砂留
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/11 15:43 UTC 版)
堂々川流域には明治時代以降に作られたものも含めて50基ほどの砂留が確認されている。上流のため池周辺には大原池砂留群・淀ガ池砂留群、堂々川1番砂留の下流側には迫山砂留がある。右写真に流域の主な砂留を示し、下記に国の登録有形文化財に登録されている8基の砂留を右空中写真に合わせ北側から順に示す。 内廣砂留 規模堤高3.8m×堤長21m 構造石壁堰堤形式 石積水通し:乱積乱重積左岸袖が乱積混合 座標北緯34度34分34.2秒東経133度23分30.0秒 築造江戸中期建造と推定 明治以降に嵩上増築 平成に周辺整備 特記堂々川支流の砂留。崩壊と修理を繰り返したため石積が他と比べ複雑になっている。平成の再築の際に多自然型の床固工など周辺含めて砂防整備されている。 鳶ヶ迫砂留 規模堤高11m×堤長39m 構造石塊段積堰堤形式 石積布積 座標北緯34度34分30.0秒東経133度23分24.7秒 築造享保17年(1732年)建造 - 仕手形之事湯野村(潼々谷餘滴)より推定 明治17年(1884年)修築 - 西中條村誌より確定 平成11年(1999年)に周辺整備。 特記鳶ヶ迫池築造の際に造られた、あるいは土砂流出により堤防が決壊したため後から造られた、と言われている。池からの土砂流出により数度にわたり再築、平成の再築の際に周辺整備されている。 堂々川六番砂留 規模堤高13.3m×堤長55.8m 構造石塊段積堰堤形式か、もたれ式石殻擁壁体形式 石積成層布積 座標北緯34度34分20.8秒東経133度23分31.5秒 距離五番砂留から220m 築造安永2年(1773年)建造と推定 - 下御領普請場所箇所付帳(潼々谷餘滴)より推定 天保6年(1835年)着工・建造 - とうとう筋大砂留御普請人足着帳(潼々谷餘滴)より断定 上層部は明治5年(1872年)に嵩上げ増築 最上層部は昭和51年(1976年)に増築 特記4層構造。安永2年の史料に「とうとう奥砂留3ヶ所」の記載があり、これがこの砂留の最下層部にあたると推定されている。日本最大規模の砂留であり地元住民から「大砂留」の愛称で親しまれている。 堂々川五番砂留 規模堤高8.8m×堤長31.4m 構造もたれ式石殻擁壁体形式と推定 石積準成層布積 座標北緯34度34分14.3秒東経133度23分27.3秒 距離四番砂留から180m 築造天保3年(1832年)から天保6年(1835年)建造と推定 - 天保3年とうとう砂留御普請人足着帳、天保6年とうとう筋大砂留御普請人足着帳(潼々谷餘滴)より推定 上層部は昭和期に嵩上げ改築 特記形状・石積方法から3番砂留の次に作らえたと考えられ、構造も3番と同じものと推定されている。西側の道路工事に伴い、右岸側の一部が取り壊されている。 堂々川四番砂留 規模堤高3.3m×堤長31.5m 構造石壁堰堤形式 石積左岸袖と水通しが谷積右岸袖が成層布積で一部乱積 座標北緯34度34分8.9秒東経133度23分29.5秒 距離三番砂留から130m 築造江戸後期建造と推定 - 記録がないため推定 明治以降に改築 特記谷積の水叩きが設けられている。右岸側に長老塚池があったが1945年枕崎台風により決壊し埋まった。 堂々川三番砂留 規模堤高5.46m×堤長36.2m 構造もたれ式石殻擁壁体形式 石積成層布積 座標北緯34度34分5.0秒東経133度23分31.5秒 距離二番砂留から60m 築造天保3年(1832年)着工 - とうとう砂留御普請人足着帳(潼々谷餘滴)より断定 明治期に上層部を嵩上げ増築 特記1996年の発掘調査でもたれ式石殻擁壁体形式の詳細が判明した。 堂々川二番砂留 規模堤高3.9m×堤長25.8m 構造石壁堰堤形式 石積右岸袖が乱層乱重ね積左岸袖と水通しが谷積 座標北緯34度34分2.9秒東経133度23分31.4秒 距離一番砂留から180m 築造江戸後期建造と推定 - 記録がないため推定 左岸袖と水通しは明治以降改築 水通しは大正元年から大正4年の間に増改築 特記谷積の水叩きが設けられている 堂々川一番砂留 規模堤高3.2m×堤長9.6m 構造石塊段積堰堤形式 石積成層布積 座標北緯34度33分57.8秒東経133度23分30.1秒 距離-- 築造安永2年(1773年)より前に建造 - 下御領普請場所箇所付帳(潼々谷餘滴)より推定 明治期に増改築 特記最も下流側にあり、流域で一番最初に造られた砂留と考えられている。元々は堤長10間7尺(約20.3m)。現在のものは明治以降に増改築した左岸側袖部のみが残っており、砂防堰堤としては機能しておらず、迫山砂留がその代わりを務めている。
※この「砂留」の解説は、「堂々川砂留群」の解説の一部です。
「砂留」を含む「堂々川砂留群」の記事については、「堂々川砂留群」の概要を参照ください。
「砂留」の例文・使い方・用例・文例
砂留と同じ種類の言葉
- >> 「砂留」を含む用語の索引
- 砂留のページへのリンク