皇室の対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 14:50 UTC 版)
「東日本大震災に対する皇室の対応」の記事における「皇室の対応」の解説
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)発生当日、皇學館大学の学生ボランティアによる皇居勤労奉仕団が皇居などで奉仕作業を行っていた。地震発生による交通マヒで勤労奉仕団が帰路に就くことが出来なくなってしまった為、そのことを耳にした天皇の指示により、皇學館大学皇居勤労奉仕団参加者全員を皇居内の施設である窓明館に宿泊させた。 天皇皇后は、3月12日に地震・津波被害に対する見舞いの気持ちを示し、宮内庁長官を通して菅首相に、災害対策に全力を尽くしている関係者一同の努力を深く労う旨を伝えた。 東日本大震災による電力危機により3月15日から東京電力が実施した管内における計画停電は皇居・御所がある千代田区は対象外であったが、皇居・御所では東京電力が発表した計画停電スケジュールの「第1グループ」地域における停電時間(1回約2時間)に合わせて電気の使用をほぼ全て控える「自主停電」を行った。自主停電は、東京電力から計画停電のスケジュールが発表されなくなった4月30日まで続けられた。また、3月14日以降の一部儀式の簡略化、園遊会の中止が決定され、電力消費の大きい宮殿の使用は認証官任命式と新駐日大使の信任状捧呈式に限定し、他の宮殿行事は御所で実施された。夏の電力使用を抑えるため、7月5日の平野達男震災復興担当大臣の認証官任命式、7月25日の韓国とモナコの新任駐日大使の信任状捧呈式も、御所で行われた。 震災当時、天皇は侍従長からシェルター「特別室」への避難を進言されたが、「その必要はない」と返答した。内閣からも関西への避難を勧められたが宮内庁を通じて「国民が避難していないのに、あり得ない」と却下したという。 皇太子徳仁親王・同妃雅子は、4月にロンドンで執り行われるイギリス王室のケンブリッジ公爵の結婚式への出席の為、英国訪問を予定していたが、震災の影響により訪英を見送ることとなった。また東宮御所においても節電の態勢を取った。 高根沢御料牧場の生産品を支援物資として避難所に届けたり、那須御用邸の職員用の風呂を避難者に開放するなど前例のない取り組みも行われている。 皇太子は7月10日に学習院創立百周年記念会館で開かれた学習院OB管弦楽団の東日本大震災チャリティーコンサートに、ビオラ奏者として参加した。
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