石橋政権における三木と岸の後継選出とは? わかりやすく解説

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石橋政権における三木と岸の後継選出

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:48 UTC 版)

三木武夫」の記事における「石橋政権における三木と岸の後継選出」の解説

総裁選での石橋の勝利大きく貢献した三木は、党の要である幹事長に就任した首相となった石橋対米自主軽武装唱え、更に福祉国家建設目指し1000億円減税1000億円施策という積極経済政策をぶち上げた。しかしわずかな差で総裁選勝利した石橋党内基盤脆弱であった。自らの政策実行のため、石橋三木とともに早期解散総選挙通じた政権基盤強化目指す三木自民党幹事長として野党社会党対峙することになった三木当時自民党社会党との政策の差があまりにも大きいことを憂慮していた。万一政権交代という事態が訪れたときに、大混乱発生することを憂慮しのである三木持論社会党自民党はともに歩み寄る必要があるというものであった社会党はまず階級政党放棄して国民政党となるべきであると主張した例え三木社会主義唱える富の再分配主張する政策について、「統制主義となって官僚主義呼び込み権力主義陥る」ことになると厳しく批判した三木唱える主要政策は、福祉国家建設新しい保守党の道であると主張し基本的自由保障しながら福祉国家建設進めていくべきであり、自由主義国家との連携主軸として世界平和貢献していくといったものであった。そのためには自民党派閥解消し政治資金透明化など運営形態合理化進め国民から信頼される近代政党脱皮する必要性があるとした。こうして石橋政権自民党幹事長に就任したことによって、三木終生ライフワークとなっていく自民党の党近代化第一人者となり、また、野党社会党対峙していく中で、保守政治家としてのアイデンティティー確立させることになった1957年昭和32年)の正月早々早期解散を狙う石橋真冬寒さの中、全国遊説出発した。しかし真冬遊説72歳石橋の体を蝕み、一月末には肺炎となり、岸外相首相臨時代理任命された。石橋療養つとめたが、病状好転見せなかった。石橋の職務復帰が困難という情勢になり、2月23日石田博英官房長官通じて政治的良心従い辞任する」旨のメッセージ(『石橋書簡』と呼ばれる)を発表し石橋内閣総辞職した三木はこの書簡原案作成し石橋石田チェック受けた三木石橋の病状から退陣不可避であると判断した時点で、石井池田らの党内実力者回り、岸を後継者とする方向での調整開始していた。石橋の側近議員抵抗見せたものの党内大勢は岸の後継固まり、岸が後継総裁選出され1957年昭和32年2月25日には第1次岸内閣発足した三木石橋総裁時に引き続き幹事長に留任し同年7月10日には幹事長から政調会長横滑りした石橋政権短命に終わったことは、三木にとって大きな痛手であった石橋政権下で長く幹事長務め続けていけば、三木政治力を更に高めて石橋の後継候補となる可能性もあったためである。しかし石橋政権で党の要である幹事長に就任したことは、三木首相地位目指す有力政治家として認知されることに繋がりその後派閥の長として自民党内で無視できない勢力保持し続けることになる。また石橋政権以降三木派閥廃止政治資金透明化など、自民党近代化終生ライフワークとして訴え続けていくことになる。そして三木石橋の親密な関係は石橋の首相退陣後続いていた。1968年昭和43年)の三木自民党総裁選立候補時、石橋三木のことを自らの後継者指名し、自らが果しえなかった政治課題三木の手解決して欲しいとして三木支援呼び掛けた最後に石橋退陣時、三木が岸副総理後継として調整図り自民党内を取りまとめていったことは後に思いもかけぬ副産物を呼ぶことになる。椎名裁定時、岸は三木指名反対しなかったのである。これは石橋退陣時、三木が岸後継自民党をまとめたことに対しての岸の配慮があったものと考えられている。

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