し、貫通扉部の列車番号表示器を再設した上で掲出されており、シングルアーム式パンタグラフ搭載であることを除き、当時の外観に限りなく近づける配慮がなされた。
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