突然の店舗閉鎖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 02:26 UTC 版)
2018年の成人の日にあたる1月8日、はれのひは福岡天神店を除く全店舗を閉鎖したうえ、電話の連絡もできず(「現在は営業時間外です」という旨の音声メッセージが流れるのみ)、社長の篠崎洋一郎の所在も掴めない事態になった。ある店舗が入居する商業施設の管理担当者によれば、1月6日までは通常通り営業していたが、1月7日に従業員が出社しなくなったという。 同日の成人式のための着付け会場へ振袖を届けず無断で閉鎖したため、はれのひから購入またはレンタルで成人式での着付けを予約していた客が晴れ着を着られないという事態に発展した。これを受け、警察に200件余りの通報が寄せられた。福岡天神店のみ役員の指示を無視して同日も営業し、派遣会社も無償でスタッフを派遣して成人式での着付けを行った。しかし、翌日にはこの店舗も閉鎖し、事業停止状態となった。 本社と同じビルに入居している別企業の関係者によると、2018年に入ってからはれのひの社員の出入りは一切なかったという。ただし、これが経営破綻(倒産。計画的な倒産を含む)による事業停止であるのか、あるいは自主的な事業停止(自主廃業を含めての)であるのかはこの時点で明らかにされておらず、篠崎は成人式の前から行方が分からなくなっていた。東京商工リサーチが1月9日まで行った調査で、2016年9月期は約3億6000万円の赤字、約3億2000万円の債務超過だったことも明らかとなった。取引先の1社は「2017年から売掛金などの支払いが滞納するようになってきたため、取引縮小に努めていた」とコメントしている。 また、事件の約2か月前にフリマアプリ「メルカリ」および「フリル(現・楽天フリマ)」で振袖を大量に出品する者がおり、これが「はれのひ」の関係者による出品ではないかという疑念もあり、両社は関連を調査している。また、仮に「はれのひ」の関係者でなくても、規約で「法人の出品の禁止」が明文化されているため、両社とも出品を非公開とする措置に踏み切った。一方、はれのひが洗濯や仕立てのために預けていた着物などの一部を京都府の取引業者が保管していたことが、1月22日に明らかとなった。購入品やレンタル品のほか、客の私物など預かり物も含まれ、はれのひが業者に代金を支払っていなかったため、そのまま管理・保管していたという。ただし、2018年の成人式分については同じく未払いだったものの、当日のトラブルを防止するためにはれのひ側に発送したといい、保管していたものは翌年以降の成人式などに使う約70人分のみである。 なお、4つある店舗のうち福岡天神店のみ、前述のとおり1月8日も営業した。また、つくば店についてはつくば市やその周辺自治体で成人式が1日早い1月7日に挙行されたため、「成人式当日に晴れ着を着ることができない」というトラブルは発生しなかったものの、着付けが遅れて成人式に間に合わない人が出た。他店より被害者は少なかったものの、2019年以降に成人式を迎える利用者のうち支払いを済ませていた者らが、報道でトラブルを知って駆けつける様子が見られ、1月11日までに契約金額は1780万円に上ることが判明した。 契約金ベースの被害総額は2億円以上に上っており、警察も解明を進めているが、全容の解明には時間がかかる見通しである。 1月26日にははれのひの代理人を務める弁護士が横浜地方裁判所に破産を申し立て、即日破産手続き開始決定を受けた。負債額は約6億3500万円。
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