眼球運動の分類とは? わかりやすく解説

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眼球運動の分類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/10 15:30 UTC 版)

眼球運動障害」の記事における「眼球運動の分類」の解説

1903年Dodge眼球運動5つ分類したその分類では衝動性眼球運動(saccadic eye movementSEMサッケード)、追従眼球運動Pursuit eye movementPEM、パスート)、前庭動眼反射(Vestibulo-ocular reflexVOR)、視運動眼振(Optokinetic nystagmusOKN)、バージェンス(Verfence、または輻湊、開散)であり、後に固視(Fixation)が加わった随意的な眼球運動関与する大脳領域前頭葉前頭眼野、補足眼野、頭頂葉頭頂眼野などである。中枢からの刺激様々な経路脳幹網様体眼球運動発生器に達する。そして小脳前庭からの調節が加わる。 衝動性眼球運動(saccadic eye movementSEMサッケード) 衝律性眼球運動SEM)は周辺視にみえる対象中心窩捉える時におこる随意的な速度早い動性眼球運動である。衝動性眼球運動SEM)には主に2つ機能がある。1つは、ある眼球位置から別の位置できるだけ速く移動させることである。もう1つ移動した新たな眼球位置維持し続けることである。Robinson仮説(パルス・ステップ支配)では前者パルスといい、後者ステップという。ステップ信号神経積分器によるパルス積分からなるステップ信号がないと眼球サッケードはおこすが、サッケードの後に位置保持できず正中位に後戻りしてしまう。 平方向のパルスにある傍正中網様体(paramedian pontine reticular formation、PPRF)で作られ、垂直方向のパルス中脳にある内側縦束吻側間質(rostral interstitial nucleus of medial longitudinal fasciculus、riMLF)で作られる平方向のステップ前庭神経内側(MVN)と舌下神経前位でPPRFのパルス積分することで作られる。垂直方向のステップカハール間質interstitial nucleus of CajalINC)でパルス積分することで作られる。riMLFとINC外眼筋眼球運動神経核運動ニューロン投射上向きサッケード下向きサッケード異なることに注意が必要である。また共同運動を行うための左右連絡平方向では内側縦束medial longitudinal fasciculus、MLF)であり、垂直方向では後交連posterior commissure、PC)である。 追従眼球運動Pursuit eye movementPEM、パスート) 追従眼球運動PEM)は随意的に選択した移動する1つ指標中心窩捉え続け時におこるなめらかな眼球運動である。追従眼球運動ゆっくりと動く指標を追視するという極めて特殊な条件下でしかみられず、日常的な眼球運動のほとんどは衝動性眼球運動である。 前庭動眼反射(Vestibulo-ocular reflexVOR前庭動眼反射VOR)は頭部空間に対して動いた場合頭部動き反対方向生じ空間対す眼球向き一定に保つ役割がある。最短信号経路三半規管につながる前庭神経細胞中継前庭神経)の神経細胞外眼筋運動神経細胞からなり3ニューロン弓と呼ばれる中継以降ではより多くシナプス解する複数経路並列して機能している。前庭動眼反射人形の目現象と言われ注視障害上性、下性鑑別によく用いられる眼球反射ともいう)。 視運動眼振(Optokinetic nystagmusOKN視覚的外界全体動きoptic view)により誘発される眼が外界追いかける運動視運動反射(optokinetic reflex)という。この運動連続する場合視運動眼振という。自動車列車から景色眺めている時におこる眼振である。緩徐相は外界動きと同じ方向であり、急速相が逆方向視線リセットさせる補助的な運動である。急速相は律動性眼球運動である。 バージェンス(Vergence、または輻湊、開散) 垂直、平方向に移動する対象両眼視するためには両眼がおなじ動きをする共同性眼球運動が必要である。前後方向奥行き)に移動する対象両眼視する場合両眼眼球運動逆向き生じる非共同性眼球運動を行わなければ両眼中心窩で同じ対象をとらえることはできない近接対す両眼内転運動輻湊といい、逆に近接した対象から離れた時の外転運動は開散という。これらの運動両眼離反運動即ちバージェンスという。なお輻湊の際に、縮瞳が起こることを調節という。バージェンスでは上性の信号がPPRFや外転神経神経MLFをとおる)を介さず上丘吻合部から中脳網様体動眼神経背側正中にあるとされる輻湊・開散中枢を介して投射される。すなわち神経麻痺では共同運動としての内転障害される輻湊としての内転障害されない。 固視(Fixation静止した視覚像を中心窩捉え続ける時、眼球固視微動flickdrift、microtremor)によって微細ながら動いている。これは順応を防ぐ意味がある考えられている。また側方注視での個室眼球位置保持機構、すなわち神経積分器働いていると考えられている。

※この「眼球運動の分類」の解説は、「眼球運動障害」の解説の一部です。
「眼球運動の分類」を含む「眼球運動障害」の記事については、「眼球運動障害」の概要を参照ください。

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