眠れる森の美女 (1959年の映画)
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眠れる森の美女 | |
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Sleeping Beauty | |
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監督 | クライド・ジェロニミ(指揮) ウォルフガング・ライザーマン(演出) エリック・ラーソン(演出) レス・クラーク(演出) |
脚本 | アードマン・ペナー ジョー・リナルディ ウィンストン・ヒブラー ビル・ピート テッド・シアーズ ラルフ・ライト ミルト・バンタ |
原作 | シャルル・ペロー |
製作 | ウォルト・ディズニー ロイ・O・ディズニー |
ナレーター | マービン・ミラー |
出演者 | 下記参照 |
音楽 | ピョートル・チャイコフスキー ジョージ・ブランズ(編曲) |
主題歌 | 「いつか夢で」 |
撮影 | ボブ・ブロートン |
編集 | ロイ・M・ブルワー・ジュニア ドナルド・ハリデイ |
製作会社 | ウォルト・ディズニー・プロダクション |
配給 | ![]() ![]() |
公開 | ![]() ![]() |
上映時間 | 76分 |
製作国 | ![]() |
言語 | 英語 |
製作費 | $6,000,000[1] |
興行収入 | ![]() |
配給収入 | ![]() |
前作 | わんわん物語 |
次作 | 101匹わんちゃん |
『眠れる森の美女』(ねむれるもりのびじょ、Sleeping Beauty)は、1959年のアメリカ合衆国のファンタジー映画。シャルル・ペローの童話「眠れる森の美女」を基にウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが製作した長編アニメーション映画である。
約6年の歳月と600万ドルの費用をかけ、当時のディズニーの長編アニメーション映画の中で最も製作費がかかった作品となった。当作品の特徴であるタペストリーのような美術スタイルは、アイヴァンド・アールが考案。音楽はチャイコフスキーによる1889年のバレエ版のものを使用している。また、映像規格面ではスーパーテクニラマ70・ワイドスクリーン方式を採用した初のアニメーション映画となった。
初公開時は批評家から賛否両論の評価を受けたほか、興行的には失敗に終わり配給会社は90万ドルの損失を出したため、スタジオの多くの従業員が解雇されることとなった。だが、再公開によって成功を収めており、ディズニー作品の中で芸術的に高く評価されている作品の1つとなった。第32回アカデミー賞では作曲賞(ミュージカル部門)にノミネートされた。
2019年には「文化的・歴史的・芸術的にきわめて高い価値を持つ」とみなされ、アメリカ国立フィルム登録簿に登録された[4]。
ストーリー
ヨーロッパのある国に待望の王女が誕生し、「夜明けの光」という意味をもつオーロラと名付けられた。国中の人々がお祝いに訪れる中、生まれたばかりのオーロラに3人の妖精から贈り物が与えられる。1人目の妖精・フローラからは美しさが、2人目の妖精・フォーナからは歌の才能が贈られた。ところが、その場に現れた魔女・マレフィセントが呼ばれなかった腹いせに「16歳の誕生日の日没までに糸車で指を刺して死ぬ」という呪いをかけてしまう。まだ贈り物をしていなかった3人目の妖精・メリーウェザーは、強大なマレフィセントになんとか対抗するため、オーロラに贈り物の代わりに「死ぬのではなく眠るだけで、運命の相手からのキスにより目覚める」という魔法をかけた。
オーロラの父であるステファン王は呪いが実現しないよう国中の糸車を焼却したが、3人の妖精はマレフィセントに気づかれないように自ら魔法を使うことを禁じ、人と同じように暮らしながらオーロラを匿い育てることを決め、彼女にブライア・ローズという仮名を付けて森の奥の家に移り住む。
15年が過ぎ、ローズは16歳の誕生日の日没後に妖精たちの庇護を離れて城に戻ることになっていた。3人の妖精は内緒で誕生日パーティの準備をするため、いちごをつんで来てほしいと言って外出させる。訝しがりながらも外に出た彼女は、たまたま近くを通りかかったフィリップと出会い、お互い相手が誰か気づかないまま恋に落ち、夜に再会する約束を交わして別れる。その夜、妖精たちからオーロラという自分の本当の名前と王女である事、そして既に隣国の王子と結婚が決まっているという事実を聞かされ、先刻恋に落ちた青年には二度と逢えないと知ると、悲しみとショックのあまり泣き崩れてしまう。そこに居場所を突き止めたマレフィセントがつけ込み、城に戻ったオーロラへの呪いが実現して眠りに落ちてしまう。城ではお祝いの準備が進められていたが、3人の妖精はオーロラが戻らないことを知って悲しまないよう、城にいる人々に魔法をかけて眠りにつかせた。
その頃オーロラとの約束に従って妖精達の家を訪ねたフィリップだが、そこには呪いを解かれることを危惧したマレフィセントとその手下たちが待ち伏せしていた。フィリップは襲ってくる手下たちを振り払おうとするが、あまりの数の多さに手も出ず、ロープで縛られ白い手拭いを口に巻かれ声を出せなくされてしまう。拉致されたフィリップは魔の城の地下牢に閉じ込められてしまう。ヒューバート王の寝言から呪いを解く運命の相手がフィリップだと知った3人の妖精は大急ぎで魔の城に向かい、オーロラを救うために「真実の剣」と「美徳の盾」を授ける。王子が魔の城を抜け出してオーロラの元へ向かった事を知ったマレフィセントは、行く手を阻むために城の周りにイバラを巡らせ、自らもドラゴンの姿になって妨害に行くが妖精の加護を受けたフィリップによって倒される。
フィリップは同意を求め、キスをしオーロラにかかっていた魔法が解け、二人は結婚して幸せに暮らした。
キャラクター
- オーロラ姫/ブライア・ローズ(Princess Aurora/Briar Rose)
- 本作のヒロイン。ディズニープリンセスの一人。
-
→詳細は「オーロラ (ディズニー)」を参照
- ステファン王(King Stefan)
- 舞台となる国の国王でオーロラの父。ほっそりとした体型に黒髪に黒い口髭を生やしている。作中での言動を見るにかなりの心配症の様である。
- リア王妃(Queen Leah)
- ステファン王の妃でオーロラの母。容姿がオーロラにそっくり。新訳版以降はただ「王妃さま」と書かれているだけになっている。
- フローラ(Flora)
- 三人の妖精の一人。リーダー格。オーロラ姫の隠蔽を提案した。赤い服が特徴でピンク色が好き。メリーウェザーとはよく喧嘩をする。オーロラの誕生に際しては「美しさ」を贈った。
- フォーナ(Fauna)
- 三人の妖精の一人。おっとりした性格で涙脆い。緑の服が特徴。フローラとメリーウェザーの仲裁によく入っている。料理好きだが腕前はかなり下手。オーロラに「美しい歌声」を贈った。
- メリーウェザー(Merryweather)
- 三人の妖精の一人。ぽっちゃりした体型で、他の2人がグレーの髪なのに対して1人だけ黒髪。何かと不平不満が多く、フローラとはよく喧嘩をしている。マレフィセントの呪いを修正した[注釈 1]。青色を好み、自分も青い服を着ている。怒ると腰を振る癖がある。
- マレフィセント(Maleficent)
- 本作のディズニーヴィランズ。黒くねじれた2本のツノと、炎のような黒い服を着た魔女。
-
→詳細は「マレフィセント」を参照
- フィリップ王子(Prince Phillip)
- 隣国の王子。オーロラ姫の許婚。幼い頃は金髪だったが、成長後は茶髪になっている。幼少時に父ヒューバート王と共にオーロラ姫の誕生祝いに訪れたことがある。成人後に森で暮らしていたブライア・ローズ(オーロラ)と出逢いお互いが婚約者同士とは知らずに恋に落ちる。後に呪いの為に倒れた姫を救うべく魔女との戦いに向かう。
- ヒューバート王(King Hubert)
- 隣国の国王でフィリップの父。白髪に白い口髭を生やした恰幅の良い体型をしている。作中ではステファン王とは「古くからの友人」と紹介されている。性格はかなり陽気だが少々気が短い様子。
- サムソン
- フィリップ王子の愛馬。黒いたてがみの白馬。賢くはあるが主人のフィリップを勢い余って木に引っかけて投げ飛ばしてしまうなど調子に乗りやすい所がある。
- ディアブロ
- マレフィセントのペットで黄色いくちばしの大きなカラス。オーロラの隠れ家を真っ先に探し当てたり、妖精の存在にいち早く気がつくなどかなり賢い。フィリップが逃げた事をマレフィセントに知らせようとした際、気配を察したメリーウェザーから逃げ回った末に石像に変えられた。
- グーン
- マレフィセントの手下。それぞれ鎧を着て、イノシシ、鷹、アリゲーター、ヤギ、コウモリ、ハゲワシ等に似た姿をしている。たくさんの数がいるが、オーロラを赤ん坊のままだと思い、揺りかごばかりを探し回るなど全員恐ろしいくらいに頭が悪く、マレフィセント自身も頭を抱えている。
声の出演
役名 | 原語版声優 | 日本語吹き替え | |
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1960年版 | 1995年版 (現行版) |
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オーロラ姫 (ブライア・ローズ) |
メアリー・コスタ | 高田敏江 歌:牧三都子 |
すずきまゆみ |
フィリップ王子 | ビル・シャーレイ | 宮本昭太 歌:砂川稔 |
古澤徹 歌:立花敏弘 |
マレフィセント | エレノア・オードリー | 北林谷栄 | 沢田敏子 |
フローラ | ヴェルナ・フェルトン | 長岡輝子 | 麻生美代子 |
フォーナ | バーバラ・ジョー・アレン | 長倉茂子 | 京田尚子 |
メリーウェザー | バーバラ・ルディ | 堀越節子 | 野沢雅子 |
ヒューバート王 | ビル・トンプソン | 中村哲 | 富田耕生 |
ステファン王 | テイラー・ホームズ | 栗本正 | 徳川龍峰 |
リア王妃 | 不明[注釈 2] | 松田トシ | |
グーン | キャンディ・キャンディード | 大平透 | 郷里大輔 |
ピント・コルヴィック | |||
ビル・アムズベリー | |||
ディアブロ | ダラス・マッケノン | 原語版流用 | |
フクロウ | |||
ナレーター | マービン・ミラー | 佐々木勝彦 |
- 1960年版:1989年に発売されたソフト(VHS・LD)にのみ収録[注釈 3]。1995年版製作後は非公開となっている。
- 1995年版:同年以降に発売されたソフト(VHS・DVD・BDなど)に収録。Disney+等の配信にも使用。
スタッフ
製作 | ウォルト・ディズニー、ロイ・O・ディズニー | |
原作 | シャルル・ペロー | |
脚本 | アードマン・ペナー、ジョー・リナルディ、ウィンストン・ヒブラー、ビル・ピート、テッド・シアーズ、ラルフ・ライト、ミルト・バンタ | |
音楽 | ピョートル・チャイコフスキー バレエ組曲「眠れる森の美女」より |
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編曲 | ジョージ・ブランズ | |
作画監督 | オーロラ姫 マレフィセント |
マーク・デイヴィス |
フィリップ王子 | ミルト・カール | |
フローラ フォーナ メリーウェザー |
フランク・トーマス、オリー・ジョンストン | |
ヒューバート王 ステファン王 グーン |
ジョン・ラウンズベリー | |
レイアウト | マクラーレン・スチュワート、ドン・グリフィス、バジル・デヴィドヴィチ、ジョー・ヘイル、ジャック・ヒューバー、トム・コドリック、アーニー・ノードリ、ヴィクター・ハブーシュ、ホーマー・ジョナス、レイ・アラゴン | |
原画 | ハル・キング、ブレイン・ギブソン、ケン・ハルトグレン、ジョージ・ニコラス、ヘンリー・タナウス、ハル・アンブロ、ジョン・シブリー、ハーヴィー・トゥームズ、ボブ・ヤングクイスト、ジョン・ケネディ ドン・ラスク、ボブ・カールソン、フレッド・コピエッツ、エリック・クレワース、ケン・オブライエン |
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エフェクト原画 | ダン・マクマナス、ジャック・ボイド、ジョシュア・メダー、ジャック・バックリー | |
動画 | ドン・ブルース、ゲイリー・ムーニー | |
美術監督 | ケン・アンダーソン、ドン・ダグラディ | |
美術設定 | アイヴァンド・アール | |
背景 | フランク・アーミテイジ、アル・デンプスター、ビル・レイン、ディック・アンソニー、リチャード・H・トーマス、セルマ・ウィトマー、ウォルト・ペレゴイ、ラルフ・ヒューレット、フィル・モットーラ、アンソニー・リッツォ | |
色彩協力 | メアリー・ブレア | |
色彩設計 | トム・オレブ | |
特殊効果 | アブ・アイワークス、ユースタス・ライセット | |
撮影 | ボブ・ブロートン | |
音響監修 | C・O・スライフィールド | |
録音 | ロバート・O・クック | |
ミキサー | イヴリン・ケネディ | |
編集 | ロイ・M・ブルワー・ジュニア、ドナルド・ハリデイ | |
製作担当 | ハリー・タイトル | |
演出 | エフェクト担当 | エリック・ラーソン |
オープニング担当 | レス・クラーク | |
アクション担当 | ウォルフガング・ライザーマン | |
アニメーション制作 | ウォルト・ディズニー・プロダクション | |
監督 | クライド・ジェロニミ | |
総監督 | ケン・ピーターソン | |
配給 | ブエナ・ビスタ・ディストリビューション |
日本語版
- 字幕翻訳:佐藤恵子
吹き替え | 1960年版 | 1995年版 (現行版) |
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演出 | 高瀬鎮夫[6] | 木村絵理子 |
音楽演出 | 京田進[6] | 深澤茂行 |
翻訳 | 高瀬鎮夫 | 井場洋子 |
訳詞 | 片桐和子 | |
調整 | 阿部佳代子 | |
録音 | 室克己 | |
整音 | 井上秀司 | |
音楽ミキサー | 久連石良文 | |
録音 | 国際ラジオ・センター[6] | 東京テレビセンター |
制作総指揮 | ジャック・カッティング[6] | |
録音制作 | 東北新社 | |
日本語版制作 | ウォルト・ディズニー・プロダクション | Disney Character Voices International, Inc. |
楽曲
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | オリジナル・アーティスト |
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1. | 「メイン・タイトル/いつか夢で」(Once Upon a Dream) | ジャック・ローレンス | サミー・フェイン | ジョン・レイリグ・コーラス |
2. | 「オーロラ姫おめでとう」(Hail to the Princess Aurora) | トム・アデイア | ジョージ・ブランズ | ジョン・レイリグ・コーラス |
3. | 「美と詩の贈り物」(The Gifts of Happiness and Song) | トム・アデイア | ジョージ・ブランズ | ジョン・レイリグ・コーラス |
4. | 「私は不思議」(I Wonder) | ウィンストン・ヒブラー、テッド・シアーズ | ジョージ・ブランズ | メアリー・コスタ |
5. | 「いつか夢で」(Once Upon a Dream) | ジャック・ローレンス | サミー・フェイン | メアリー・コスタ、ビル・シャーレイ |
6. | 「スカンプス」(Wine) | トム・アデイア、アードマン・ペナー | ジョージ・ブランズ | テイラー・ホームズ、ビル・トンプソン |
7. | 「眠れる森の美女」(Sleeping Beauty) | トム・アデイア | ジョージ・ブランズ | ジョン・レイリグ・コーラス |
日本語吹き替え(1995年版)の訳詞は片桐和子が担当している。
サウンドトラック(日本)
- 『眠れる森の美女 日本語版・オリジナル・サウンドトラック』(日本コロムビア、1988年、ディズニーレコード)30CC-2537 ※1960年版吹き替えの音声をそのまま全て収録している(モノラル)。
- 『眠れる森の美女 オリジナル・モーション・ピクチャー・サウンドトラック』(ポニーキャニオン、1993年6月18日発売)PCCD-00094
- 『シンデレラ/眠れる森の美女 オリジナル・サウンドトラック』(ポニーキャニオン、1995年11月17日発売)PCCD-00139
- 『眠れる森の美女 オリジナル・サウンドトラック デジタル・リマスター盤』(エイベックス・エンタテインメント、2000年1月19日発売)AVCW-12074
- 『眠れる森の美女 オリジナル・サウンドトラック』(ユニバーサル ミュージック、2018年11月14日発売)UWCD-8009
製作
企画
シャルル・ペローによる1697年の童話『眠れる森の美女』をアニメ化しようとウォルト・ディズニーが初めて検討したのは、1938年のことだった[7]。ジョー・グラントによって仮のアートワークが作成されたが、その後プロジェクトは進められなかった[8]。
1950年1月19日、ウォルトは同年公開の映画『シンデレラ』が試写会で好評だったことを受け、『眠れる森の美女』を製作予定の作品としてアメリカ映画協会に登録[8][9]。同年にはロサンゼルス・タイムズの報道で正式に映画の製作を認めた[10]。
ウォルトは『眠れる森の美女』をスタジオの長編アニメーションにおける最高傑作とするため、必要な資源をすべて投入する強い意気込みを持っていた[7][11]。同時に、彼は以前に制作した作品、特に、同じ童話を題材とする『白雪姫』(1937年)や『シンデレラ』と差別化を図ることにも力を入れた[12][13]。
脚本
主なストーリーは、テッド・シアーズ、ウィンストン・ヒブラー、ビル・ピート、ラルフ・ライトが担当した[8][14]。彼らストーリー・アーティストは、姫が奇妙な王子と結婚したという原作の後半部分を破棄し、前半に焦点を当てて登場人物の関係をより説得力のあるものにすることにした[14][15]。
初期のストーリーのアウトラインは1951年4月までに完成し、この時、8人いた妖精も4人(夢の妖精トランクイリティ、森の妖精ファーナデル、元素の妖精メリーウェザー、闇の妖精マレフィセント)となった[16]。このバージョンの物語では「マレフィセントは壊れない糸車を作り出し、王と王妃はそれを取り除こうとするが失敗し、娘を城壁の中に隠して二度と外に出すことができなくなる」「王女は貧しい小さな金持ちの娘として描かれ、王家の血筋を重くのしかかり、城の外の世界を探検することを夢見ている」「16歳の誕生日の少し前に、王女は女中と服を交換し、近くの森に密かに逃げ、そこで王子と出会い恋に落ちる」となっていた[17][18][16]。また、マレフィセントには滑稽なほど無能なハゲタカの相棒がいるというものもあった[16]。
1952年6月、完全な脚本が完成したが、ウォルトは「アプローチが過去の作品と似すぎている」として却下した[11]。これにより、ストーリー・アーティストは「眠る前に王女は王子と知り合う」「睡眠時間を短くする」などいくつかの要素は残しつつも、ゼロからの再出発となった[8][19]。
原作となる童話『眠れる森の美女』は本作で基にしたペローによるものの他に、グリム兄弟によるドイツ語版が存在しており、そちらでの王女の名は「ブライア・ローズ」(いばら姫)となっていた。ウォルトはこれを逆手に取り、本当の名をバレエ版でも使われた「オーロラ姫」、森に隠れている間の名を「ブライア・ローズ」とすることで、両方の名前を取り入れることに成功している。
スタッフたちは妖精たちの役割を広げ、善良な妖精たちを姫の滑稽な守護者に、邪悪な妖精(マレフィセント)をより強力な悪役に変えた[17][18]。物語により深みを与えることを目指し、ウォルトは「ドナルドダックの短編に使う方がいい」と感じた三人の妖精によるギャグシーンをいくつか削除している[8][20]。また、フローラは花や植物、フォーナは動物や鳥、メリーウェザーは気候を司るという設定があったが、ウォルトはこれも「物語の核となる部分に影響を与えない」として削除した[21]。
過去作との差別化
制作上の難航した出来事の一つに、スタジオで三番目のディズニープリンセスとなるオーロラ姫を、白雪姫やシンデレラと区別することがあった[8][23]。これにより、ストーリー・アーティストは、森の小屋で妖精たちがオーロラ姫を育て、オーロラ姫は自分の生い立ちや直面する危機を知らないというアイデアを思いつい[19]た。また、観客にとってより魅力的に見せるため、彼女には新しい、より現代的な性格が与えられた[8]。初期の構想では、オーロラ姫は遭遇したマレフィセントによって指を糸巻き棒に刺すように操られる、という内容だったが、ウォルトは「悪の手中に堕ちた無力な犠牲者という、不気味で忘れられない表現の方が良い」と述べ、マレフィセントが催眠術でオーロラ姫を誘い出す、というシーンに書き直すことを要求した[24][25]。
アニメーターたちのリアルな男性像を描く技術が向上したことにより、ウォルトは王子を“フィリップ”と名付け、その役割を拡大することにした[8][23]。ストーリー・アーティストたちは、彼をオーロラ姫が「真に愛する者」とするために、マレフィセントがフィリップを誘拐し、城に100年も監禁しようとするというストーリーを考案した(これは、原作における“100年の眠り”への言及でもあった)[26]。
このように過去作と差別化を図る一方、『白雪姫』や『シンデレラ』製作時に却下されたアイデアを改めて採用したものもあり、雲の上で踊る王子と王女の場面(ウォルトのお気に入りのコンセプト)や、フィリップがマレフィセントの領域から脱出する場面などがこれに該当する[27][28]。
美術

『眠れる森の美女』を過去の作品と区別するため、ウォルトは視覚的なデザインにおいて以前とは異なるアプローチを取ることにした[12][29]。
1952年、カイ・ニールセンが最初のスケッチを作成し、柔らかい色彩の空気のようなデザインを提案した[30][31][32]。美術担当のケン・アンダーソンは彼のアートワークに感銘を受けたが、そのパステル画をアニメーションにするのは難しいと感じた[33]。ウォルトはジョン・ヘンチにセル画でニールセンのアートワークを表現できるよう手伝いをさせたが、ニールセンは1953年4月にスタジオを去ってしまう[30][33]。
その後、ヘンチがクロイスターズを訪れユニコーンのタペストリーを鑑賞したことが、この映画の美術スタイルが決定づけられるきっかけとなった[34]。ヘンチはタペストリーの複製をスタジオに持ち帰ると同時にスケッチを描き、それを映画のビジュアルテンプレートとして提案した[31][35]。ウォルトはこのアイデアを承認し、背景アーティストのアイヴァンド・アールがヘンチのスケッチに基づき試作品を制作した[36][37]。映画の最初から最後まで統一感のある外観を持たせたいと考えたウォルトは、アールを映画の色彩設計と美術監督の両方に任命し、彼を映画の美術的側面において、過去に前例のないほど自由にコントロールできるようにした[13][38][39]。『眠れる森の美女』は、ディズニー作品において背景画が作品の方向性をも定義した最初の映画だった[40]。
アールの本作における独特な美術スタイルは、ルネサンス以前の北欧美術やゴシック美術、ペルシア美術、中世のタペストリー、日本の版画の影響を受けていた[26][38][42][43]。その中で主に触発されたのは、リンブルク兄弟による装飾写本『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』であり、マレフィセントの炎の黄緑やオーロラ姫の王室のドレスのピンクと青など、主要な色彩はこの書から得た[42]。アールはまた、歴史的影響とモダニズムを組み合わせ、背景やキャラクターを、これまでのディズニー・アニメーションでは見られない、様式化された大胆な色使いにした[9][42]。

約5年間で、アールは約300枚のビジュアル開発画、数百枚のスケッチ、数十枚もの重要な背景画を作成した[26][41][43][44]。他に映画で使用された800以上の背景は、アールの監督下で働く10人のアーティストによって作成され、彼らはデザインの一貫性を保つためにアールのスタイルを踏襲した[45]。
アールの美術を見たスタッフは感銘を受ける一方、従来と異なる馴染みのないスタイルでの作業に落胆し「芸術性の高いデザインが童話の要素には合わないのではないか」と心配した[46]。アニメーターは、キャラクターを違和感なくアールの細やかな背景から目立たせるのに苦労したといい「アールのデザインと色彩設計は、キャラクターやアニメーションの妨げになっている」と不満を漏らしたという[47][48]。ある時、ベテランアニメーターのフランク・トーマスとミルト・カールが反発してウォルトに苦情を言いに行ったが、ウォルトは「君たちアニメーターは以前なら、インスピレーションを与えるスタイルがあると常に吸収し、新たな表現を生み出しては主張していただろう」と説得したという[46][48]。
アールのデザインが映えるよう、ウォルトは撮影フィルム・上映スタイルにスーパーテクニラマ70・ワイドスクリーンを採用した[11][49]。この決定はアニメーターやレイアウトアーティストにとってさらなる困難をもたらし、非常に大きな紙を扱い、画面を埋めるために通常の2倍の量の作画をしなければならなかったという[8][36]。
途中より総監督となったクライド・ジェロニミは、アールと創作面で意見の相違があり、彼の絵に「雰囲気がない」と感じていた。ジェロニミは後に「例えば地下牢のシーンは、明るくてディテールが多すぎる。私はもっと雰囲気のある、暗い地下牢のような感じが欲しかった…、木や樹皮などの美しいディテールは良いが、一体、誰がそんなものを見るというんだ? アニメーションよりも背景が重要になってしまった。彼は背景をクリスマスカードのように描いていた」と話している[50][51]。また、当初は好意的な反応を示していたウォルトも途中からは「美術面に重点が置かれすぎ、ストーリーを犠牲にしている」と感じていたという[52]。
1958年3月、作品が完成する前にアールはディズニー・スタジオを離れ、ジョン・サザーランド・プロダクションズに移籍した。これにより、ジェロニミはアールが作成したデザインを尊重しつつも、背景画をエアブラシで柔らかくするなどアニメーションと剥離しないように美術設定を変更した[51]。
アニメーション
本作も、ウォルトによる「キャラクターを出来る限りリアルに、生身の人間に近づけたい」との考えから、実写による参考映像からアニメーションを描き起こすロトスコープ方式が使用された[53]。
トム・オレブは、アールの背景と同様に「直線と曲線」のモチーフを採用したキャラクターデザインを作成し、衣装設定も兼任した[54]。彼はアールと密接に協力し、背景画のような強い水平面と垂直面をキャラクターに組み込んだ[8][9][38]。
アールの美術と同様、アニメーターたちはオレブのキャラクターデザインに「アニメ化するには硬すぎる」と不満を漏らした[48]。ケン・アンダーソンは後に「本当に残念ながら、かなりぎこちなくなってしまった。このマナーのある背景に合わせるため、キャラクターもまた円筒形で幾何学的な形をとったのですが、それは…。まあ、『バンビ』のようなタイプのアニメーションには適していませんでした。キャラクターをスタイルに合わせつつも魅力的に保つことは、実際には不可能でした」と回想している[12]。
オーロラ姫のアニメーション監督だったマーク・デイヴィスは、アールのスタイルを受け入れた[42][55]。オレブとデイヴィスは共同でオーロラ姫のキャラクターデザインを手がけ、オードリー・ヘプバーンの影響を受けた仮のデザインを作成した[56]。そこから、二人は背景に合わせてキャラクターを様式化するため、衣装のひだに垂直の線を、髪に二次元的な渦巻きを組み込んだほか、彼女の顔立ちと服装をシャープにし、カールの髪にはアール・ヌーヴォーとアール・デコの様式を加えた[56][9][57]。最終的なオーロラ姫のデザインは以前のディズニーヒロインよりも洗練され、それ故に、どのキャラクターよりも描く際は細部への注意が必要なものとなった[57]。オーロラ姫の作画を一部手掛けたイワオ・タカモトは後年、この仕事を「骨の折れる仕事」と呼び、彼のような役職のない普通のアニメーターは1秒あたりに必要な24枚なのに対して1日に6、7枚しか描けなかったという[58][57][54]。
マレフィセントのデザインは、オーロラ姫同様にアニメーション監督となり衣装も任されたマーク・デイヴィスが、炎のような形と三角形の色のパターンを試した。これは、彼が自宅の書斎で見つけたチェコスロバキアの美術書の絵に影響を受けたものだった[12][59]。デイヴィスの元々のデザインでは、マレフィセントの衣装に炎のような形を強調するため赤い縁取りがあったが、アールの「赤が強すぎる」という意見からラベンダー色に変更した[57][59]。デイヴィスはキャラクターをより悪魔的に見せるため角とコウモリの羽に似た襟を加え、ドラゴンの形態を暗示するために爬虫類のような性質を衣装に与えた[9][60]。マレフィセントのドラゴンの形態はエリック・クレワースが担当し、その頭の動きはガラガラヘビの動きを参考にしている[26][61]。
三人の妖精のアニメーション監督となったフランク・トーマスとオリー・ジョンストンは、アールのスタイルに適応するのに最も苦労した[12][62]。ウォルトは当初、三人のキャラクターデザインを同じにすることを主張したが、二人は「それぞれの妖精に明確な個性があった方が面白い」と感じて反対している[63][64]。オレブによる初期のデザインでは、キャラクターは3つの主要な形状(四角形、三角形、円)を反映した、より厳格な幾何学的スタイルで描かれていたが、これはアニメーション化が難しすぎたため没となり、ドン・ダグラディにより柔らかさを取り入れたデザインとなった。ただし、背景のスタイルに合わせるため、ケープと頭飾りの角張った形状はそのまま残されている[12][65][66]。トーマスとジョンストンは、アニメーションの参考として結婚披露宴や食料品店で見た老婦人の動きを研究し、妖精たちの衣装デザインは中世スカンジナビアとドイツ風の衣装の本の影響を受けた[64][65]。
ミルト・カールはフィリップ王子のアニメーション監督を務めたが、王子の感情の揺れ動きが少ないことに不満を抱いていた[67]。彼はフィリップのほか、ステファン王、ヒューバート王、フィリップ王子の馬・サムソンのアニメーション監督も担当。サムソンのデザインは、ロナルド・サールの作品に影響を受けている[27][36][68]。
本作は、原画をセルにトレスする工程が手作業であった最後の作品だった[12]。ただし、最後の戦闘シーンの茨の森場面では部分的にゼロックスの転写機が使用された[69]。
エピソード
作中でフローラとメリーウェザーがオーロラのドレスをピンクにすべきか青にすべきかで対立する場面があるが、これは、製作中にスタジオ内でオーロラの衣装をどちらにするかで意見が分かれ決着がつかなかったという、実際のエピソードから生まれたものである。そのため、フローラとメリーウェザーはある意味、当時のスタッフの悩みを代弁する形となっている[70]。
映画に実写で登場する童話の本は、アイヴァンド・アールの手作りとなっている[70]。
ドラゴンとなったマレフィセントが出す炎の効果音には、アメリカ陸軍から取り寄せた火炎放射器の音が使われた[71]。
ワーナー・ブラザース・カートゥーン・スタジオで『ルーニー・テューンズ』などを手掛けていたチャック・ジョーンズは、ワーナーのスタジオが移設される短期間だけ本作に参加した。しかし、自分たちのやりたいように出来るワーナーと違い、すべての作業にウォルトの承認が必要となるディズニー・スタジオの雰囲気には息苦しさを覚え、ワーナーに戻る際は飛び上がるほど喜んだという[70]。
音楽
ピョートル・チャイコフスキーが作曲した1889年のバレエ作品『眠れる森の美女』での音楽の使用は、「バレエ用の曲を映画音楽として採用することが困難である」という理由から、一度は却下された[8][72]。この時(1952年)に雇われたジャック・ローレンス、サミー・フェイン、ウォルター・シューマンによって、「いつか夢で」などの主題歌・挿入歌が作られた[73]。
1953年、アイヴァンド・アールが美術監督に就任すると、ウォルトはチャイコフスキーのバレエ音楽を使うという案を復活させ採用した。これは、ローレンスとフェインによるブロードウェイ風の劇伴を「アールの様式化されたデザインと衝突する」と感じたからである[36][72][74][75]。この際、シューマンは作成していた曲に「チャイコフスキー・サウンド」を与える新しい編曲を試みるも失敗し、バレエでの「ガーランド・ワルツ」をリスペクトした「いつか夢で」を除いて、フェインとローレンスのオリジナル曲は没となった[74][75]。その後、シューマンはウォルトとの創作上の意見の相違からプロジェクトを離れたため、ウォード・キンボールの推薦でジョージ・ブランズが後任に起用された[76]。
ブランズにとって『眠れる森の美女』はディズニー・スタジオとの最初のタッグであり、映画作曲家としての初めての経験でもあった[72][74]。ブランズはアニメーター、監督、ストーリーアーティストと緊密に協力し、チャイコフスキーの音楽を映画音楽として機能させるため編曲作業に3年間を費やした[77]。
物語冒頭の挿入歌「オーロラ姫おめでとう」は、バレエでのプロローグの行進曲に基づいている[74]。“ガーランド・ワルツ”の3番目の旋律は「私は不思議」として使用[74]。バレエ第3幕「長靴をはいた猫」のテーマ曲は、マレフィセントがオーロラを糸車に誘い込む場面など緊迫感のあるシーンで使われた[78]。そのほか、ブランズは「銀の妖精」のテーマを挿入しようと何度か試み、三人の妖精がオーロラの誕生日プレゼントを準備する場面で「なぞなぞ、一、二、三」という楽曲を作成した[8][79][80]。この歌は最終的にカットされたが、メロディーだけは本編に残されることとなった[8]。
ステファン王とヒューバート王が子供たちの結婚を祝って歌う「スカンプス」については、バレエ音楽の中にふさわしいメロディーが見つからなかったため、ブランズによるオリジナル曲となった[77]。
録音はアメリカで始まったが、ミュージシャンがストライキを起こしたため、ブランズは新しいステレオ音響システムを導入していたベルリンの最新鋭のスタジオに派遣され、1958年9月8日から11月25日までグラウンケ交響楽団(現:ミュンヘン交響楽団)と録音した[9][36][79][81]。これにより、本作はそれ以前の疑似ステレオなどではない、世界初の完全ステレオで録音されたサウンドトラックとなった[81]。
ウォルトの多忙・難航したスケジュール
1953年7月、プロジェクトが本格的に開始[82][83]。だが、1954年の夏までにウォルトはディズニーランドの建設、テレビ番組『ディズニーランド』のプロデュースなどに着手し、当時『眠れる森の美女』に携わっていたスタッフのほとんどもこれらのプロジェクトに配属されたため、製作は一時中断された[8][19]。
1956年12月、製作が再開。ウォルトはこの時、作品のあらゆる側面を監督することを主張したものの、実際にはディズニーランドの事業に集中し続けることとなり、アニメーター(ミルト・カールなど)は遅延の責任をウォルトに負わせた[19][52][84][85]。1957年1月時点では2500フィート(約30分に相当)のアニメーションが完成するも、残りはそれ以上の3775フィートだった[52]。
スタジオ役員のハリー・タイトルによると、1957年8月22日に試写会が行われた後、ウォルトは遂に「『眠れる森の美女』への興味を失ってしまった」と述べたといい、「これまでのように、数日間スタジオに籠って映画全体を綿密にチェックするような対応は取らなかった」と証言している[52][84]。製作の遅れはコストの増加につながり、完成までに数年を要した1万ドルの森のシーンは予算オーバーとなったためウォルトの不満を招いた[12][86]。製作が後半に差し掛かると、ウォルトはスーパーバイザーの役目をエリック・ラーソンからクライド・ジェロニミに交代させた[51]。また、アニメーターにはコスト削減のため、1日に指定された枚数の絵を描くことを義務付けるノルマ制が導入された[87]。
ウォルトは当初、『眠れる森の美女』を1955年に公開する予定だったが、製作の遅れから公開予定日が1957年2月に変更され、さらに何度か延期された[82][52]。最終的に、初公開は1959年1月となった[52]。
製作費・労力
600万ドルの製作費がかかった『眠れる森の美女』は、当時最も製作費のかかったディズニーの長編アニメーション映画となり、前作『わんわん物語』(1955年)の2倍以上製作費がかかっていた[88]。
参加したアニメーターは約300人。セル画枚数は約100万枚にのぼった[89]。
公開
1959年1月29日、ロサンゼルスのフォックス・ウィルシャー劇場で初公開され、順次劇場公開された。同時上映は、ドキュメンタリー短編『グランド・キャニオン』[90][91][92]。公開は、6トラックのステレオ音響を備えた大型スーパーテクニラマ70で上映できる特別設備を備えた選ばれた劇場での上映だった[9]。アメリカとカナダでおよそ530万ドル(興行収入からの配給収入)の収益を上げたが、600万ドルの予算に対して興行的には失敗となり、配給部門は90万ドルの損失を出した[93][94]。
本作の失敗、そして同年に公開されたディズニー作品の大半の不振は、ウォルトがアニメーション制作への興味を失う引き金となった[84]。また、ウォルト・ディズニー・プロダクションは1960年度に130万ドルの年間損失を計上し(10年ぶりの損失)、アニメーション部門全体で大規模な人員削減が行われることとなった[95][84]。
その後、1970年に映像規格を標準の35ミリフィルムにしたものが再公開され、380万ドルの興行収入を記録[96]。以降は何度か再公開が行われ人気が高まり、アメリカでの最終的な総収益は約6億8100万ドルとなるなど成功した[97]。これにより、本作はディズニーの大切な財産となった。
日本での公開
日本では、1960年7月23日に初公開された。公開にあたり日本語吹き替えが制作されており、オーディションに数百人が参加したほか、収録は国際ラジオ・センターの第二ステージを3か月借り切って行われ、製作費は約1千万円(現在の約5700万円)となった[6]。この吹き替えは、制作総指揮を務めたディズニー・プロの海外技術部長ジャック・カッティングも太鼓判を押す出来となり、長らくディズニーにおいて吹き替え制作のお手本とされるものとなった[98][99]。
公開時にウォルトは宣伝のため、厳選した約250枚のセル画、背景、下絵、アニメーションの原画、ストーリースケッチを日本へ送り(『眠れる森の美女』以外の作品も含む)、これらは三越などで1960年5月から12月に開催した巡回展「漫画の歴史と動画芸術 ウォルト・ディズニー展」に使用された。後日、ウォルトは資料のほとんどを最後の会場だった東京国立近代美術館に寄贈。1963年には千葉大学に移り、2008年にウォルト・ディズニー・カンパニーへ返還された。
1971年、1984年には再公開が行われた。1988年の再公開ではニュープリントを用い、吹き替えもドルビーステレオ版にリミックスしたものが使用された。
1995年には、『グーフィーとマックス ホリデーは最高!!』との同時上映という形で再公開された。映像は修復作業を行ったデジタル・ニュー・バージョンが使用されたほか、吹き替えもこの再公開より一新され、以降のメディアなどではこの吹き替えが使用されることとなった。
評価
公開当時は批評家から賛否両論の評価を受け、美術、キャスト、音楽は高く評価されたものの、ストーリーやキャラクターについては批判的な意見が多かった[91][100]。近年では、アニメーション映画の中で最も芸術的に高く評価されている作品の1つであり、その芸術的方向性、背景や色彩のスタイリング、キャラクターアニメーションが高く評価されている[9][36][42][101]。
バラエティ誌はキャストを称賛し、三人の妖精が登場するシーンを「本作で最も素晴らしいシーンの一つ」と評した[102]。セントピーターズバーグ・タイムズ紙のローナ・キャロルは「傑作であり、アニメーション芸術の最高峰」と呼ぶ一方で、「はるかに壮大で先進的だが、 『白雪姫』の時のように心を打つことはない」と述べている[103]。
映画評論家のボズレー・クロウザーは、ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿し「色彩は豊かで、音響は艶やかで、魔法の輝きが杖から魅力的に噴き出す」とする一方、脚本とキャラクターは「『白雪姫』に似すぎている」と感じたという[104]。ロサンゼルス・タイムズ紙のフィリップ・K・シューアーは、視覚的デザイン、アニメーションの質、三人の妖精とマレフィセントの描写を賞賛したが、人間のキャラクターが「ステレオタイプ」だと批判し、同時上映のドキュメンタリー映画『グランド・キャニオン』のほうが印象に残ったと述べた[105]。ハリソンズ・レポートは「アニメーション芸術の観点からは疑いなく優れている」としたものの、『白雪姫』のような「忘れられない」キャラクターや歌が無く、そして全体的なエンターテイメント性に欠けていると述べた[106]。タイム誌は多くの評論と異なり美術面を厳しく批判しており「絵さえも粗雑だ。感傷的でクレヨン絵の具のような幼稚さと、大胆に見せようとしているが実際はただの四角く幼い商業的キュビズムとの間の妥協点となっている」 と評した[107]。
1985年の再上映では、シカゴ・リーダー紙のデイブ・ケアが「戦後のディズニー・スタジオによる最高傑作」と評し、特に最後の戦闘シーンにおけるスーパーテクニラマ70プロセスの使用を称賛した[108]。チャールズ・ソロモンはロサンゼルス・タイムズ紙に「ウォルト・ディズニーがアニメーションを芸術の域にまで高めようとした努力の集大成である」と寄稿し、その視覚的デザインやマレフィセントのキャラクター、最後の戦闘シーンを賞賛したが、「他のディズニー映画のような力強いストーリーラインが欠けている」とし、特にオーロラとフィリップの関係は「あまり面白くない」ロマンスと評した[109]。タイムアウト誌は「『白雪姫』や『ダンボ』のような古典名作の高みに達することはないが、それでも素晴らしい瞬間はある」と書き、アニメーション、サウンドトラック、そしてマレフィセントとフィリップの最後の対決を評価した[110]。
製作に参加したアニメーターのフランク・トーマスとオリー・ジョンストンは後年、自身のウェブサイトで「色彩とデザインはまばゆいばかりだが、温かみが欠けている」と述べていた[111]。
映画評論サイトのRotten Tomatoesでは、46件のレビューに基づいたこの映画の支持率は90%であり、平均評価は8.3/10であるとした。総評では「このディズニーの夢のような風景には、豊かな色彩、魔法のような雰囲気があり、そしてディズニーの正典の中で最も恐ろしい悪役の一人が描かれるなど、壮大な瞬間が含まれている」としている[112]。
影響
公開後、アメリカのアニメーション業界では特に影響力のあったディズニー作品の1つと考えられている。
背景と色彩のスタイリングは、『ポカホンタス』(1995年)『アナと雪の女王』(2013年)など、後のアニメーション映画に大きな影響を与えた[42][113][114][115]。また、アンドレアス・デジャ、グレン・キーンなどは、この映画のデザインとアニメーションにインスピレーションを受けて、『アラジン』 (1992年)、 『ポカホンタス』 (1995年)、『ノートルダムの鐘』(1996年)のキャラクターをデザインした[42][59][116]。
ディズニーランドのシンボルはもともと「白雪姫の城」として構想されていたが、本作の宣伝のために「眠れる森の美女の城」となった[19][117]。
その他
生前のウォルトが関わった童話を原作とする作品としては最後のものとなり、ウォルト・ディズニーの死後、ディズニーのアニメ映画で童話を原作としたものは1989年の『リトル・マーメイド』まで現れなかった。
書籍化
- 著:A.L. シンガー/訳:橘高弓枝『眠れる森の美女』偕成社、1997年9月1日。ISBN 4037910608。
絵本
- 訳:堀内純子/中村光毅、三石宏文、片山径子『眠れる森の美女』講談社〈ディズニー名作童話館⑱〉、1988年6月24日。 ISBN 4061942689。
テレビ放映
- 地上波放送・関東地区のみ記載。
- 視聴率はビデオリサーチ調べ。関東地区でのデータ。
回数 | 放送局 | 放送枠 | 放送日 | 放送時間 | 放送分数 | 平均世帯 視聴率 |
備考 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 2025年9月12日 | 21:00-23:04 | 124分 | 地上波初放送 本編ノーカット |
[118] |
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脚注
注釈
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関連項目
- 眠れる森の美女の城
- Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ - 眠れる森の美女の城があるディズニーランド(アナハイム)が舞台のゲーム。オーロラ姫等も登場する。
- マレフィセント - 2014年5月30日公開のディズニーの実写映画。本作に登場するマレフィセントを主役とし、彼女視点で『眠れる森の美女』を描く。
外部リンク
「眠れる森の美女 (アニメ映画)」の例文・使い方・用例・文例
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