ディズニートゥーン・スタジオとは? わかりやすく解説

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ディズニートゥーン・スタジオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/03 01:50 UTC 版)

ディズニートゥーン・スタジオ
DisneyToon Studios
以前の社名
ディズニー・ムービー・トゥーン
元の種類
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ内の別動班[1]
業種 映画
設立 1990年4月1日 (35年前) (1990-04-01)
解散 2018年6月28日 6年前 (2018-06-28)
本社
主要人物
エドウィン・キャットマル (社長)
ジョン・ラセター (チーフ・クリエイティヴ・オフィサー)
製品 アニメーション映画
所有者 ウォルト・ディズニー・カンパニー
親会社 ディズニー・テレビジョン・アニメーション (1988–2002)
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ (2003–2018)
ウェブサイト disneytoonstudios.disneycareers.com/en/default/ 
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ディズニートゥーン・スタジオDisneyToon Studios)は、アメリカカリフォルニア州グレンデールに本社を置き、かつてはディズニー・ムービートゥーンズDisney Movietoons[2])の名で知られたアメリカ合衆国アニメーション・スタジオウォルト・ディズニー・カンパニーの下でビデオ映画、短編映画、テレビスペシャル作品を主に製作していた。スタジオはウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオとは別々に活動し(両スタジオ共、ウォルト・ディズニー・スタジオウォルト・ディズニー・モーション・ピクチャーズ・グループの一部である)[1]、スタジオは閉鎖される2018年6月までに42本の長編を公開し、最初の作品は『ダックテイル・ザ・ムービー/失われた魔法のランプ』(1990年)、最終作は『ティンカー・ベルと流れ星の伝説』(2015年)であった。

2007年にピクサー重役のエドウィン・キャットマルジョン・ラセターが社長及びチーフ・クリエイティヴ・オフィサー英語版となった。翌年の『ティンカー・ベル』以降からスタジオは続編のビデオ映画よりもディズニー及びピクサー作品のスピンオフに重きを置き始めた[3][4]

2018年6月28日、スタジオの閉鎖が行われた[5]

歴史

黎明期(ムービートゥーンズ)

ディズニー・ムービートゥーンズの最初の作品は、ディズニーからシンジケーション放送されたテレビ番組『わんぱくダック夢冒険』の映画版『ダックテイル・ザ・ムービー/失われた魔法のランプ』(1990年)である[2]。同時期にスタジオは、ウォルト・ディズニー・フィチャー・アニメーションの作品の続編となるビデオ映画の製作を始めた。最初の作品は『アラジン』(1992年)の続編の『アラジン ジャファーの逆襲』(1994年)である。ストーリーはテレビシリーズ『アラジンの大冒険』の劇場版となる内容であった。『ジャファーの逆襲』は商業的に成功を収め、2つ目の続編『アラジン完結編 盗賊王の伝説』(1996年)も発売された。

その他に『美女と野獣 ベルの素敵なプレゼント』(1997年)、『ポカホンタスII/イングランドへの旅立ち』(1998年)、『ライオン・キング2 シンバズ・プライド』(1998年)、『シンデレラII』(2002)といった続編ビデオ映画が発売された[6]

ディズニートゥーン・スタジオ

2003年1月、ディズニーは効率良くリソースを使い、新たなキャラクターやフランチャイズを開発するためにスタジオの再編成を行った。6月にディズニー・ムービートゥーンズ/ディズニー・ビデオ・プレミアズ班はディズニー・テレビジョン・アニメーションからウォルト・ディズニー・フィーチャー・アニメーションに置かれ、ディズニートゥーン・スタジオに改名された[7]

2005年7月25日、ディズニーは設立から17年目となるディズニートゥーン・スタジオ・オーストラリアを2006年10月を以て閉鎖する意向を発表した。最後の作品は『シンデレラIII 戻された時計の針』であった[8]

2007年6月22日、ディズニーの再編成によりディズニートゥーン・スタジオはエドウィン・キャットマルジョン・ラセターの管理下に置かれ、フィーチャー・アニメーションはウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオに改名された。チーフ・クリエイティヴ・オフィサーのラセターは企画中となっていた全ての長編映画の中止を要求した。この結果、企画中であった『ふしぎの国のアリス』、『チキン・リトル』、『ルイスと未来泥棒』、『おしゃれキャット』の続編を含むすべてのプロジェクトが中止された[9][10]。また、製作途中であった『ティンカー・ベル』も、ラセターの指揮下で一からつくりなおすことになった。後日、ディズニートゥーンは今後はディズニー映画の続編を製作せず、スピンオフやオリジナル作品に焦点を当てることが発表された。またディズニートゥーン社長であったシャロン・モリルは更迭された。

その後、ディズニートゥーン・スタジオは『ティンカー・ベル』シリーズと、『カーズ』のスピンオフ作品である『プレーンズ』シリーズを製作した。そして2018年6月28日、スタジオの閉鎖が行われ製作予定であった「プレーンズ」のスピンオフ作品は製作中止となった[5]

映画

# 作品 公開日
1 ダックテイル・ザ・ムービー/失われた魔法のランプ
DuckTales the Movie: Treasure of the Lost Lamp 1, 4
1990年08月03日
2 アラジン ジャファーの逆襲
The Return of Jafar 2, 4
1994年05月20日
3 グーフィー・ムービー ホリデーは最高!!
A Goofy Movie 1, 4
1995年04月07日
4 アラジン完結編 盗賊王の伝説
Aladdin and the King of Thieves 2, 4
1996年08月13日
5 くまのプーさん クリストファー・ロビンを探せ!
Pooh's Grand Adventure: The Search for Christopher Robin 2, 4
1997年08月05日
6 美女と野獣 ベルの素敵なプレゼント
Beauty and the Beast: The Enchanted Christmas 2, 4
1997年11月11日
7 美女と野獣 ベルのファンタジーワールド
Belle's Magical World 2, 3, 4
1998年02月17日
8 ポカホンタスII/イングランドへの旅立ち
Pocahontas II: Journey to a New World 2, 4
1998年08月25日
9 ライオン・キング2 シンバズ・プライド
The Lion King II: Simba's Pride 2, 4
1998年10月27日
10 くまのプーさん/冬の贈りもの
Winnie the Pooh: Seasons of Giving 2, 3, 4
1999年11月09日
11 ミッキーのクリスマスの贈りもの
Mickey's Once Upon A Christmas 2,4
1999年11月9日
12 ティガームービー プーさんの贈りもの
The Tigger Movie1,4
2000年2月11日
13 史上最強のグーフィー・ムービー Xゲームで大パニック!
An Extremely Goofy Movie 2, 3, 4
2000年02月29日
14 リトル・マーメイドII Return to The Sea
The Little Mermaid II: Return to the Sea 2, 4
2000年09月19日
15 わんわん物語II
Lady And The Tramp II:Scamp's Adventure2,4
2001年2月27日
16 ピーター・パン2 ネバーランドの秘密
Return to Never Land 1, 4
2002年02月15日
17 シンデレラII
Cinderella II: Dreams Come True 2, 4
2002年02月26日
18 ノートルダムの鐘II
The Hunchback of Notre Dame II 2, 3, 4
2002年03月19日
19 くまのプーさん/みんなのクリスマス
A Very Merry Pooh Year2,4
2002年11月12日
20 101匹わんちゃんII パッチのはじめての冒険
101 Dalmatians II:Patch's London Adventure2,3,4
2003年1月21日
21 ジャングル・ブック2
The Jungle Book 2 1
2003年02月14日
22 くまのプーさん 完全保存版II ピグレット・ムービー
Piglet's Big Movie 1
2003年03月21日
23 アトランティス/帝国最後の謎
Atlantis: Milo's Return 2, 3, 4
2003年05月20日
24 ライオン・キング3 ハクナ・マタタ
The Lion King 1½ 2, 4, 5
2004年02月10日
25 くまのプーさん/ルーの楽しい春の日
Winnie the Pooh: Springtime with Roo 2
2004年03月09日
26 ミッキー、ドナルド、グーフィーの三銃士
Mickey · Donald · Goofy: The Three Musketeers 2
2004年08月17日
27 ポップアップ ミッキー/すてきなクリスマス
Mickey's Twice Upon a Christmas 2
2004年11月09日
28 ムーラン2
Mulan II 2
2005年02月01日
29 くまのプーさん ザ・ムービー/はじめまして、ランピー!
Pooh's Heffalump Movie 1
2005年02月11日
30 ターザン2
Tarzan II 2
2005年06月14日
31 リロ&スティッチ2
Lilo & Stitch 2: Stitch Has a Glitch 2
2005年08月30日
32 くまのプーさん/ランピーとぶるぶるオバケ
Pooh's Heffalump Halloween Movie 2
2005年09月13日
33 ラマになった王様2 クロンクのノリノリ大作戦
Kronk's New Groove 2
2005年12月13日
34 バンビ2 森のプリンス
Bambi II 1
2006年02月07日
35 ブラザー・ベア2
Brother Bear 2 2
2006年08月29日
36 きつねと猟犬2 トッドとコッパーの大冒険
The Fox and the Hound 2 2
2006年12月12日
37 シンデレラIII 戻された時計の針
Cinderella III: A Twist in Time 2
2007年02月06日
38 DISNEY PRINCESS おとぎの国のプリンセス/夢を信じて
Disney Princess Enchanted Tales: Follow Your Dreams 2, 3, 4
2007年09月04日
39 リトル・マーメイドIII はじまりの物語
The Little Mermaid: Ariel's Beginning 2
2008年08月26日
40 ティンカー・ベル
Tinker Bell 2
2008年10月28日
41 ティンカー・ベルと月の石
Tinker Bell and the Lost Treasure 2
2009年10月27日
42 ティンカー・ベルと妖精の家
Tinker Bell and the Great Fairy Rescue 2
2010年09月21日
43 ティンカー・ベルと輝く羽の秘密
Secret of the Wings 2, 6
2012年10月23日
44 プレーンズ
Planes 1, 6
2013年08月09日
45 ティンカー・ベルとネバーランドの海賊船
Tinker Bell and the Pirate Fairy 2
2014年04月01日
46 プレーンズ2/ファイアー&レスキュー
Planes: Fire and Rescue1, 6
2014年07月18日
47 ティンカー・ベルと流れ星の伝説
Tinker Bell and the Legend of the Neverbeast2[11]
2015年03月03日
48 ピノキオ2 良心を戻れ
Pinocchio 2
2025年公開
備考
1. 劇場公開
2. ビデオストレート
3. ラップアラウンド・アニメーション
4. ディズニー・テレビジョン・アニメーション製作
5. 実写とアニメーションの両方が含まれる作品
6. 3D作品

参考文献

  1. ^ a b Studio Entertainment
  2. ^ a b Harrington, Richard (1990年8月7日). “‘DuckTales: The Movie’”. Washington Post. https://www.washingtonpost.com/wp-srv/style/longterm/movies/videos/ducktalesthemoviegharrington_a0aaed.htm?noredirect=on 2013年2月27日閲覧。 
  3. ^ Baisley, Sarah (2007年6月21日). “DisneyToon Studios Prexy Morrill Steps Down”. Animation World Network. https://www.awn.com/news/disneytoon-studios-prexy-morrill-steps-down 2013年4月15日閲覧。 
  4. ^ Hill, Jim (2007年6月20日). “Say "So Long !" to direct-to-video sequels : DisneyToon Studios tunes out Sharon Morrill”. Jim Hill Media. http://jimhillmedia.com/editor_in_chief1/b/jim_hill/archive/2007/06/21/say-so-long-to-direct-to-video-sequels-disneytoon-studios-tunes-out-sharon-morrill.aspx 2013年4月15日閲覧。 
  5. ^ a b Desowitz, Bill (2018年6月28日). “Disney Shuts Down Disneytoon Studios in Glendale: Exclusive”. IndieWire. https://www.indiewire.com/2018/06/disneytoon-studios-shuts-down-disney-glendale-1201979736/ 2018年6月28日閲覧。 
  6. ^ Hoffman, Ilene (1997年11月). "Buena Vista Home Entertainment: A Very Lucky Accident Indeed". Animation World Magazine. 2013年3月9日閲覧
  7. ^ Baisley, Sarah (2003年6月16日). “DisneyToon Studios Builds Slate Under New Name and Homes for Needy”. Animation World Network. https://www.awn.com/news/disneytoon-studios-builds-slate-under-new-name-and-homes-needy 2013年2月26日閲覧。 
  8. ^ Grimm, Nick (2005年7月27日). “Disney cans Australian animation operation”. Australian Broadcasting Company. https://www.abc.net.au/news/2005-07-27/disney-cans-australian-animation-operation/2067366 2012年4月19日閲覧。 
  9. ^ Baisley, Sarah (2007年6月21日). “DisneyToon Studios Prexy Morrill Steps Down”. Animation World Network. https://www.awn.com/news/disneytoon-studios-prexy-morrill-steps-down 2012年4月19日閲覧。 
  10. ^ Hill, Jim (2007年6月20日). “Say "So Long !" to direct-to-video sequels : DisneyToon Studios tunes out Sharon Morrill”. Jim Hill Media. http://jimhillmedia.com/editor_in_chief1/b/jim_hill/archive/2007/06/21/say-so-long-to-direct-to-video-sequels-disneytoon-studios-tunes-out-sharon-morrill.aspx 2012年4月19日閲覧。 
  11. ^ Zahed, Ramin (2012年12月26日). “Disney's 'Planes' to Take Off in Theaters in August”. Animation Magazine. http://www.animationmagazine.net/features/disneys-planes-to-take-off-in-theaters-in-august/ 2013年3月27日閲覧。 

外部リンク


ディズニートゥーン・スタジオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 22:29 UTC 版)

「ディズニートゥーン・スタジオ」の記事における「ディズニートゥーン・スタジオ」の解説

2003年1月ディズニー効率良くリソース使い新たなキャラクターフランチャイズ開発するためにスタジオ再編成行った6月にディズニー・ムービートゥーンズ/ディズニー・ビデオ・プレミアズ班はディズニー・テレビジョン・アニメーションからウォルト・ディズニー・フィーチャー・アニメーション置かれ、ディズニートゥーン・スタジオに改名された。 2005年7月25日ディズニー設立から17年目となるディズニートゥーン・スタジオ・オーストラリアを2006年10月を以て閉鎖する意向発表した最後作品は『シンデレラIII 戻された時計の針であった2007年6月22日ディズニー再編成によりディズニートゥーン・スタジオはエドウィン・キャットマルジョン・ラセター管理下に置かれ、フィーチャー・アニメーションはウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ改名された。チーフ・クリエイティヴ・オフィサーのラセター企画となっていた全ての長編映画中止要求した。この結果企画であった『ふしぎの国のアリス』、『チキン・リトル』、『ルイスと未来泥棒』、『おしゃれキャット』の続編を含むすべてのプロジェクト中止された。また、製作途中であった『ティンカー・ベル』も、ラセター指揮下で一からつくりなおすことになった後日、ディズニートゥーンは今後ディズニー映画続編を製作せずスピンオフオリジナル作品焦点当てることが発表された。またディズニートゥーン社長であったシャロン・モリルは更迭された。 その後、ディズニートゥーン・スタジオは『ティンカー・ベル』シリーズと、『カーズ』のスピンオフ作品である『プレーンズ』シリーズ製作した。そして2018年6月28日スタジオ閉鎖が行われ製作予定であったプレーンズ」のスピンオフ作品製作中止となった

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